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「お子さん」という言葉はいつ使える?
特に相手が目上の方であったり、上司であったりする場合には、その子どもに対して敬った呼び方をしたほうがいいのではないかと考えたことがある方も多いのではないでしょうか。反対に大げさな敬語を使うのは、その場やシーンに合っていないとしてミスコミュニケーションにつながります。
本記事では、いわゆる「お子さん」という表現は、日常の中でどのような使い方ができるのか、また、「お子さん」という言葉を敬語表現するとどんな表現があるのかなどについて、具体的に例文などを用いながらご紹介します。
ぜひ参考になさってください。
「お子さん」の敬語表現
ここでは、一番イメージがわきやすい「お子様」という表現について解説します。
「お子様」
みなさんもご存知のとおり、町のあらゆるところに「お子様」という表現があふれています。「お子様ランチ」「お子様限定」「お子様セット」、どれも「お子様」という丁寧な表現を使っています。しかしながら、「お子様」という言葉は丁寧すぎるように感じられて、日常の会話やコミュニケーションの中で使うには少し違和感を感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「お子さん」の敬語での使い方
敬語の種類
敬語①尊敬語
例えば、「読む」という言葉の尊敬語は「お読みになる」、「見る」という言葉の尊敬語は「ご覧になる」、「食べる」という言葉の尊敬語は「召し上がる」です。「お~~になる」という言葉で尊敬語にすることができる言葉と、まったくその表現が異なる尊敬語があるため、尊敬語のすべての言葉を理解するのは、大人であっても難しいと言われています。
敬語②謙譲語
例えば、尊敬語の例をとると、「読む」という言葉の謙譲語は「拝読する」、「見る」という言葉の謙譲語は「拝見する」、「食べる」という言葉の謙譲語は「いただく」、となります。謙譲語は尊敬語の「お~~になる」のようなパターン化された変換がないため、習得するのが尊敬語よりもさらに難しい表現であると言えます。
敬語③丁寧語
このように考えると、「お子さん」は尊敬語でも謙譲語でもなく、丁寧語に該当すると言えるでしょう。
使い方
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しかしながら、仲の良い友人同士や家族や親戚間では直接子どもの名前を読んだり、「上の子」「下の子」というような表現が一般的です。そのため、「お子さん」という表現は、少し距離のある会社の上司や同僚、初めて話すご近所さんなどが、使うにはぴったりのシーンといえるでしょう。
メールでの使い方
「お子さん」を敬語表現するときの例文
上司との会話
わたし 「そうですか、おめでとうございます。お子さん13歳ということは、もう中学生ですか?子どもの成長はあっという間ですね。」
いかがでしょうか。「わたし」は上司の子どものことを話すときは「お子さん」と表現していますが、後半で一般的な子どもの成長について話すときは「子ども」と表現しています。もし、後半の一般的な子どもの表現に対しても「お子さん」という表現を使ってしまうと、その場やシーンに即していない表現になってしまうことはお分かりになりますでしょうか。
このように、会話の中に出てくる同じ「子ども」であってもそれが誰の子どもなのか、一般的な子どものことを示しているのかどうかによって、表現の仕方を変える必要が出てきます。
上司とのメール
わたし 「本日、家族の発熱のため、大変申し訳ありませんが、休みを取らせていただけますでしょうか。」
上司 「了解しました。お子さん、大丈夫ですか。無理のないようにお大事になさってください」
いかがでしょうか。このように、「お子さん」は非常に使いやすい丁寧な表現であるため、必ずしも目上の人にだけ使う表現ではないことがわかります。パターンによっては、上司が部下の子どものことを気遣って、「お子さん」と使うことがあることを覚えておくといいでしょう。
上司だからといってその子どもを丁寧に扱う必要がない、というわけではありません。丁寧語は誰であっても、誰に対しても使える、品のある表現だということを覚えておいていただくといいでしょう。
「お子さん」の別の敬語表現例
「子供さん」
あまり一般的には使われなくなりましたが、高齢の世代の方々が使ったり、少し前の時代の文豪たちがのこした書物などには「子供さん」という表現が登場したりします。
性別を分けた表現
しかしながら、「子ども」という男女すべて含んだ子どもの表現ではなく、性別を分けて使う表現であればいくつか存在します。
男の子の子どもであれば「御令息(ごれいそく)」や「御子息(ごしそく)」、女のお子さんであれば「御令嬢(ごれいじょう)」や「御息女(ごそくじょ)」があげられます。いずれも非常に丁寧な言い方で、普段の会話の中ではめったに使いません。ビジネス上で特別なお客様に対してや、結婚式のシーンなどでは使うことが多い表現であると言えます。
これらは、「御」をひらがなにして、「ご令息」「ご子息」、「ご令嬢」「ご息女」のように表現されることもあります。
二重敬語に注意
「お子さん」は正しい敬語として使っても良いのか
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また、「正しい敬語」であるかどうかという視点も大切ですが、その言葉を使ったときに相手がどのような気持ちになるか、その言葉を使っている自分に品があるかどうか、という視点で言葉を選ぶことも大切です。
言葉をシーンに応じて使い分けよう!
言葉にはさまざまな表現があり、特に日本語には丁寧語、尊敬語、謙譲語という言葉の種類があるため、なかなかその相手や場面にぴったりの言葉を使うのは難しいこともあります。他の言葉についてもぜひその敬語の種類を学び、日常会話やメールに生かしていただくといいでしょう。
言葉は大切なコミュニケーションツール
そういったことを念頭において、言葉について考えていただくといいでしょう。ぜひ、よりよいコミュニケーションを生むための参考になさってください。