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「別の言葉で「謹んでお受けいたします」を言い換えるとしたら、どんなものがあるの?」
このように、「謹んでお受けいたします」の使い方について悩んでいる方には沢山の疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、「謹んでお受けいたします」の意味や使い方といった知識に加え、他の言葉での言い換え表現などについて紹介します。
この記事を読むことで、「謹んでお受けいたします」を使うために必要な知識や、別の言葉への言い換え方が把握できるようになります。その知識をもとに場面に適した言葉を選択できるため、「謹んでお受けいたします」の使い方について不安がある方でも自信を持って使えるようになるでしょう。
「謹んでお受けいたします」の使い方について知りたいと思っている方は、是非この記事をチェックしてみて下さい。
「謹んでお受けいたします」の意味
主にフォーマルな場面で使われる言葉で、責任のある任務や役職の昇進を引き受けるといった際に、謙虚な姿勢で物事を受け入れる意思を表します。
つつしん‐で【謹んで】 の解説
[副]《動詞「つつしむ」の連用形に接続助詞「て」の付いた「つつしみて」の音変化》敬意を表してうやうやしく物事をするさま。かしこまって。「―お受けいたします」「―新年の御挨拶を申し上げます」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%AC%B9%E3%82%93%E3%81%A7/
「謹んでお受けいたします」の使い方・例文
ここでは、「謹んでお受けいたします」の使い方・例文について紹介します。
依頼を受け入れる場合
依頼を受け入れる場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、誠実に引き受ける気持ちを伝えることがポイントです。
「いつもお世話になっております。計量器の定期点検についてのご依頼について、謹んでお受けいたします。見積書作成に今しばらくお時間を頂きますのでご了承ください」
内定を受ける場合
内定を受ける場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、内定が決まったことの嬉しさと入社してからの目標を簡単に伝えることがポイントです。
「お世話になっております。内定のご報告を頂き非常に嬉しく思っており、謹んでお受けいたします。貴社の一員として業績向上のために精一杯貢献していく所存です」
結納の品を受け取る場合
結納の品を受け取る場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、一言感謝の言葉を添える程度で、儀式がスムーズに進行できるよう簡単に伝えることがポイントです。
「本日はありがとうございます。謹んでお受けいたします」
内示を受け入れる場合
内示を受け入れる場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、名誉な話を受けて恐縮している気持ちを伝えることがポイントです。
「この度は、(異動先部署)へご任命頂き光栄に存じます。謹んでお受けいたします」
プロポーズを受け入れる場合
プロポーズを受け入れる場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、謙虚な姿勢で伝えることがポイントです。
「謹んでお受けいたします。末永くよろしくお願いします」
相撲業界の場合
相撲業界の場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、嬉しさと謙虚さを伝えることがポイントです。
「大変ありがたく存じます。謹んでお受けいたします」
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辞令を受け入れる場合
辞令を受け入れる場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、感謝の気持ちを伝えることがポイントです。
「この度は、課長職への昇進のお話、誠に嬉しく存じます。謹んでお受けいたします」
賞を受賞する場合
賞を受賞する場合の「謹んでお受けいたします」は次の例文のように、支えてくれた人たちへ感謝の気持ちを表すつもりで伝えることがポイントです。
「この度は新人賞受賞のご連絡を頂きありがとうございます。謹んでお受けいたします。これからも作品に対する情熱を絶やさず、制作にまい進していく所存です」
「謹んでお受けいたします」を使うときの注意点
打ち合わせの予定が入っていたり、当日になってみないと分からなかったり、後になってから断りづらくなるような場面が予想される場合はなるべく使用を避けましょう。
ここでは、「謹んでお受けいたします」を使うときの注意点について紹介します。
業務上の指示を受けるときには利用しない
上司から業務上の指示を受けた際に、控えめな意思を意味する「謹んでお受けいたします」といった返答は、仕事に対するモチベーションがないように感じられるため適切な使い方ではありません。
このような場面では、「承知いたしました(承りました)」のように内容を理解した、聞き入れたという意味のある謙譲語を使いましょう。
メールで用いる場合には文の流れを意識する
例えば、メールのような文字によるメッセージでは素っ気ない印象を与えてしまう可能性があるため、文の流れを意識して感謝や嬉しい気持ちも一緒に伝えましょう。
「謹んでお受けいたします」の言い換え表現
物事を引き受ける際の意思表示には、相手や場面によって適切な言葉選びが重要です。とくにビジネスシーンにおいて、パートナーである取引先や目上の存在である上司に対して上手に使い分けられると評価につながるでしょう。
