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「ございましたら」の意味と使い方・敬語・謙譲語・丁寧語

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「ございましたら」の意味と使い方

目上の人と話す際、あるいはビジネスシーンにおいて「ございましたら」という言葉が用いられる事は頻繁にあります。しかし、「ございましたら、とはどういう意味か」と尋ねられたら、皆さんはしっかり相手に説明する事はできるでしょうか。普段、当たり前のように使用している言葉だからこそ、意味を聞かれると難しいものです。

この「ございましたら」という言葉は、仮定の意味を含めています。仮定とは「もし~だったら」と未来のことを指しています。また、この「ございましたら」は「ある」という言葉の敬語表現でもあります。そのため、「ございましたら」は、「もしこの先、~がある場合には」という意味を持っている言葉です。

「ありましたら」という言い方も丁寧語としては成立しますが、「ございましたら」という敬語表現の方がより丁寧で親切な印象を受けます。したがって、ビジネスシーンでは、「ございましたら」を用いると良いでしょう。

何かございましたら

ここからは「ございましたら」の基本的な使い方についてご紹介します。まず、よく使用される例として「何かございましたら」という使い方が挙げられます。この「何か」には、「用事がある時は」や「わからないことがある場合には」といった意味が含まれており、困ったとき、不安な時といった状況が含まれます。

また、この「何か」に「ございましたら」という丁寧な敬語表現を付け加える事で、「よろしければ」といった柔らかいニュアンスが含まれます。それにより、相手側も何かあったときには気軽に連絡ができるよう配慮している言葉とも言えるでしょう。

ご連絡ください

先ほど紹介した「何かございましたら」の後には多くの確率で「ご連絡ください」という言葉が付け加えられます。これはビジネスシーンでよく使用される言葉の例の1つで「何かございましたらご連絡ください」と繋げて使われる事が多いです。

しかし、この言葉を交わすと同時に名刺を渡す際には、「何かございましたら」と「ご連絡ください」の間に「こちらに」を入れる事でより丁寧な相手にわかりやすい説明となります。このように連絡下さいと相手に伝える際には、共に自分の連絡先を相手に伝える事でより親切な対応となります。忘れずに自分の連絡先を伝えましょう。

お申し付けくださいなど

ビジネスの商談の際ではなく、ホテルなどのサービス業では、「何かございましたらご連絡ください」ではなく、「何かございましたらお申し付けください」と使われる事が多いです。この際、「何か」ではなく、「わからないことがございましたら」や「ご用がございましたら」といった言葉に言い換えられる事が多いです。

しかし、後者の「ご用がございましたら」に関しては、少々尊敬語に使われる「ご」と「ございましたら」を同時に使用する事で、少々くどいように感じてしまう人もいます。気になるようであれば、ここでは「ございましたら」ではなく、「ご用がありましたら」と丁寧語に直して使用すると違和感ないでしょう。

「ございましたら」の敬語・謙譲語・丁寧語の使い方

「ございましたら」は「もし~があるならば」といった未来を仮定した敬語表現であるという説明をしてきました。また、ビジネスシーンにおける使い方や、サービス業でよく使用される使い方も合わせてご紹介させて頂きました。その際、軽く敬語について触れましたが、皆さんは覚えているでしょうか。

ここでは「ございましたら」の敬語表現について、より詳しく見ていきます。敬語にもいくつか種類がありますので、「ございましたら」は何に属するのか、また「ございましたら」よりも丁寧な敬語表現は存在するかなどを確認していきましょう。

「ありましたら」の丁寧語

まず先ほどもご紹介したとおり、「ございましたら」は「ある」を敬語表現に直した言葉です。さらにここまでにも何度か登場しました「ありましたら」をさらに丁寧にした言い方です。したがって、「ございましたら」は敬語の種類に当てはめると「ありましたら」の丁寧語が適切とされています。

この「ありましたら」という言葉の丁寧語として、もう1つ「おありでしたら」という言い方が存在します。皆さんの中にも耳にした事があるという方がいらっしゃるのではないでしょうか。

この言葉も丁寧語として使用される事がありますが、正しくは間違った敬語表現です。「おありでしたら」ではなく、「ございましたら」、または「ありましたら」を用いる方法が正しい敬語表現です。

実は「ございましたら」は謙譲語

ここまで「ございましたら」という言葉は「ありましたら」の丁寧語であるという話をしてきましたが、実は「ございましたら」という敬語は謙譲語にも当てはまるとされています。詳しく見てみると、「ありましたら」という言葉はそもそも「あれば」の丁寧語です。敬語表現の1つである「ありましたら」を謙った言い方に直した言葉が「ございましたら」となります。

この「ございましたら」は「ございます」自体が謙譲語であるため、それの活用形ということでこちらも謙譲語に当てはまります。基本的に丁寧語よりも尊敬語と謙譲語の方がより敬語として強い表現であるとされているため、より丁寧に言いたい場合は「ございましたら」を使うべきであると結論づけられます。

