[allpage_toc]
「是非」という言葉について
「是非」を使うタイミング
「是非とも○○してください」という言い方が、「善悪の判断がどうあっても、わたしとしてはどうしてもそれをしてほしい」という旨を伝えることから、「たってのお願いをするとき」や、「その特定の相手にしかできない仕事を頼むとき」などが「是非とも」という言葉を使うタイミングとなります。
「是非とも」の意味と使い方・例文
・是非とも記事作成をお願いいたします。
・このキャッチコピーはあなたにしかできませんので、是非ともよろしくお願いいたします。
・英語がわかるのはあなただけですので、是非ともあなたに翻訳をお願いしたいです。
・わが社はいま経営難にあるため、是非ともご融資をしていただければ幸いです。
このように、「○○してくれなければ窮地に陥る」と言った場合に「是非とも○○してほしい」という言葉が使われ、その依頼する相手にしても特定の人が選ばれる場合がほとんどです。
是非ともよろしくお願いします
・この度のA企画への参加を、是非ともよろしくお願いいたします。
・この翻訳記事は次回の出版で使わせていただくため、是非ともよろしくお願いいたします。
・この仕事ができるのはあなたしかいませんので、是非ともよろしくお願いいたします。
このように「その仕事は○○さんしかできない」と特定の人を指しながら、その仕事をぜひ受けてほしいという旨を全面的に伝える形になります。
是非とも参加
・この度、○○市で企業説明会が催されますので、是非ともご参加ください。
・少しでも多くの共同会社がほしいので、是非ともご参加ください。
・このプランは現在のあなたにピッタリなので、是非ともご参加ください。
このように「絶対に参加してほしい」と言う場合や、あるいは「特定の人に焦点を当てた上で、その人にとってその催しの目的や内容がピッタリの場合」などにおいて、「是非とも参加ください」という表現が使われます。
是非とも行きたい
・○○のコンサートへは是非とも行きたい
・今度の企業説明会へは是非とも行きたいです。
・○○動物園には大好きなパンダがいるから、是非とも行ってみたいです。
・○○大学へ入学することが憧れだったので、是非ともその大学に行きたい。
このように「是非とも行きたい」という言葉は非常に多くの場面で使われ、主にプライベートのやり取り(意見を主張する場面)で使われる言葉になります。「そこへ絶対に行きたい」という旨を、「自分が○○を必要としているから」という理由で主観的に訴えます。
是非ともしたい
・ずっと憧れていたあの人と是非ともデートしたい。
・ずっと入学したかった○○大学へ是非とも行きたい。
・仕事の分野を広げるために、是非ともパソコンを買いたい。
・今よりもビジネススキルを向上させるために、是非とも英会話を習いたい。
このように、「○○を目的とするから是非ともそれをしたい」という言い方で表現され、その話者の強い気持ちが全面的に表現される形となります。
是非ともいただきますなど
・とても美味しそうなので、是非ともいただきたいです。
・いまとてもお腹が減っているので、是非ともそれをいただきたいです。
・あなたにしかできない仕事ですので、是非とも製本の仕事をしていただきたいです。
・彼は交渉が得意ですので、是非ともネゴシエーターの任務に就いていただきます。
このように、「どうしてもそれを食べたい」という場合と、「是非ともその特定の人に仕事をしていただきたい」という2つの旨が使い分けられます。
是非ともさせてください
[no_toc]
・わたしは英語の翻訳が得意ですので、その英語翻訳の仕事を是非ともさせてください。
・彼はスケジュール管理が上手ですので、是非とも彼に仕事管理をさせてやってください。
・彼女はギターが得意ですので、是非とも彼女にBGMを弾いてもらってください。
・弊社のインターネットサービスは絶品ですので、是非とも広告作成は弊社へお任せください。
このように、「自分は(あるいは特定の人は)そのことが得意なので、是非ともそれにちなんだ仕事をさせてください」という場合に使われます。
「是非とも」の敬語
・是非とも参加させていただきます。
・是非ともご出席いたします。
・是非とも弊社へお任せください。
・是非ともそのお仕事をわたしにさせてください。
・この度A部署に配属された○○です。是非ともよろしくお願いいたします。
このように、「させていただきます」や「いたします」、また「よろしくお願いいたします」や「お任せください」などといった尊敬語、謙譲語による表現と一緒に使われることにより、「是非とも」という言葉の意味合いや活用は敬語表現として認められます。
「是非とも」の類義語・言い換え
・何がなんでも
・是が非でも
・無理やりにでも
・なにとぞ
・どうしても
・絶対に
・雨が降ろうと槍が降ろうと
・天地がひっくり返っても
・夏に雪が降ろうと
・必ず
・何でも彼(か)でも
これらの言葉が並びますが、どの言葉にも「話者による強い主張が訴えられるとともに、どうしてもそのことをしたい・されたい」という形容と意味合いが含まれます。
幸いですなど
・是非とも○○してくだされば幸いです。
・是非ともご融資いただきますと幸いです。
・是非ともそうしてくだされば幸いです。
・是非ともA企画に参加させていただきましたら幸いです。
このように、「是非とも」という表現によって「○○したい」という旨を先に伝えておき、その主張を相手が受容してくれれば「幸いです(とても嬉しいです)」という気持ちを伝える形になります。
何がなんでも
・是非とも(何がなんでも)わたしはそれをしたいです。
・是非とも(何がなんでも)わたしはそこへ行きたいです。
・是非とも(何がなんでも)わたしは○○大学へ入学したいです。
・是非とも(何がなんでも)わたしはそれを食べたいです。
このように「是非とも」という言葉はそのまま「何がなんでも」という言葉に置き換えられ、表現上では「わたしは絶対にそれがしたい・されたい」、「それがほしい・与えてほしい」という気持ちを伝える形になります。
なにとぞ
・なにとぞ(是非とも)わたくしにお任せください。
・なにとぞ(是非とも)一緒に行きましょう。
・なにとぞ(是非とも)ご参加ください。
・なにとぞ(是非とも)一緒にご飯を食べましょう。
このように「置き換え」の表現を使って言葉を覚えることで、「なにとぞ」と「是非とも」の意味合いや活用の具合がよくわかります。
