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「ただ」の敬語表現・ただの使い方と例文・別の敬語表現例

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「ただ」の敬語表現って?

「ただ、そちらの場合ですと」。何処かで聞いたことがあるような表現です。この一文、実は敬語としては大きな失点があるとご存知でしたか。この表現、どこに問題があったのでしょうか「そちらの場合ですと」は敬語として問題ありません。

ただ、この一文をビジネス場面で使いたいなら問題が起きています。ではどこに問題があったのでしょうか。結論から行きましょう。「ただ」という冒頭の語に問題が発生していました。

「ただ、それは」という一文は敬語ですか?

こちらも結論から行きましょう。「ただ」という表現を用いたこの一文は敬語表現ではありません。「ただ」という表現は日本語での種類がいくつかに分けられる中で、接続詞の部分に当たりますが、「ただ」というこの表現をそのまま使えば敬語ではありません。

この記事では「ただ」という接続詞のビジネス場面での使い方や敬語表現、また、別の言い回しなどを例文などを用いてご説明していきます。ただ、とても間違えやすい表現ですから、正しい敬語表現の「ただ」をぜひとも覚えて頂きたいです。

「ただ」の敬語での使い方って?

「ただ」は日本語の中で接続詞に当たる言葉だとまずはご説明しました。では、接続詞の正しい敬語表現で、「ただ、そちらの場合ですと」の一文を置き換えるとどうなるのでしょうか。いくつかの例えを挙げてみましょう。「ただし」、「なお」、「もっとも」、「ちなみに」。

上記したのは接続詞の一例です。これらを置き換えて先の一文を見てみましょう。「ただし、そちらの場合ですと」、「なお、そちらの場合ですと」、「もっとも、そちらの場合ですと」、「ちなみに、そちらの場合ですと」、「しかし、そちらの場合ですと」。

いかがですか。「ただ」という表現はこの言葉の前にくる表現を繋ぐ言葉として使われます。「ただし」、「なお」、「もっとも」、「ちなみに」、「しかし」。どれも同じ接続詞ですが、一文の印象が一気に変わったと感じませんか。

では「ただ」を敬語で使いたい場合は?

では、ビジネスの場面などで「ただ」という接続詞を敬語として正しく用いたい場合はどのように使えばいいのでしょうか。例文などを使いながら、ご説明していきます。まずは敬語の種類について押さえてみましょう。

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。この一文に三つの敬語を織り込みました。では、順を追って、ご説明していきましょう。

敬語の種類とは

日本語の敬語表現は大きく三つの種類に分けられます。「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」となります。前述した一文の中ではどの言葉がどこに当たり、また、それぞれの表現の違いとは何でしょうか。見て行きましょう。

尊敬語

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。尊敬語とは相手が自分より上の立場である場合に相手を敬って使われる敬語表現です。この一文では「ご希望なされる条件」という文がありました。相手の希望に対して「ご希望なされる」という表現を用いたことで尊敬語として表現されています。

置き換えてみましょう。この部分を敬語ではなく普通に表現すれば、「希望の条件」となります。「なされる」という助動詞などが使われて、こちらの表現は敬語表現である「尊敬語」に置き換えられました。

謙譲語

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。謙譲語とは主体が下であると示すことで相手に対して敬意を表す敬語表現です。この文章では「承知致しました」という部分が謙譲語に当たります。

敬語表現なしの普通の文章に置き換えてみましょう。「解りました」となります。「承知する」という表現に「致しました」と繋げることで、「謙譲語」という敬語表現に置き換えました。「承知しました」という表現もありますが、これは謙譲語としてはNGです。

丁寧語

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。尊敬語と謙譲語についてはご説明しました。では、丁寧語はどこにあったのでしょうか。「思われます」という表現がありました。

丁寧語とは「です」、「ます」という口調で表される敬語表現で、尊敬語、謙譲語よりも比較的、日常の場面でも使われる表現です。置き換えてみましょう。「思われます」を「思う」と表現すると、印象が随分違うと感じませんか。「です。ます。でした。ました」を用いられた表現が丁寧語となります。

この記事で使われているのも丁寧語となりますし、また例文として挙げた文章の中も全体的に丁寧語が使われています。

それぞれの敬語の使い方は?

相手を敬って相手の動作や言葉に敬意を示して使われる敬語表現が「尊敬語」であるのに対して、自分を下げることによって相手に敬意を示す表現が「謙譲語」です。「です・ます」調で使われる丁寧語は、文字どおり言葉を丁寧にすることで相手に対して敬意を表す表現となります。

上司やお客様などの動作に対しては「尊敬語」を用いるのが。同じく自分よりも目上の人物に対して自分の動作や言葉を表現する場合は「謙譲語」を、また、敬語表現の中でももっとも使われやすい表現で、立場を問わず相手に敬意を示す表現が「丁寧語」となります。

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メールでの使い方

では、「ただ」という表現をメールなどのビジネス文書で使いたい場合はどのように用いればよいでしょうか。「お客様のご要望は承知致しました。ただ、今回の場合ですと」という一文を置き換えて見てみましょう。前述した「ただし」、「しかし」、「なお」、「もっとも」に置き換えてみます。

「お客様のご要望は承知致しました、ただし、今回の場合ですと」、「お客様のご要望は承知致しました。しかし、今回の場合ですと」、「お客様のご要望は承知致しました。なお、今回の場合ですと」、「お客様のご要望は承知致しました。もっとも、今回の場合ですと」。いかがでしょうか。どれも問題のない一文に置き換えられました。

「ただ」を敬語表現で使うときの例文とは?

