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「お手数をおかけしました」という言葉
社会に出て仕事や生活をするという事は、少なからず全てを一人でこなしているという事はありません。自分のために相手が何かしてくれた時に、適切な言葉で感謝を述べるという事は社会人として、とても大切な事です。
今回は、「お手数をおかけしました」という言葉の意味や正しい使い方、言い換え方や実際の例文などを詳しく紹介いたします。
「お手数をおかけしました」の意味とは?
まず、「手数」には二つの意味があります。一つ目は、面倒くさいこと事や煩わしい事を他人に解決してもらうための手間の事です。二つ目は、将棋やボクシングなど相手を負かすため似繰り出す技の数の事を表しています。
今回焦点を当てて紹介している「お手数をおかけしました」は、相手に対しての感謝と労いの言葉ですので、一つ目の意味になるでしょう。
また、「かける」という言葉には、相手に対して努力や苦労を負担させるという意味があります。この「手数」と「かける」を合わせて感謝と労いの言い回しにしたのが「お手数をおかしました」という言葉です。
つまり、相手が自分のために努力や苦労をして、何かを成し遂げてくれた時にかける言葉と言えるでしょう。
「お手数をおかけしました」の正しい読み方とは?
上記で説明したように「手数」には二つの意味があります。一つ目の相手に対しての感謝とねぎらいの意味として使う場合には「てすう」と読む事が多いでしょう。二つ目の将棋やボクシングの技の数の意味として使う場合には「てかず」と読みます。
実際に、感謝と労いの言葉として「お手数をおかけしました」と使う場合は、「おてすうおかけしました」と読む事が多いでしょう。しかし、「手数」という熟語の漢字を両方とも訓読みしている「てかず」が本来の読み方で、意味も二つ目の勝負事に勝つための技の数が本来の「手数」の由来ですので、「てかず」と読んでも間違いではありません。
昨今では、本来の「手数」の正しい読み方ではない「てすう」も「手数料」などで公の読み方として使用されているため、どちらの読み方で読んでも間違いではないでしょう。
「お手数をおかけしました」の敬語とは?
まず、「おかけしました」という言葉を分解して解説すると「かける」に「お○○した」という謙譲語と「ました」という丁寧語を加えた文章になっていますので、公の場でも使える正しい敬語表現と言えるでしょう。また、この文章をより丁寧なものに構成すると「お手数をおかけいたしました」になります。
その後に続く言葉や意味によっても変化するので、状況に応じて使い分ける事が大切です。
「お手数をおかけしました」と「お手数おかけしました」どちらが正しいのか?
この二つの言葉の違いは、「を」の有無のみで、意味は同じです。そして、日常的に使用する言葉としても、どちらも間違いではありません。しかし、文章の構成と正しい敬語表現という観点からは「お手数をおかけしました」が正しいと言えるので、こちらを使う方が無難でしょう。
「お手数をおかけしました」の例文
「お手数をおかけする」という表現は、語尾の文章によって、過去のものでも未来のものでも、相手の迷惑や苦労を労う事ができます。
「お手数をおかけします」と表現すると、自分が今頼んだ事で、これから苦労を強いられてしまうという配慮になります。また、「お手数をおかけしました」と表現すると、過去に自分が頼んだことで、さぞ苦労しただろうという配慮になります。
次に時系列に沿った「お手数おかけする」旨の文章の例文を紹介します。
・お手数おかけしまして、申し訳ございません。
・お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。
・この度は、大変お手数をおかけしました。申し訳ございません。
メールでの「お手数をおかけしました」の使い方とは?
