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「見てもらう」の正しい敬語表現・謙譲語・丁寧語・尊敬語
正しい敬語表現を覚えよう
「見てもらう」は「見て(見る)」+「もらう」という二つの言葉が組み合わさっているため、敬語表現はやや難しく混乱してしまいがちです。使用頻度も比較的高いので、間違った表現を使ってしまうと間違った表現を覚えてしまい、そのまま癖になってしまいます。ここでは正しい表現を覚えて、「見てもらう」の敬語表現を使いこなせるようになりましょう。
謙譲語
「見る」の謙譲語は「拝見する・見せていただく」、「もらう」の謙譲語は「いただく」なので、この二つを繋げて「見てもらう」の謙譲語としたいところです。しかし、「見る」のは自分ではなく相手の動作で関係性がおかしくなってしまうため、謙譲語を用いることはできません。
そのため、謙譲語として使おうとするのは誤りで敬語表現を用いて「見てもらう」と言うときには、丁寧語もしくは尊敬語を用いる必要があります。
丁寧語
「見る」の丁寧語は「見ます」、「もらう」の丁寧語は「もらいます」なので、丁寧語で「見てもらう」と言いたい場合には「見てもらいます」となります。しかし、「見てもらいます」という表現はあくまで丁寧語であるため、「見てもらう」の敬語表現として用いると相手に対してくだけすぎている印象を与えてしまうこともあります。
日常生活でのちょっとした会話であれば問題はありませんが、仕事上では状況をよく考えた上で使うようにしましょう。
尊敬語
しかし、「見てもらう」における「もらう」は自分の動作になるので、ここでこれをそのまま尊敬語に変換することは不適切です。そのため、ここでは「もらう」の反対語である「与える・あげる」を用いる必要があります。「与える・あげる」の尊敬語は「くださる」なので、「見てもらう」を尊敬語で表現する場合には「ご覧いただく」とするのが正しい表現です。
メールで使える「見てもらう」の敬語表現例文
文書を見てもらう場合
例:次回の会議の資料を添付しますので、ご確認ください。よろしくお願い申し上げます。
例:先月のプロジェクトに関する報告書が出来上がりましたので、ご確認をお願いいたします。
文書を添付する場合には、「見てもらう」を「ご確認」に言い換えることができます。メールで文書を見てもらう場合には、必ず何を見てもらうのかについて言及しましょう。そうすることで、万が一の添付漏れにも相手に気づいてもらえますし、添付ファイルが複数ある場合にわかりやすくなります。
講演を見てもらう場合
例:先日は、舞台にお越しいただきありがとうございました。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
例:○月○日に展覧会を開きます。●●さまにはぜひご覧いただきたく思います。お忙しいかとは思いますが、ご都合がよろしけばお越しくださいませ。
講演や舞台の場合には、直接的に「見てもらう」という言葉を用いるだけはなく、会場に足を運ぶことについての表現を用いることもできます。また、講演会や音楽会の場合には聴くことに関する表現を用います。
執筆物を見てもらう場合
例:コラムの原稿が出来上がりましたので、お読みいただきたく存じます。
例:商品に関する記事を添付しましたので、ご一読ください。
比較的長い文書になる場合には、「見てもらう」の代わりに読むという動詞を使用することもできます。こちらの方が相手にじっくりと読むイメージを与えるので、あまり短い文書に使ってしまうとやや不自然になることもあります。
「見てもらう」に関するビジネス用語
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高度な敬語表現①「ご高覧」
例:こちらは新しく開発した商品です。ご高覧の上、ご高評賜れば幸いです。
例:御高覧ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
これは、初対面の場合やあまり接点がない人に対する表現になるので、状況に合わせて正しく使いましょう。
高度な敬語表現②「ご査収」
例:ご査収の程よろしくお願いいたします。
例:見積書を送付いたします。ご査収ください。
確認しなければいけないような資料がない状態でこの言葉を用いるのは不自然です。添付資料などがあり、細かく見てもらう必要がある場合に使用しましょう。
「見てもらう」の正しい敬語表現を使いこなそう
メールでは書き言葉ということを意識し、見てもらう対象によって言い方を工夫することがポイントです。「見てもらう」、「ご覧ください」ではなく「ご確認ください」や「お読みください」などと言い換えることができます。また、ビジネス用語として「ご高覧・御高覧」、「ご査収」という言葉も用いられます。
以上の表現を覚えて、「見てもらう」の敬語表現を正しく使いこなしましょう。