ここでは、「謹んでお受けいたします」の言い換え表現について紹介します。
「恐れながらお引き受けいたします」
また、「引き受ける」に「お」をつけて上品な言い方にすることで、丁寧に伝えようとする意思のある文章表現となっています。
さらに、謙譲語「いたす」のあとに丁寧語「ます」を組み合わせた「いたします」には、「自ら相手のために行動する」という意味合いが含まれています。
「ありがたくお引き受けいたします」
その後に続く「お引き受けいたします」では、「引き受ける」に「お」をつけた美化語を用いることでかしこまった印象が伝わります。
「かしこまりました」
漢字では「畏(かしこ)まりました」と表記し、「畏」には「敬服する、おそれおおい、おびえる」といった意味があります。
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「拝承いたします」
ここで押さえておきたいポイントは、「いたします」は、謙譲語の「いたす」と丁寧語の「ます」を組み合わせたもので、同じく謙譲語の「拝承」と一緒に使うと二重敬語になってしまう点です。
語法としては同種の敬語を重ねることは誤用になりますが、「拝見いたします」や「拝読いたしました」などと同様に、ビジネスシーンにおける表現方法としては認められていることを覚えておきましょう。
はい‐しょう【拝承】 の解説
[名](スル)聞くこと、承知することをへりくだっていう語。謹んで承ること。「お申し越しの御趣旨―いたしました」
「謹んで承ります」
また、「慎んで」という言葉がありますが、こちらは「行動を慎む」や「私語を慎む」のように「控えること」を表す際に使います。読み方は同じでも意味は異なるため、使う際は間違いのないよう気をつけましょう。
つつし・む【慎む/謹む】 の解説
[動マ五(四)]1 あやまちや軽はずみなことがないように気をつける。慎重に事をなす。「行動を―・む」「言葉を―・みなさい」
2 度をすごさないようにする。控えめにする。節制する。「酒を―・む」「暴飲暴食を―・む」
3 (「謹む」と書く)うやうやしくかしこまる。「―・んで御礼申し上げます」→謹んで
「君達 (きんだち) さへ余り―・み給て、今は目も見せ給はねば」〈狭衣・四〉
4 物忌みする。斎戒する。
「ながき物忌みにうちつづき、著座といふわざしては―・みければ」〈かげろふ・下〉
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%85%8E%E3%82%80_%28%E3%81%A4%E3%81%A4%E3%81%97%E3%82%80%29/
「承りました」
「御意」
「御意」は「高貴で身分の高い人の考えや意向」を表し、「敬うべき絶対的な意見」を意味する「御意のとおり」を略した言い方です。
ぎょ‐い【御意】 の解説
1 貴人や目上の人などを敬って、その考え・意向をいう語。お心。おぼしめし。「―にかなう」2 《「御意のとおり」の意から》目上の人に対して、同意・肯定を示す返事の言葉。ごもっとも。おっしゃるとおり。「―にござります」
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BE%A1%E6%84%8F/#jn-55643
「承知いたしました」
「承知する」は「了解する」の謙譲語で、自分をへりくだって相手を立てる敬語表現です。そのため、内容を理解したという意味で使われる「承知いたしました」は、目上の人に対しての使用がふさわしいでしょう。
「敬承いたします」
けい‐しょう【敬承】 の解説
[名](スル)謹んでうけたまわること。拝承。
「其内には成程尤と―するもあり」〈神田孝平・明六雑誌三四〉https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%95%AC%E6%89%BF/#jn-66598
「お役に立てて幸いです」
例えば、目上の人から感謝された際に使うことで謙虚さのアピールもできるため、自然な使い方ができれば良い印象を与えられるでしょう。
「謹んでお役に立ちたい所存です」
自分から進んで行動することで役に立ちたいという気持ちをアピールする言い方なので、自分を売り込んだり、仕事の打診をしたりする場合に使われます。
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「微力ながらお引き受けさせていただきます」
「させていただきます」は、相手の許可があることと自身が引き受ける気持ちがあることの2つの条件が揃っている場合にのみ使えるため、使い方を間違えないように気をつけましょう。
「謹んでお受けいたします」の敬語表現
主にビジネスシーンで使われる言葉ですが、使う相手や場面によって適切な敬語表現は異なるため、状況によってスムーズに使い分けられると評価につながるでしょう。
ここでは、「謹んでお受けいたします」の敬語表現について紹介します。
「謹んで承諾させていただきます」
また、「させていただきます」は、相手の許可と自身の恩恵を受ける気持ちの両方がなければ適切な使い方にならないことを覚えておきましょう。「許可がない、許可を取る必要がない、恩恵を受けない」のいずれかに当てはまる場合は間違った使い方になります。
例えば、自分が指名されて仕事を頼まれた場面で使うなら適切ですが、誰がやってもいい仕事に対して「私が仕事させていただきます」というような使い方は適切ではないため気をつけましょう。
しょう‐だく【承諾】 の解説