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「お手数をおかけしました」をメールの中で正く使う事によって、相手に対しての労いに続く感謝や謝罪などをより簡潔かつ誠実に伝える事ができるでしょう。
「お手数をおかけしましたこと」という表現
上記でも紹介したように、「お手数をおかけしました」という文章の場合、「しました」という過去形の表現から「お手数をおかけします」と変化させる事で、自分の行動の作用によって、これから苦労や迷惑をかけてしまうだろうという未来の相手に対する配慮を表す事もできます。
しかし、「お手数をおかけしましたこと」は完全に過去形として文章が成り立っているので、過去の迷惑や苦労に対しての相手への謝罪の時に使える表現でしょう。次から実際に、「お手数をおかけしました」と「お手数をおかけしましたこと」を比較しながら例文を紹介します。
「お手数をおかけしました」と「お手数をおかけしましたこと」を比較した例文
「お手数をおかけしました」の例文
・お手数をかけしまして、申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
・大変なご迷惑とお手数をおかけしまして、申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。
「お手数をおかけしましたこと」の例文
・お手数をおかけしまたこと、深くお詫び申し上げます。
・大変なご迷惑とお手数をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
相手への迷惑や苦労に対しての労いと謝罪を同じニュアンスで伝える事ができるのと同時に、「お手数をおかけしましたこと」と括る事で文章が簡略化されます。メール文があまりにも長くなってしまう場合には、「お手数をおかけしましたこと」を使って文章を構成すると良いでしょう。
「お忙しい中お手数をおかけする」という表現
上記で、紹介したように「お手数をおかけする」旨の文章は過去でも未来でも、語尾の文章によって時系列を変える事ができます。「お忙しい中」という文章も過去にも未来にも使えるので、どういった時系列でも成り立つ文章ができると言えます。
文章の内容に応じて使い分けてみましょう。次から、実際に使える「忙しい中お手数をかける」という表現の例文を過去形と未来形に分けて紹介します。
「お忙しい中お手数をかける」旨の例文
「お忙しい中お手数をかける」の過去形表現の例文
・お忙しい中、お手数をおかけいたしました。心より御礼申し上げます。
・無事、解決いたしました。ありがとうございます。お忙しい中お手数をおかけしました。
「お忙しい中お手数をかける」の未来形表現の例文
・お忙しい中お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
・お忙しい中お手数をおかけしますが、ご確認くださいますようお願い申し上げます。
「お手数をおかけしました」に対する返答や返信方法とは?
少なからず、相手のために時間を割いて尽力したとはいえ、ほとんどの方は「お手数をおかけしました」と言ってきた相手に対して、今後とも良好な関係を築きたいと考えているでしょう。
相手もこちらに対して最大限の配慮の言葉を用いて謝罪や感謝の言葉を述べていると言えますので、安心させてあげるような温かい一言を添えるといいでしょう。社会人として、お互いに相手を配慮する表現を見せ合う事で、円滑な社会生活に繋がるとも言えます。
次から、実際に使える「お手数をおかけしました」と言われた時の返答や返信の例文を紹介します。
「お手数をおかけしました」に対する返答や返信の例文
・とんでもないです。
・大丈夫ですよ。お互い様です。
・いえいえ。そちらもお疲れ様でした。少しでもお力になれて良かったです。
・お役に立てたようで、安心しました。
メールで「お手数をおかけしました」と送られてきた時の返信の例文
・承知しました。今後ともよろしくお願いいたします。
・少しでもお力になれて幸いです。
・お役に立てて幸いです。
相手が、仕事仲間や日頃からお世話になっている方などの場合、または、相手が他者の都合で困った上での頼みだったなどの相手の都合の場合など、状況に応じて柔軟な対応を見せる事で、相手も安心しますし、社会人としても人としても評価が上がると言えるでしょう。
「お手数をおかけしました」の類語と言い換え表現
「お手数をかける」という旨の類語としては、「手間をかける」「面倒をかける」「手を煩わす」などの表現がありますので、「御面倒おかけして申し訳ございません」や「お手を煩わせてしまい恐縮です」や「お手間をおかけして申し訳ございません」などの言い回しに換えて使ってみましょう。
「お手数をかけしました」は、自分の動作や作用によって、相手に苦労や迷惑を強いてしまった事に対する労いを一言で表す事ができる便利な表現ですが、その他にも色々な言い換えがありますので、自分なりに使いやすい表現を選んでみましょう。
社会人として細かな気配りを
「お手数をおかけする」という表現は、自分が頼んだ事で、相手が迷惑や苦労を強いられたと最大限に配慮する意味が込められています。たとえ大変な仕事をお願いしたとしても、こういった配慮の一言があるか無いかでは、任された側のモチベーションも大きく違ってきます。
相手を細かく気遣う事や思いやりのある言葉をかける事で、社会人としての評価も上がり、社会生活も円滑に進むでしょう。