尊敬語の場合は名詞に「ご」を付ける

もしも相手に尊敬語として使いたい場合には、「ご~ございます」が使用可能です。「ご」は尊敬の意味を含める接頭語です。したがって、この「御(ご・お)」を名詞に付ける事で、尊敬語の表現として使用する事ができます。例えば「相談」に尊敬の意味を含めるならば「ご相談」となります。

これを見ると「尊敬語と謙譲語の組み合わせで二重敬語になってしまうのでは」と思われる方もいるでしょう。しかしこの場合、具体例を見てみるとわかりますが、「ご質問がございましたら」という例文では、尊敬語と謙譲語の文章が一旦区切られている事がわかります。したがって、二重敬語ではなく、正しい敬語表現として使用する事が可能です。

一般的にビジネスシーンでも「ご不明な点がございましたら」というように使用される事は多いです。もちろん、「何かございましたら」と簡潔に、しかし正しい敬語表現として使う方法も正しい敬語表現です。

「ございましたら」と「おありでしたら」の違い

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ここまでご紹介してきた「ございましたら」という敬語表現ですが、似た表現の1つに「おありでしたら」という言葉があります。先にも紹介しましたが、こちらも「ある」の丁寧な表現言葉として使用される事がありますが、実際には正しい敬語表現ではなく誤った言い方です。そのため、使用は避けるべきでしょう。

この2つの言葉は前述したとおり、正しい敬語表現である謙譲語の「ございましたら」という言葉と、誤った敬語表現である感覚で「お」を付けて使用されている「おありでしたら」という違いが生じます。敬語表現の正しさの時点で異なりますので、間違えないよう気を付けてください。

「ございましたら」と「ありましたら」の違い

先ほどご紹介したように、「ありましたら」をより丁寧に直した敬語表現が「ございましたら」です。また敬語の種類においてもこの2つの言葉は違います。前述したとおり、「ありましたら」は「あれば」の丁寧語です。しかし、「ございましたら」は謙譲語に当てはまる言葉です。したがってこの2つには敬語の種類が異なるという違いがあります。

またニュアンスも「ありましたら」よりも「ございましたら」の方が柔らかく、こちらが謙った言い方のため、相手も気軽に尋ねやすいというメリットがあります。そのため、ビジネスシーンで使う場合には、「ございましたら」を推奨します。

「ございましたら」は自分と相手どちらにも使えるのか

基本的に「ございましたら」という言葉は相手に対して自分を謙って言う言葉です。したがって、相手に対して使う事は可能ですが、自分に対して使う事はありません。時々「~ございましたら、こちらから連絡しても宜しいでしょうか」というような使い方がされますが、この場合は「~の時は」と言った方が違和感がありません。

例えば「相談がございましたら、こちらから連絡しても宜しいでしょうか」という会話は、少し不自然に感じます。しかし、これを「相談がある時は、こちらから連絡しても宜しいでしょうか」と言い換える事で自然な敬語表現となます。

メールでの「ございましたら」の使い方

最後にビジネスツールとして活躍しているメールの中で使用される「ございましたら」の例文をいくつかご紹介します。様々な使い方がありますが、今回は頻繁に使用される使い方を確認し、今後、取引先の相手や上司に対し、ビジネスメールを打つ際に正しく使用できるようにしておきましょう。

ご質問

まずは相手に対して「質問があったら」という意味で使われる事があります。この場合は「ご質問がございましたら」と使われる事が多く、謙譲語ではなく尊敬語として使用される事がほとんどです。このように相手が行う行動に対して「ございましたら」を使用する場合は、先ほど紹介したように「ご~ございましたら」と尊敬語に直して送信すると良いでしょう。

不明点

続いて「わからない事がありましたら」という内容を打つ際に使われる例文が、「ご不明点がございましたら」という使い方です。この「ご不明点」の前に「何か」を付ける事もあります。「わからないことがありましたら」と言ってしまうと少々聞きにくいですが、「ご不明点がございましたら」ならば聞こえが柔らかく、相手も質問しやすいでしょう。

お時間など

最後に時間や機会といった時を表す場合にも使用されます。「お時間ございましたら」や「また機会がございましたら」という言葉を聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。

具体例としては「お時間ございましたら、ぜひ弊社にお立ち寄りください」というようにメールを打つ事が可能です。こちらも時間は相手の時間を指しているため、名詞の前に「御(お)」を付けることで尊敬語にしています。

「ございましたら」をマスターしよう

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いかがでしたでしょうか。このように「ございましたら」は通常謙譲語の扱いとなりますが、名詞の前に「御」を付ける事で相手に対する尊敬の意味を含めることも可能です。皆さんも状況や相手に合わせて正しく使えるようにしておきましょう。
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