「是非とも」の対義語
・できるだけ
・可能であれば
・都合がつくときで
・どちらでもよい
・なるべくして
・興味があれば
・不要です
・要りません
・協力しないで
・単独で
・よろしければ
・気が向けば
これらの言葉が並びますが、どの言葉の意味合いにも「相手の都合に合わせた上で、べつにそれをしてもしなくてもどちらでもよい」といった曖昧な旨が伝えられる姿勢がうかがえます。
ビジネスでの「是非とも」の使い方
・この度の新しい企画につきまして、是非とも弊社にお任せいただければ幸いです。
・わたしは営業を得手としておりますので、是非とも販売促進の方はお任せください。
・この書類作成につきましては是非ともわたしの部署でさせていただきます。
・彼女は企画の段階から関わっておりましたので、是非ともプランの設計は彼女にお任せください。
このように、さまざまなビジネスシーンでは「仕事の依頼」や「業務の分担」などが複数人によって与えられ、その仕事を請け負うとき・請け負わせてもらうときにも、この「是非とも○○してください」という表現が使われます。
ビジネスメール
[no_toc]
・○月○日にいただきました案件につきまして、是非ともわたしに任せていただければ幸いです。
・次回の合同企業説明会の会場設定ですが、是非とも弊社へお任せください。
・報告書を作成いたしました。是非ともご確認のほどよろしくお願いします。
このように、文面で相手に主張する際には多少堅苦しい表現になってもかまいません。とにかく「伝えるべきこと」をわかりやすく、一つも漏れることなく表記することが大切です。適切に改行も施しましょう。
失礼など
・お手数をおかけする形で失礼ですが、是非ともこの案件につきまして採択をよろしくお願いいたします。
・失礼ですが不測の事態が発生いたしましたので、是非ともご協力をいただければと存じます。
・是非ともアメリカへのご出張ということでお願いいたします。重ねて非礼をお詫びいたします。
このように、「失礼なのは承知の上で、どうしてもしてもらわなければならない」といった場合に、この「失礼ですが、是非とも」という表現が使われます。
志望動機での「是非とも」の使い方
・わたしは大学におきましてずっと理系分野を専攻しておりましたので、是非ともIT関連企業への入社を希望させていただきます。
・わたしは大学時代に文学に志向がございましたので、筆記に関しては得手としております。是非とも書類作成を地道にしていく仕事を希望させていただきます。
・わたしはスポーツ特待生として大学へ入学し、これまでずっと体を鍛えて参りましたので、是非とも体力分野の仕事に就かせていただきたく存じます。
このように、自分の得意分野を公表する上で「是非ともその得意分野にちなんだ仕事を希望したい」という旨を伝える形で、その先の希望進路について自分の利益となる選択をする形となります。
「是非とも」の英語表記と意味
・certainly(必ず、絶対に、是非とも)
・necessarily(必ずしも、是非とも)
・surely(確実に、絶対に、是非とも)
・without(○○なしで、必ず、是非とも)
・without fail(是非、是非とも)
・definitely(運命的に、是非とも)
・exactly(正確に、確実に、是非とも)
・precisely(正に、正しく、是非とも)
・truly(本当に、是非とも)
・rightly(正しくは、是非とも)
・inevitably(必定的に、是非とも)
・naturally(もちろん、是非とも)
・by all means(何がなんでも、是非とも)
・at any cost(どうしても、是非とも)
「是非とも」の英語表現と意味(1)
・By all means thank you.
「是非ともよろしくお願いいたします。」
・Please join us by all means.
「是非ともご参加ください。」
・Do not doubt, leave it to me.
「是非とも、わたしにお任せください。」
・Please absolutely cooperate.
「是非ともご協力ください。」
・Thank you for your translation work precisely.
「是非とも翻訳の仕事をよろしくお願いいたします。」
「是非とも」の英語表現と意味(2)
・Since April of this fiscal year we have launched a new project, so please be sure to cooperate with your company.
「今期の4月から新しい企画を立ち上げましたので、是非とも貴社さまもご協力ください。」
・Because you can do only English translation work for “Romance gray”, I would like to ask you a favor of me.
「『ロマンスグレー』の英語翻訳の仕事はあなたにしかできないので、是非ともあなたによろしくお願いしたいです。」
「是非とも」の英語表現と意味(3)
・The expression “by all means” is used when saying “I just want to ask it.”
「「是非とも」という表現は「どうしてもそれを依頼したい」と言う場合に使われます。」
・By “word by all means” is used together with another honorific expression, it is recognized as a honorific expression in business terms.
「「是非とも」という言葉は、別の敬語表現と一緒に活用されることによって、ビジネス用語において敬語表現として認められます。」
「是非とも」の正確な用法をマスターしましょう
[no_toc]
「是非とも」という言葉はビジネスシーンでもプライベートでも実に多くの場面で使われますが、この「是非とも」と一緒に使われる別の敬語表現とともに学ぶのが一般的です。「是非とも」という言葉の意味だけを覚えてもそれほど意味がなく、表現の上では文法を把握するのと同時に「適切な言葉の使い方」をぜひ覚えておきましょう。