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「ご案内」の使い方と例文・敬語の種類・ご案内の別の敬語表現

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敬語「ご案内」の意味

「ご案内」は敬語でしょうか。「ご案内」は「案内」を丁寧な言い方にした丁寧語です。前後の文や言うときの状況により「ご案内」の「ご」は尊敬語や謙譲語の表現になります。もとになっている「案内」の意味をみてみましょう。

①道順やその場所について知らない人を導いて教えてあげること
②その場所を知らない人に説明して見せて回ること
③物事の詳細や様子を知らせること
④取り次ぐこと
⑤内部の様子を知っていること
⑥客を招待すること
⑦文書の内容、官庁で書き写したもの
⑧内容や事情を尋ねること、明らかにすること

「ご案内」と「御案内」の違い

公用文における漢字使用などについて、政府は平成22年に次のような告示をしています。「御のような接頭語は、その接頭語が付く語を漢字で書く場合には原則として漢字で書くこと」と説明されています。つまり「案内」は漢字で書くため「ご案内」ではなく「御案内」とするということです。

しかし、これは公用文であり一般的な文書では「ご」でも問題はないとの見方もあります。より正式な文書では「御案内」にされた方が良いケースもあります。

敬語「ご案内」の使い方

敬語について簡単に説明してから、「ご案内」の使い方について見ていきます。

敬語の種類

敬語は大きく分けて尊敬語と謙譲語、丁寧語の3つがあります。

尊敬語は聞き手や話題の人物の行為などについて高める効果のある敬語です。話し手よりも話題の人物の行為などが上位であるときに使われます。

謙譲語は自分をへりくだって言うことで相手を高める効果のある敬語です。主に行為の主体が話し手で、聞き手が行為の客体である場合に使われます。

丁寧語は「です」「ます」「ございます」を付けて丁寧な表現をすることで相手を敬うことができる、わかりやすく使いやすい敬語です。

使い方

「ご案内」は「案内する側・される側」により敬語の表現が変わります。「案内する側」「案内される側」に分けて、どのような敬語を用いたら良いか見てみましょう。

案内する側

職場でお客様をご案内するときや、道を尋ねてきた人に道案内をするときなどに謙譲語の表現を使います。自分が案内するときは自分をへりくだって相手を高めます。

基本的な謙譲語の表現では「ご案内します」もう少しへりくだると「ご案内いたします」の敬語になります。さらに文書やフォーマルな言い方は「ご案内申し上げます」を使います。

「ご案内させていただく」はシーンにより使えますが、謙遜し過ぎてかえって失礼な印象を与えてしまうこともあります。

案内される側

知らない場所に行ったとき、取引先に行ったときなどは案内される側になります。案内してもらう相手に敬意を表した尊敬語の表現と、案内してもらう自分をへりくだった謙譲語の表現が使えます。

相手に視点を置いた尊敬語の表現では「ご案内くださる」となり、自分に視点を置いた敬語は「ご案内いただく」になります。

離れた位置から

自分が案内する、される側ではないときは、案内する人を敬って「案内される」などの尊敬語の表現で言うことができます。

メールでの使い方

メールでの「ご案内」の使い方について、内容別に見ていきます。

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タイトルでの「ご案内」

取引先にメールで案内状を送るときは、件名に「○○のご案内」と簡潔に書きます。受信者も案内状であることが文を読まなくてもわかります。詳細は文面に整理して書きましょう。

文中での「ご案内」

目上の人やビジネス、フォーマルなメールであれば文中で「案内」と書くときに「ご案内」と書くようにします。「案内」が相手の行為であれば尊敬語で、自分の行為では謙譲語の表現で書きます。

謙譲語を使うときに、さらに改まった文面にしたいときは「ご案内申し上げます」と書くと格好が付きます。

敬語「ご案内」の例文

では実際に「ご案内」を使った例文を見ていきましょう。

ご案内する

「謙譲語」の表現に「ご(お)~する」の表現があります。一般的な「謙譲語」で使いやすい形です。これに自分が案内することを当てはめると「ご案内する」になります。

さらに丁寧語の「ます」を付けると「ご案内します」になります。自分が案内することをへりくだって言うことで相手の位置を高められます。

「ご案内します」を使った例文は次のようになります。

「美術館までの行き方をご案内します」
「システムのご利用方法をご案内します」

ご案内いたす

「いたす」は「する」の謙譲語です。「ご(お)~いたす」の形で「ます」を付けて丁寧な言い方にします。「ご案内いたします」は「ご案内します」よりもさらにへりくだった敬語です。

