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「現れる」と「表れる」の意味と使い方は?
「現れる」と「表れる」の意味は?
あらわれる【表れる・現れる・顕れる・表われる・現われる】
( 動ラ下一 ) [文] ラ下二 あらは・る
① 今までなかった人や物が出てきたり、隠れて見えなかった物や事柄が見えるようになる。出現する。 《現》 「一五分ほどおくれて-・れた」 「この辺には時に熊の-・れることがある」
② それまで存在しなかった物や事柄が生じたり作られたりして、目で確認できるようになる。出現する。登場する。出る。 《現》 「皮膚に赤い発疹はつしんが-・れる」 「薬効が-・れる」
③ 考え・感情・傾向などが、他人に感知されるようになる。 《表》 「景気の動向はすぐ数字に-・れる」 「顔に死相が-・れる」
④ 隠されていた物やわからなかった事柄などが、人々に知られるようになる。露顕する。 《現》 「これまでの悪事が-・れる」 「こういう時にこそ、その人の真価が-・れる」 〔「あらわす」に対する自動詞〕
「現れる」とは?
「現れる」の意味は?
2番目の意味は、「それまで存在しなかった物や事柄が生じ、目で確認できるようになる」です。1番目と似ていますが、「薬の効果が現れる」などの表現があり、人が対象というわけではありません。1番目の意味は「アーティストがステージに現れた」のように、人を対象とすることがあります。
4番目の意味は、「隠されていた物やわからなかった事柄などが、人々に知られるようになる」という意味です。こちらも1番目や2番目の意味と似ていますが、「人々に知られるようになる」という点が特に強調されます。
「現れる」の特徴や使い方は?
「現れる」の場合、物理的に何かがわかるというニュアンスがあります。例えば、「アーティストがステージに現れた」「薬の効果が現れる」など、目に見える形で何かがわかることを意味しています。
「現れる」の対象となるものは、物・人・事柄です。また、「現れる」の対象は、隠れているものや今までなかったものとなります。例えば、「彼が現れた」「本性が現れる」「雲の隙間から太陽が現れる」といった使い方があります。
「表れる」とは?
「表れる」の意味は?
「表れる」の対象は、考えや感情、傾向となります。これが他人に感知されるようになる(わかるようになる)という意味があります。例えば、上で参照した例にもある「景気の動向はすぐに数字に表れる」という表現を考えると、景気の動向や傾向が数字として表れ、他人に感知されるようになる(わかるようになる)ことを示しています。
「表れる」の使い方は?
「現れる」と「表れる」の違いは?
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「現れる」と「表れる」の意味の違いは?
また、「現れる」は、物理的に目に見えてわかるというニュアンスがあります。一方で、「表れる」の対象は考えや感情などで、物理的に目に見えるというニュアンスとは異なります。
「現れる」と「表れる」のややこしい違いは?
また、「態度に表れる」という表現を考えてみましょう。こちらは、考えや感情が態度に表れることを意味します。場合によっては、目に見えて態度でわかることもあるでしょう。しかし、物理的に目に見えるかというと、ニュアンスが若干異なります。
考えや感情が態度に表れ、他人に感知されるようになることを意味するので、「表れる」の使用例が多く見られます。
状況別「現れる」と「表れる」の使い分けは?
効果
これらは、いずれも目に見えて効果がわかることを意味しています。「ダイエットの効果が現れる」と表現すれば、ダイエットをした結果、体つきが変わったことが目に見えてわかることを意味します。「筋トレの効果が現れる」という表現でも、筋トレの効果が目に見えてわかることを示しています。
一方で、「表れる」が使用される例もあります。「表れる」は「表に出る」という意味でも使用されるので、「効果が表れる」と表現しても間違いとは言えません。例えば、「削減効果が表れる」のような使い方もあります。このように使い分けが難しいですが、一般的には「効果が現れる」の方が多いと言えるでしょう。
症状
こちらも、症状が目に見えてわかることを意味しています。例えば、「せきや発熱などの症状が現れる」と表現すれば、せきや発熱が起こっている状態が目に見えてわかることを示します。「自覚症状が現れる」という表現も、自分で症状が自覚できるくらい、症状がわかることを意味します。
一方で、「症状が表れる」と表現される場合もあります。こちらも「表に出る」という意味で、「頭痛などの症状が表れる」といった使い方があります。効果と同様に使い分けが難しいですが、こちらも「症状が現れる」の方が多いと言えます。
成果
こちらも、成果が目に見えてわかるというニュアンスがあります。「練習の成果が現れる」と表現すれば、練習をした結果、目に見えて成果が出たことを意味しています。「トレーニングの成果が現れる」などの表現も、トレーニングの成果が目に見えてわかるというニュアンスがあります。
一方で、「成果が表れる」と表現される場合もあります。「表に出る」という意味で考えると、「成果が表れる」と表現しても間違いではありません。ただ、効果や症状と同様に、「成果が現れる」の方が比較的多く見られます。
効果・症状・成果における使い分け
「現れる」が使用される場合、目に見える形でわかるという意味が強調されます。「効果が現れる」「症状が現れる」「成果が現れる」などの使い方が多いのは、目に見えてわかるという点を強調したいためと言えるでしょう。
一方で、「効果が表れる」「症状が表れる」「成果が表れる」と表現する場合、目に見えてすぐにわかるとは限りません。表に出たとしても、すぐに目に見えてわかるとは言えない場合、「表れる」を使用する例があります。
非常にややこしいですが、効果・症状・成果についての例文や用例をおさえておくとわかりやすいです。
人
ただし、あくまで人物が対象となる場合です。人の性格や感情は必ずしも「現れる」で表現されるわけではありません。例えば、「態度に表れる」や「顔に表れる」といった表現は「表れる」が使用されています。また、「本性が現れる」というのも、「本性が表れる」と表現される場合があります。
「本性が現れる」「本性が表れる」の場合、隠れていたものが見えるようになるという意味で「現れる」を使用することができ、考えや感情などが表に出るという意味では「表れる」を使用することができます。
「現れる」と「表れる」の類語は?
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代表的な類語は?
使い分けに関係するもの
「出現する」は、基本的には「現れる」の類語として考えることができます。例えば「熊が現れた」という表現は、「熊が出現した」などで置き換えることができます。一方で、「態度に表れる」などの表現では、「表れる」を「出現する」に置き換えると違和感があります。
また、「表現する」は「表れる」の類語として考えられます。例えば「個性が表れる」という表現は、「個性が表現される」などで言い換えることも可能です。一方で、「熊が現れた」などの表現では、「現れる」を「表現する」で置き換えることはできません。
「現れる」や「表れる」を含む言葉の使い方は?
「顕著に」
また、「顕著に表れる」という表現もあります。「考え方が顕著に表れる」「個性が顕著に表れる」などの使い方があります。
「如実に」
例えば、「彼のセンスが如実に現れる」「感情が如実に表れる」「トレーニングの効果が試合結果に如実に現れる」といった使い方があります。「現れる」「表れる」のいずれも使用されています。
「性格が」
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効果や成果、症状などは「現れる」と「表れる」のいずれも使用されています。一方で、「現れる」の使用が多い傾向も見られます。また、人や動物が出現する場合には「現れる」となります。ここで「表れる」は使用されません。このような例は使い分けがわかりやすいでしょう。
また、「顕著に」などの言葉と組み合わせる例もあります。このような表現はビジネス分野で使用されることもあるので、覚えておくと良いでしょう。「現れる」と「表れる」の意味や使い方をおさえ、日常生活やビジネスシーンで活用してみてください。