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「でしょうか」の意味と使い方
自分が正しいのかどうかを誰かに尋ねる場合や目上の人に尋ねなければいけない場合に「でしょうか」を正しく使えるでしょうか。「でしょうか」は具体的にどのように使われるのでしょうか。
まずはじめに「でしょうか」を用いたあらゆる表現についてご紹介していきます。
よろしかったでしょうか
これで以上か、これで注文内容は合っているか、「これでよかったか」と店員は客に尋ねるために敬語で「よろしかったでしょうか」と客に対して尋ねています。
しかし「よろしかったでしょうか」正しい敬語なのでしょうか。
結論から言うとこの場合「よろしかったでしょうか」は間違っています。正しくは「よろしいでしょうか」です。
ただし、「これでよかったか」と過去のことを聞きたいときは「よろしかったでしょうか」は文法的には間違っていないので使うことができますが、今回のようなケースでは間違った敬語だと見なされることが多いです。
正しくは「よろしいでしょうか」
「これでいいか」と敬語で丁寧に尋ねるには「よろしかったでしょうか」と過去形にする必要はなくシンプルに「よろしいでしょうか」となります。
先ほど例にあげた「以上でよろしかったでしょうか」は正しくは「以上でよろしいでしょうか」、「ハンバーグ定食が1つととんかつ定食が2つでよろしかったでしょうか」は正しくは「ハンバーグ定食が1つととんかつ定食が2つでよろしいでしょうか」となります。
ただし、「これでよかったか」と過去のことを聞きたいときは「よろしかったでしょうか」は文法的には間違っていないので使うことができます。
ますでしょうか
「ますでしょうか」は間違っています。正しくは「~ますか」とシンプルに言います。「ますでしょうか」は、二重敬語といわれる間違った敬語表現になります。
同じ理由でよくあらゆる場面で耳にしたり、何気なく使ってしまいそうな「していただけますでしょうか」や「してくださいますでしょうか」も間違った敬語です。正しくは「していただけますか」や「してくださいますか」となります。
二重敬語とは
二重敬語とは「ますでしょうか」の例にもあるように「ます」と「です」という二つの丁寧語を同時に続けて使っていて、同じ種類の敬語を続けて使うことを指します。
「していただけますでしょうか」や「してくださいますでしょうか」も同じように「ます」と「です」の二つの丁寧語を重ねて使っているため同じように二重敬語になってしまい間違った敬語となります。
なので二つつなげて同じ種類の敬語を使わなければ正解になります。よって正しい敬語は「ますでしょうか」は「ますか」、「していただけますでしょうか」は「していただけますか」、「してくださいますでしょうか」は「してくださいますか」となります。
敬語での「でしょうか」の使い方
敬語は大きく分けると丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つに分かれます。「でしょうか」はこのうちの「です、ます、ございます」などを使って丁寧に表現して丁寧に話をすることで話し相手に敬意を示す敬語表現、丁寧語にあたります。
では残りの尊敬語、謙譲語とはどのような敬語表現で、どのように使われるのでしょうか。「でしょうか」に「どう」を意味する「いかが」をつけた「いかがでしょうか」を例にあげながら順番にご紹介していきます。
丁寧語いかがでしょうか
・「この色はいかがでしょうか。」
・「美味しいケーキはいかがでしょうか。」
・「このようなイメージになりますが、いかがでしょうか。」
尊敬語とは
尊敬語は「~なさる」などの尊敬語の敬語表現を利用して表現します。「いかがでしょうか」の場合は尊敬語の表現「~なさる」を用いて「いかがなさいますか」とします。
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いかがなさいますか
・「この後1時間ほど空き時間がありますが、いかがなさいますか。」
・「ご注文はいかがなさいますか。」
・「色はいかがなさいますか。」
謙譲語とは
「いかがでしょうか」を謙譲語にするには謙譲語の敬語表現「~いたす」をつけて「いかがいたしましょうか」とすることで謙譲語にすることができます。
いかがいたしましょうか
・「この作業が終わったらいかがいたしましょうか。」
・「お肉はお好みの焼き加減でご提供いたしますが、焼き加減はいかがいたしましょうか。」
・「商品は車にあるので今お金をお支払いいただくと、本日お渡しすることもできますし、後日付属品と一緒に郵送することもができますがいかがいたしましょうか。」
「でしょうか」の言い換え
「でしょうか」を別の表現を用いて表せる言葉にはシンプルに「ですか」を用いて「~ですか」としたり、「ございます」を用いて「~ございますか」とすることもできます。
例をあげると「赤色はどうでしょうか」は「赤色はどうですか」や「赤色はどうでございますか」と言い換えることができます。
また「どう思うか」という表現を用いて「どう思われますか」としたり、「どう考えるか」という表現を用いて「どのようにお考えですか」とすることもできます。
同じく例をあげると「赤色はどうでしょうか」は「赤色はどう思われますか」や「赤色でいこうと考えておりますがどのようにお考えですか」と言い換えることができます。
「でしょうか」と「ですか」の違い
たとえば、「コーヒーでよろしいですか」と言うよりも「コーヒーでよろしいでしょうか」と言う方が相手に丁寧な印象を与えることができ、やわらかい言葉で表現することができます。
メールでの「でしょうか」の使い方
・「ご希望の日時をご連絡いただきましてありがとうございました。ご連絡いただきました日程で調整いたしますが、ご希望にご変更などございませんでしょうか。もしご希望の日時にご変更などございましたら今週中までにご連絡くださいますようよろしくお願いいたします。」
・「明日のハイキングの集合場所は○○駅で考えていますがどうでしょうか。他にいい場所があれば教えてください。」
・「何度やり直してもエラーメッセージが出るのですがどうしたらいいでしょうか。」
ビジネスでの「でしょうか」の使い方
・「寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。本日はこのような寒い季節にぴったりの商品をご案内いたしたくメールを差し上げました。寒い冬を快適に過ごす商品が盛りだくさんでございますのでぜひ添付のカタログをご覧ください。」
・「来週水曜日の午後3時から定例会議を開きたいと考えておりますが、ご都合はいかがでしょうか。」
・「取引先からもう少し待ってほしいと言われたのですが、今週金曜日まで返答を待ってもいいでしょうか。」
二重敬語に注意が必要
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「でしょうか」には「でしょうか」自体に敬語表現が含まれているのでさらに敬語表現を加える際には二重敬語にならないように注意が必要です。
また「でしょうか」は間違った使い方も普通の正しい使い方であるかのようにあらゆるところで用いられているため、あまり気にもならず、ついそのまま真似をして使ってしまいそうになります。
いろいろな使い方があるのでややこしく、正しく使い分けるのは難しいですが、使い慣れて正しく使いこんでいくと自然と身についてくるものなので、少しずつ正しい敬語表現を使えるようにしていきましょう。