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「時間がかかる」を敬語で表現したいとき
そして、その「時間がかかる」という言葉を敬語で表現したい場合、使う相手やそのときの感情によってその表現方法は変化していきます。それでは「時間がかかる」を敬語で表現するとき、それぞれのシチュエーションによってどのように変化していくのかを見ていきましょう。
相手側に「時間がかかる」ときの敬語
また、謝罪の気持ちを込めて相手に伝える場合には、「お時間をとらせてしまい、申し訳ございません。」と今度は「時間がかかる」が「お時間をとらせる」というように表現されています。
このように「かかる」という言葉が「いただく」や「とらせる」という言葉に変化していくことで敬語で表現することができます。また、「お手数をかけます」や「お手間をとらせる」といった「時間」に対して言葉が変化することもあります。同じ相手でもその時の感情の込め方によって言葉やその意味が変化していきますので覚えておきましょう。
相手に対して自分側に「時間がかかる」ときの敬語
例えば、お客さまを待たせてしまうときの「時間がかかる」を敬語として表現したいときには、「商品をお持ちするまで、お時間がかかる場合がございます。」と「時間がかかる」に「お~ございます」を付け加えます。これは「時間がかかる」というのはあくまで自分側に働いているため、相手を敬う敬語表現ではなく、相手に対して自分が動作する敬語表現を使っています。
このように相手を立てて言葉を表現すること以外で相手に失礼な言葉にならない表現方法として、自分が謙遜した態度で相手に伝えていくことが必要なので頭に入れておいてください。
「時間がかかる」の敬語を上手く使うには?
敬語の種類
例えば、「時間がかかる」をビジネスシーンで使用する場合は、相手を立てることができる尊敬語と謙譲語が主になってきます。もし、相手や場面を選ばずに言葉を丁寧に表現したいときは、語尾にですます超をつける「丁寧語」を使用します。では、この3つの敬語についてその特徴や含まれている表現などを詳しく見ていきましょう。
尊敬語
「お~になる」「ご~になる」「れる」「られる」「なさる」などをつけて相手に敬意を表します。尊敬語を使った「時間がかかる」の敬語表現として挙げられるものは「お手数をお掛けします」や「お手間をとらせる」などです。「時間」が「お手数」や「お手間」といったように変化し、相手に敬意する言葉に表現されます。
謙譲語
謙譲語を用いて「時間がかかる」と表現すると「お時間がかかる場合がございます」が主に使われます。相手に対して自分が時間や労力を割いたときには、この謙譲語を使用しましょう。
丁寧語
身近なところでは先輩や後輩ができるようになると、相手に対して敬意を払って話す機会があったり、また後輩から丁寧な言葉遣いで話しかけられることは誰しも経験があったことでしょう。丁寧語は誰もがすでに使っている敬語として馴染みのある表現方法といえます。
「時間がかかる」ことをビジネスで使うとき
ビジネスシーンにおいて相手を待たせる場面として挙がってくのは、取引先やお客さまに対してではないでしょうか。そのような場面では自分側が相手よりも上の立場として位置づけることになりますので、尊敬語や謙譲語を用いて「時間がかかる」を敬語に表現して相手に伝えていきましょう。
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「時間がかかる」ことをメールで伝えたいとき
ただし、日常会話などで無意識に二重敬語を使うひとがいますが、丁寧さがくどいだけであって失礼には値していませんので気にする必要はないでしょう。
二重敬語に気をつけた上でメールをする際は、相手が自分や身内に対して相手に時間や労力を使わせてしまった場合には尊敬語を、社外の人に対して待たせてしまうことを敬語で伝える際には謙譲語を主に使うということを覚えておいてください。
「時間がかかる」ことをお詫びとして使うとき
時間がかかってしまったことに対して相手にお詫びをする場合、「お手数をおかけしてしまい」や「お時間をとらせてしまい」など尊敬語を用いることがほとんどな場面といえます。なぜなら、時間を費やしたのは相手側になるため、このようなケースでは相手を立てながら謝罪の気持ちを込めるようにするのが筋となります。
「時間がかかる」を敬語表現して例文を作ってみよう!
相手側に時間がかかる場合
例文
・「勤怠打刻を切り忘れてしまいましたのでご報告いたします。お手数を掛けてしまいますが、勤怠の修正をよろしくお願いいたします。」
・「私の作業ミスにより課長にお手間をとらせてしまったこと、申し訳ございませんでした。」
・「この度はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。」
相手が自分に対して時間や労力を割いてもらうときにはこのように表現しましょう。
自分側に時間がかかる場合
そもそも相手を待たせてしまったときに使われる意味がほとんどであるため、自分側が時間を費やした表現を敬語にする場面は限られています。「手数」や「いただく」といった言葉の変化もありませんので種類が少ない分、すぐに身につけてしまいましょう。
例文
・「先週の水曜日にご注文された商品につきまして、在庫不足の関係により新しく仕入れてから発送するまでに1週間ほどお時間がかかる場合がございます。」
・「お客さまより頂いたお品物の査定には、1時間ほどお時間がかかりますのでご了承ください。」
相手に対して自分が時間や労力を割いたときにはこのように表現します。
敬語表現した「時間がかかる」に置くクッション言葉とは?
「ご不便をお掛けしますが」や「差し支えなければ」といった言葉を間に入れることでより丁寧に相手にこちらの意図を伝えることができますので、「時間がかかる」の敬語とクッション言葉組み合わせて例文を作ってみましょう。
「時間がかかる」の敬語とクッション言葉
例文
「あいにくですが、ただ今大変立て込んでおりまして、予定時刻よりもお時間がかかる場合がございますのであらかじめご了承ください。」
「恐れ入りますが、会員カードを新規作成いたしますのでお時間をいただいてもよろしいですか」
「時間がかかる」の敬語がクッション言葉にもなる
例文
・「お手数をお掛けしますが、こちらの書類にサインをお願いいたします。」
・「ご足労をおかけして申し訳ございませんが、自転車は市営の駐輪場をご利用くださいませ。」
「時間がかかる」と同じ意味の敬語表現はあるの?
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「時間がかかる」を敬語にしたとき、その言葉を「待ちます」の敬語に置き換えた際にも同じ表現ができます。「待ちます」という言葉にも相手に時間をかけてもらうという意味が含まれており、「時間がかかりますよ」と「待ちますよ」と並べると同じことを意味しているのが分かります。
それでは、この「待ちます」という言葉も敬語で表現してみることにしましょう。
お待ちいただく
例えば、「会議が終了するまでお時間をいただけますか」の「お時間をいただく」という言葉と、「会議が終了するまでお待ちいただけますか」の「待ちます」という言葉が、どちらも相手に対して時間がかかることを伝える表現として捉えることができています。
このように同じ意味を持つ例文を見比べてみることによって「待ちます」と「時間がかかる」には同じ意味として使用できることが分かり、「時間がかかる」の別の敬語表現として用いることは可能といえるでしょう。
「待ちます」の他の敬語表現について
例えば、「お客さまのご来店をお待ち申し上げております」という文には謙譲語が使われていますが、相手に対して自分が時間や労力を割いた表現にはなっていないことが分かります。これを「お客さまのご来店をお時間がかかるようにいたします」と言葉を置き換えても、そもそも何を表現しているのかが分からなくなっています。
「お待ちになってください」の言葉についても「時間をかけてください」に変えて比べてみると、2つの文はそれぞれ意味の違う言葉として表現されていることが分かります。以上のことを踏まえてると「待ちます」の全ての敬語表現が「時間がかかる」と同じ意味として使用できるとは限らないことを覚えておきましょう。