例文は次のようになります。

「手続き方法をご案内いたします」
「弊社の山田が、お客様をご案内いたします」

ご案内申し上げる

「ご案内申し上げる」は「ご(お)~申し上げる」の謙譲語の形です。「ご(お)~いたす」よりもさらに丁寧な敬語になります。「申し上げる」は「言う」の謙譲語で「ます」を付けて丁寧語にして使います。

非常に丁寧ですが仰々しい印象もあります。日常でそこまで相手に言うのは違和感があります。ビジネスやフォーマルなシーン、目上の人への手紙などで使うのが相応しいでしょう。

例文は次のようになります。

「年末年始の営業についてご案内申し上げます」
「新春フェアにご案内申し上げます」

ご案内いただく

「ご案内いただく」は「案内してもらう」の敬語であり謙譲語の表現です。相手に行為の主体があるのに謙譲語とはどういうことなのでしょうか。詳しく見てみましょう。

行為の主体は相手にあり、「案内」に「ご」を付けて「ご案内」の尊敬語の表現を前半部分でしています。後半に「いただく」の謙譲語を付けることで、相手に案内してもらうことによって恩恵を受ける自分をへりくだっています。「自分側」からの視点で表現した敬語です。

例文は次のようになります。

「お忙しいところご案内いただきまして申し訳ありませんでした」
「会議室までご案内いただけますか」

ご案内させていただく

「ご案内させていただく」は「案内させてもらう」の謙譲語です。案内する側が恐縮してへりくだって言う敬語です。相手の許可や同意を受けて恩恵にあずかるときに使われます。

「させていただく」の表現は一般的な謙譲語としては仰々しく過剰な敬語表現になります。普通の謙譲語は「ご案内します」「ご案内いたします」で充分です。丁寧過ぎる敬語表現は、かえって相手を不快にし失礼に当たることもあります。

相手側に無理を言って案内させてもらう場合には、相手に対し恐縮して「ご案内させていただきます」の使い方はできます。

例文は次のようになります。

「お時間がない中恐縮ですが、簡単にご案内させていただきます」
「まだ未完成でご迷惑をおかけしていますが、途中までご案内させていただきます」

ご案内くださる

「ご案内くださる」は「案内してくれる」の敬語であり尊敬語の表現です。「ご案内いただく」よりも相手が主体になっています。「いただく」は謙遜して使う場合と、お願いしてやってもらったときに使う場合があります。

例えば、事前に案内をお願いして引き受けてくれていた場合は「ご案内いただいた」が相応しい敬語です。案内をお願いしていないのに、相手側の厚意で案内してくれた場合は「ご案内くださった」が相応しい言い方でしょう。相手主体の行為であっても謙遜して「ご案内いただいた」の言い方もします。

「いただく」はしてもらった自分に視点を置き、「くださる」はしてくれた相手に視点が置かれます。

例文を見てみましょう。

「丁寧にご案内くださいましてありがとうございました」
「学校の様子をご案内くださりありがとうございました」

「ご案内」の別の敬語表現

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「ご案内」の類語で別の敬語表現をしてみましょう。

ご招待

「招待」は「客を招くこと、招いてもてなすこと」を意味しています。「ご招待」を使った「ご案内」の言い換えの例文は次のようになります。

「展示会にご招待くださりありがとうございます」
「パーティーにご招待いたします、ぜひお越しください」

ご紹介

「紹介」は「人の間に入って仲立ちをすること、知られていないことを知らせること」の意味があります。「ご紹介」を使った「ご案内」の言い換えの例文は次のようになります。

「私の町の図書館をご紹介します」
「新校舎をご紹介します」

「ご案内」は正しい敬語なのか

「ご案内」が正しい敬語かどうかは、後半部分によって決まります。「ご案内」の文ではすでに「ご案内」が敬語であるため、後半に続く文も敬語にします。「ご案内」の部分で敬語なら後半は敬語を使わなくても良いというわけではありません。

例えば「ご案内するので、こっちに来るように」の文では「ご案内」だけが敬語でおかしな言い方になっています。「ご案内いたしますので、こちらへお越しください」のように全体を敬語に変換します。

文書で「○○のご案内」とする場合は、「ご」を付けているため敬語として丁寧な文になっています。当たり前のように「○○のご案内」は使われていますが、案内をする側が「ご案内」と書くのは、謙譲語が付属していないと違和感があります。案内するときの決まった型として捉えた方が良いでしょう。

案内する側・される側に注意して正しく使おう

「ご案内」は「案内する側・される側」によって敬語表現が違うということがわかりました。いつどのような時に案内をされたり、案内するようになるかわかりません。いつでもどちらの側でもスムーズに正しい敬語が使えるように準備しておきましょう。
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