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敬語としての「ご連絡」の使い方
そこでまず、「ご連絡させていただきます」や「ご連絡ありがとうございます」といった表現は果たして適した使い方であるのかどうかを見ていきましょう。
結論から言えば、尊敬語としても謙譲語として使う場合の方が正しいです。ただし、尊敬語として使う場合は「ご連絡お待ちしております」のように二重敬語になる場合もあるため、注意が必要です。
敬語としての「ご連絡」を使った例文はどんなもの?
ここでは「ご連絡」という表現を用いた例文でよく使われるものをピックアップし、敬語表現としてどのような特徴があるかを見ていきましょう。
「ご連絡ありがとうございます」
「ご連絡ありがとうございます」という表現は敬語の中では謙譲語のカテゴリーに入るものです。一見すると「ご連絡」を使っているため尊敬語のようですが、自分がへりくだった表現を用いて相手を敬うようにしているためです。
「お電話ありがとうございました」
もちろん、こちらの表現を伝える相手も顧客など目上の立場の人ということになります。このため、こちらも相手に敬意を示すために謙譲語という形で自分がへりくだった表現を用いています。
「ご連絡ありがとう」
「ご連絡」という敬語表現を使うことで相手に一定の敬意を表しつつも、同時に自らの威厳も相手に示しておきたいという場合に役に立ちます。
しかし、最後に「ありがとう」と締めくくっている分、逆に目下の人から目上の立場の人に対して使用すると大変失礼に当たりますので、どちらかといえば目上の人から目下の人への一方通行な表現といえます。
「ご連絡いただく」
このように、その場に目上の人がいない場合に使うことの多い表現です。その場にいないのであれば別にいちいち敬語で使う必要もないように見えますが、その場にいなくても敬語で表現することは周囲の人たちからの自らの信用を落とさないようにするための手段として重要なことなので忘れないようにしてください。
「ご連絡お待ちしております」
「ご連絡」という相手に敬意を示す尊敬語と、「お待ちしております」という謙譲語の組み合わせで相手に謹んで連絡を乞う表現になっています。
ちなみに、似たような表現で「連絡お待ちしております」と使う方もいますが、こちらはNGです。なぜならば、「連絡」に「ご」とつけない分、相手に敬意を示していないためです。
むしろ、後半だけが「お待ちしております」という敬語表現(謙譲語)になっている分、見かけだけ敬意を示しているように見える、聞いた側は余計に不快な思いをすることもあるため注意すべきです。
「ご連絡お願いします」
ただし、この後に「よろしくお願いいたします」などのように「お願い」という表現を続けるとまわりくどく聞こえるため、そうなりそうな場合は「ご連絡お願いします」で締めくくるか、「よろしくお願いいたします」以外の別の表現(「お待ち申しております」など)を使うようにしましょう。
「待つ」などの場合
もちろん、プライベートな関係でも目下の人から目上の人に対して使うのは適切ではありませんが、お互いの関係によって使っても差し支えのない場合は使っても構いません。
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NGな表現の見本:「ご連絡させていただきます」
たしかに、「ご連絡」という表現は謙譲語であるため、一見すると謙虚さを伴なっているように見えます。しかし、そのあとの「させていただきます」は相手の許可や相手の状況を理解することなく勝手にやることを宣言するようなものです。
このため、「させていただく」がついている場合、人によっては嫌な気持ちに襲われるという人も少なくありません。「させていただく」は極力使わないようにしましょう。
「お知らせ」と「ご連絡」の違いとは?
これは一言で言えば、相手に伝える際の伝え方や、伝える相手の違いです。
まず、「ご連絡」は電話やメール、書面や文面といったように自分の声で直接伝えるツールを使う場合でも、文字で伝えるツールを使う場合も含まれます。そして、伝える相手も伝えたい個人だけでなく、伝える内容に関係する人すべてが含まれることが多いです。
これに対して「お知らせ」は、主に書面や文面など文字で伝える場合に使われます。伝える相手も直接関係する個人宛てであることが多く、「ご連絡」に比べるといく分か限定されてきます。
敬語としての「ご連絡」を使いこなそう
仕事でよく使われる表現ですが、敬語としては謙譲語のカテゴリーに入るため、相手への敬意のみならず感謝の気持ちを示すうえでもよく使われる表現といえます。
ただし、「ご連絡させていただきます」のように使い方によっては相手を逆に不快な思いにさせてしまうケースもあるため、そのような表現については注意が必要です。
また、「ご連絡」と似たような表現に「お知らせ」というものがありますが、「ご連絡」に比べると「お知らせ」は書き言葉として使うことが多いうえに、使う相手も伝える内容に最も関係する個人のみに使うなど、やや限定されてくるワードです。
敬語としての「ご連絡」はうまく使えば、デキるビジネスマンとしての株を高める助けにもなります。ぜひとも、敬語としての「ご連絡」をマスターして使いこなせるようになってみてください。