「ただ、そちらの場合ですと」これは敬語表現ですか。いいえ、この文面での「ただ」という表現は敬語とは違いますとご説明しました。では、「ただ」という表現に代わって、どのような物が用いることができるのでしょうか。いくつか置き換えた例文を挙げてみましょう。

「しかし、そちらの場合ですと」。「ただし、そちらの場合ですと」。どちらも「ただ」と同じ意味合いではありますが少し受ける印象が違います。では、他の表現はどうでしょうか。「なお、そちらの場合ですと」。「ちなみに、そちらの場合ですと」。いくつかの同じ意味合いを持つ接続詞を使ってみました。

「ただ」という接続詞は前方にある言葉を繋げて他の意見を補足する場合に使われる表現です。ですので、「ただし」と助動詞を繋げた表現を用いるか、「しかし」という表現を用いるのも正解ですし、「なお」や「ちなみに」などの表現も用いることができます。

「ただ」の別の敬語表現例って?

「ただ、その場合ですと」。こちらの表現は敬語としては正しい接続詞には当たらないというのをご説明してきました。では、「ただ」という接続詞を別の敬語表現で置換えることはできないのでしょうか。ここではそちらを紹介していきます。

「ただ」を別の敬語表現に置き換えてみましょう!

「ただ」を別の表現で敬語に置き換えた場合、いくつか同じ意味合いを持つ接続詞を使えることをご説明しました。再度見て行きましょう。「なお」、「ちなみに」がありました。結論から行きましょう。「ただ」と同じ意味合いでの表現を用いたい場合には、この二つがもっとも適した表現に置き換えることができるでしょう。

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」を置き換えてみます。

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。なお、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」または、「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ちなみに、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」同じ意味合いの接続詞が印象をぐっと引き締めました。

「ただ」以外の接続後の敬語表現!

では、「ただ」という接続詞に別の表現はないのでしょうか。「ただ」以外を用いた言葉を場面によって使い分けることも必要です、こちらでは「しかし」という言葉を用いた表現をご紹介してみます。

「しかし」を用いた表現とは?

「しかし、この場合ですと」という一文を例に「しかし」という表現について見てみましょう。こちらも同じく前方の言葉に対して補足意見や別の意見を述べる場合に使われる表現です。ただし、この表現は「ただ」よりも前方の言葉に対して補足意見や他の意見を述べる意味合いの大きな表現になります。

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。こちらを例に見てみましょう。「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。しかし、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。

いかがでしょうか。同じ意味合いの言葉がとてもきちんとした印象を与えています。「ただ」という表現は前方の言葉に対して補足意見や別の意見を述べる場合に使われる接続詞ですので、こちらでも支障はありません。

「ただし」を用いた表現とは?

では、「ただし」を用いた場合はどうでしょうか。「但し書き」という言葉があります。これは注意を補足すると言う意味の文章です。「ただし」を使って先程の文を見てみましょう。

「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただ、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。こちらを置き換えます。「ご希望なされる条件に付いては承知致しました。ただし、そちらの場合ですと一つ問題が挙げられるかと思われます」。特に問題はありません。むしろ、「ただし」と付け足したことでより丁寧できちんとした印象を与える一文となりました。

「ただし」という表現は「但し書き」という言葉が表すように、注意の補足を促す意味合いのきちんとした日本語表現ですので、「ただ」を用いたより丁寧な敬語表現として成り立ちました。これなら問題なくビジネスシーンで使えるのではないでしょうか。

敬語表現での「ただ」の使い方を上手に心得て!

ここまで「ただ」の正しい使い道や別の敬語表現などを例文などを用いてご説明してきましたが、いかがでしたか。「なお」、「ちなみに」を用いた表現と、「しかし」と「ただし」を用いた表現など順を追ってご説明してきました。

日本語というのは接続詞一つ、助動詞一つの使い道で敬語が成り立ったり成り立たなかったり、あるいは「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」と大きく分かれる敬語表現のどこに分類されるかなどが変わってきます。

「ただ」という表現は敬語としてはNGですとお伝えしました。ビジネスの場面では、ご紹介した「ただし」という表現か、「なお」または「ちなみに」などの別の敬語表現を用いていきましょう。「ただ」は敬語表現ではありません。ビジネスの場面ではきちんとした日本語を使いたいです。また、「なお」、「ちなみに」など、場面場面で必要なものを上手に選んで使いましょう。

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