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「拝命を使用するのはどんなとき?」
「拝命と同じような言葉は?」
このようにビジネスシーンにおいて、敬語でのコミュニケーションを取ることは常識と言えます。特に上司や目上の方との会話やメールでのやり取りには、細心の注意が必要です。仮に間違った表現をしてしまうと、相手に失礼な印象を与えてしまいます。
そこで「拝命」といった言葉もビジネスシーンで頻繁に使用されます。皆さんは「拝命」という言葉の意味や使い方を理解していますか?
本記事では、「拝命」の言葉の意味から使用方法、注意点などを解説していきます。本記事を読むことで、ビジネスシーンで使用される「拝命」の意味や使い方をマスターし、どのような場面で、どのようなときに使えばいいのかを理解できます。
「拝命」という言葉の表現方法を知りたい方、思っている意味なのか確かめたい方は、この記事をチェックしてください。
「拝命」の意味
以下に引用した解説によると、「拝命」とは役職や役割などを任命することを、謙って表現した言葉であるとされています。また、目上の立場の人からの指示や命令を謹んで引き受けることを意味するとも考えられます。
はい‐めい【拝命】
[名](スル)任命されることをへりくだっていう語。命令を謹んで受けること。「全権大使を―する」
「拝命」の使い方
「拝命」という言葉は、目上の人などからの指示・命令などを、謹んで受けることを意味しています。そのため、自分が役割や役職などを任命することを、謙って表現する言葉だと言えます。
上記のような背景から、「拝命」は上の立場からの人の命令や指示を、謹んで受ける場合に使用される言葉だと予想できます。
具体的な使用例や言い回しについては、後述の例文で紹介していくので、参考にしてみて下さい。
挨拶で使う場合
ビジネスシーンの挨拶において、「拝命」が使われるシーンとして、新たな役職に就いた際の挨拶などが考えられます。「本日付で〇〇職を拝命いたしました、△△と申します」といった形で、新しく就いた役職や役割名などとともに使用する使い方が一般的です。
また、役職だけでなく、役割や重要な仕事を任命された場合にも、「拝命」という言葉を使用した挨拶をするケースもあると考えられます。
メールで使う場合
メールで「拝命」という言葉を使用するシチュエーションとして、特に多いのが新たな役職に就任した際や、役割を任命された際の、挨拶だと考えられます。その場合は、どのような役職や役割を、いつから任されたのかなどを簡潔に述べ、抱負などを一言述べると良いでしょう。
メールで挨拶などをする際に使える、「拝命」を使用した例文を、以下で紹介していきます。ぜひ、メールで挨拶をする場合などに、参考にしてみて下さい。
・この度、〇〇課長を拝命いたしました、△と申します。
・新プロジェクトの責任者を拝命しました、△です。よろしくお願いします。
・本日付で〇〇係長を拝命しました。未熟な点もございますが、何卒よろしくお願いいたします。
「拝命」の例文
「拝命」という言葉の意味や理論上での使い方は理解したものの、実際の会話や文章において、具体的にどのように使えば良いのかわからないという方も、少なくないでしょう。ですから、例文を通して「拝命」という言葉の使い方や言い回しのバリエーションなどについて、考えてみて下さい。
拝命する
・○県の観光大使を拝命する。
・○○係長を拝命する。
・新プロジェクトのリーダーを拝命する。
拝命しました
しかし、挨拶などで使用する場合は、丁寧な言い回しに言い換える必要があります。
「拝命しました」という言い回しは、「拝命」を使用したやや丁寧な言い回しの1つだと言えるでしょう。そこで続いては、「拝命しました」という言い回しを使用した例文を通して、使い方などについて考えていきましょう。
・この度、〇〇係長を拝命しました、△△と申します。
・○○大臣を拝命しました、△△です。
・社長からのご指示で、〇〇係長を拝命しました。
拝命される
「拝命される」という言い回しは、自分と同等もしくは下の立場の人物が、自分よりも上の立場の人物から、役職を任命されたり、役割を与えられたりした際に、使用される可能性がある言い回しだと考えられます。
そんな「拝命される」という言い回しの使い方について、以下の例文を通して考えてみて下さい。
・彼は、〇〇部長から、新規プロジェクトのリーダーに拝命された。
・彼女は若いが、部長から主任に拝命された。
・彼は、係長から新企画のリーダーに拝命されたと言っていた。
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「拝命」の注意点
そこで「拝命」という言葉を使用する際の注意点を3つほど紹介します。特に二重敬語になりやすいことが多いので、敬語の表現方法として誤った使い方には気を付けましょう。
二重敬語にならないよう注意する
二重敬語は、同じ種類の敬語を重複して使用することであり、言葉の使用方法では、誤った敬語になるので使用を避ける表現です。以下に例を挙げます。
・「拝命承りました」
・「ご拝命」
以上の例は、どちらも二重敬語となります。
「承りました」は「受ける」や「聞く」などの謙譲語です。そのため「拝命承りました」の表現では、謙譲語+謙譲語の組み合わせとなってしまいます。「ご拝命」も「拝命」という謙譲語に、謙譲の意味で使用される「ご」との組み合わせです。
「拝命」を使用する際には、二重敬語に気を付けましょう。
社外の人への挨拶には使用しない
例として、「この度、○○会社△△支店勤務を拝命しました」と社外の人に挨拶するのは、自分が所属する会社を自ら立てる表現をしてしまうことになります。
そのため社外の人に勤務地が移動することになったことを知らせる際は、「この度□月□日付で△△支店へ異動することになりました」と挨拶を行いましょう。
相手の行為には使用しない
したがって、「○○が拝命なさる」や「○○が拝命していただく」といった謙譲語+尊敬語の組み合わせを使用することはできません。相手の行動の表現として、「拝命」は使用することができないことに注意しましょう。
「拝命」の言い換え表現
ここでは「拝命」の類語を5つ紹介します。「拝命」を和らげて伝える際の参考にしてください。
引き受ける
「引き受ける」の例文はこちらを参考にしてください。
・社内での新規プロジェクトのリーダーを頼まれ、引き受けることにした。
・私でよければお引き受けします。
任される
「任す」は、自分の権限を他の人に渡し、代行してもらうという意味を指します。ここに「れる」という受け身や尊敬、自発、可能の助動詞が組み合わさることで、目上の人から仕事を受けるという意味になります。
「任される」の例文は以下を参考にしてください。
・指導してきた部下が初めて大役を任されるようになった。
・急遽、欠員が出たため代わりの仕事を任された。
仰せつかる
「仰せつかる」の例文はこちらです。
・初めての大役を仰せつかったので、気を引き締めていきます。
・身に余る大役を仰せつかり、身の引き締まる思いです。
謹んで
「つつしむ」という動詞に、接続助詞の「て」が付き、「つつしみて」が音変化した言葉です。相手に敬意を払い、礼儀正しく謙虚な様子を見て取ることができます。
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命ぜられました
「拝命」の英語表現
注意として「be appointed to △△」だと「~△△を任命される」という意味になるので、意味によって使い分けましょう。
まとめ
「拝命」という言葉は、日常生活ではあまり使用しないものでしょう。しかし、ビジネスシーンにおいては、役職などに就いた場合などを始めとし、挨拶やスピーチなどで、度々使用する言葉となっています。ですから、正しい意味や使い方を覚えておくと、何かと便利な言葉でもあります。
この機会にぜひ、「拝命」の意味や使い方を覚え、適切に使ったり解釈したりできるようにしておきましょう。