[名](スル)《古くは「じょうだく」》相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること。「上司の―を得る」「依頼を―する」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%89%BF%E8%AB%BE/#jn-109299
「謹んで承知したく存じます」
「存じます」は目上の相手に伝えたり、依頼したりする場面で使われる表現なので、とくにビジネスシーンで役立つ言い方です。
しょう‐ち【承知】 の解説
[名](スル)
1 事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。「無理を―でお願いする」「君の言うことなど百も―だ」「事の経緯を―しておきたい」2 依頼・要求などを聞き入れること。承諾。「申し出の件、確かに―した」
3 相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。「この次からは―しないぞ」
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%89%BF%E7%9F%A5/#jn-109329
「謹んでお受けしたく存じます」
また、使いすぎるとしつこい印象を与える可能性があるため、場合によっては「承知しました」や「心得ました」などの類語に言い換えて対応しましょう。
「謹んでご用命を承ります」
「ご用命」のように接頭語をつける丁寧表現は、取引先や目上の相手にのみ使えることを覚えておきましょう。また、受け身で使われる言葉のため、「ご用命します」や「ご用命させていただきます」といった表現は正しくないので使い方に気をつけましょう。
よう‐めい【用命】 の解説
1 用事を言いつけること。「―に従う」
2 商品などを注文すること。「御―を賜る」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%94%A8%E5%91%BD/#jn-226807
「謹んでお受けする所存でございます」
気をつけたいのは、「所存」には「考える」という意味が含まれており、「考える所存です」といった使い方は重複表現となってしまうため避けましょう。
意味の重複を避けるためには、柔らかい表現になる「つもりです」や謙譲表現の「して参ります」、目上の人にも使える「存じます」などに言い換えましょう。
しょ‐ぞん【所存】 の解説
心に思うところ。考え。「精いっぱい努力する―です」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%89%80%E5%AD%98/#jn-111598
「謹んで承引いたします」
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それに続く「する」の謙譲語である「いたします」は、「させていただきます」とは違い、誰かの許可を取る必要がなく、自分の判断で行動するという意味合いがポイントです。
よって「謹んで承引いたします」は、「相手の依頼・要求に(自分の判断で)同意します」という意味を表す敬語表現になります。
しょう‐いん【承引】 の解説
[名](スル)承知して引き受けること。承諾。「会長就任の要請を―する」
「謹んで了承させていただきます」
気をつけたいのは、「させていただきます」を文字で書くときは必ず平仮名で表記しなければならないことです。漢字を含む「させて頂きます」では「何かを貰う」という意味になってしまうため、適切な表記ではありません。
りょう‐しょう〔レウ‐|リヤウ‐〕【了承/×諒承/領承】 の解説
[名](スル)事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。「―を得る」「申し入れを―する」「―済み」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BA%86%E6%89%BF/#jn-232557
「謹んでお引き受けいたします」
「謹んでお引き受けいたします」はビジネスシーンでよく使われ、相手を立ててコミュニケーションが取れる「いたします」と一緒に用いることで敬語表現になります。
ひき‐う・ける【引(き)受ける】 の解説
[動カ下一][文]ひきう・く[カ下二]
1 自分が責任をもってその物事を受け持つ。「販売を一手に―・ける」「役員を―・ける」
2 あとを受け継ぐ。他に代わってする。「父から事業を―・ける」「あとは私が―・けた」
3 保証する。保証人となる。「留学生の身元を―・ける」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BC%95%E5%8F%97%E3%81%91%E3%82%8B/#jn-183656
「謹んでお受けいたします」の英語表現
「We gladly accept your offer.」
例えば、「your offer」の部分を「visit」にすると、「We gladly accept your visit.(喜んで訪問を受け入れます)」というように使えます。
「I will be happy to accept it.」
「accept」には(進んで)受け入れるという意味があり、「to accept」では「承諾する」、また「to accept something」だと「引き受ける」という意味になります。
「I am glad to accept your invitation.」
例えば、「to accept」の部分を「hear that(聞いた)」にすると、「I am glad to hear that.(それを聞いて嬉しい)」というように使えます。
「謹んでお受けいたします」を使って誠意を伝えよう
ビジネスシーンや冠婚葬祭などで使える便利な言葉なので、使い所をしっかり把握して誠意を持って使いこなせるようにしましょう。