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「お見積り」の使い方と例文・敬語の種類・お見積りの別敬語表現

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「お見積」は正しい敬語?

ビジネスの実務現場で、「見積り」は頻繁に登場します。お金のやり取りをするのがビジネスですから、これは当然と言えます。

では、例えば取引先の人に「こちらがお見積り書でございます」と言われたとします。一見すれば「お見積り」は正しい表現に見えますが、実はよく考えてみるとどうでしょうか。

これは正しい敬語なのでしょうか。今回は、「お見積り」が正しい敬語か、実例を挙げながら検討していきます。

敬語の原則は「相手側に丁寧表現をつける」

敬語の基本原則である、「敬語は相手側に丁寧表現をつける」「自分側に対して『お』や『ご』をつけることはしない」というルールに返ると、「お見積り」は誤っているように見えます。

「お見積り」を出すのはあくまで自分側であって、相手側由来のものではないからです。しかし、「お見積書」は敬語として間違っているとはいえません。
 
「相手側に関わること」であれば、自分発信のものであっても「お」や「ご」をつける敬語表現は成り立ちます。「見積書」を読むのは自分ではなく相手なので、相手を立てるために「お」をつけ「お見積り」とすることは間違いではないのです。

敬語表現「お」と「ご」の使い分けは?

名詞につく敬語表現、「お」と「ご」の使い分けについて、ふと考えはじめると、どちらだろうと迷ってしまうことも少なくありません。明確な分け方のルールはあるのでしょうか。

結論としては、あります。「お」は訓読みの和語に、「ご」は音読みの漢語につくのが原則です。例えば、住所は「ご住所」、住まいは「お住まい」となります。

敬語「お見積り」の意味

まずは、「見積り」とそれに敬語の接頭辞がついた「お見積り」の基本的な意味を見てみましょう。

「見積り」の意味

「見積もり」の意味を改めてみてみましょう。

みつもり
【見積(も)り】
前もって算出すること。また,その計算。 「工事の-を出す」 「 -額」

https://www.weblio.jp/content/%E8%A6%8B%E7%A9%8D%E3%82%82%E3%82%8A

「お見積り」の意味

「お見積り」の意味も合わせて紹介します。

お見積り
読み方:おみつもり
名詞「見積もり」に、接頭辞「お」がついたもの。

https://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E8%A6%8B%E7%A9%8D%E3%82%82%E3%82%8A

敬語「お見積り」の使い方

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ここで、敬語表現「お見積り」の使い方について具体的に紹介します。

敬語の種類

「見積り」を名詞として使用する場合、敬語表現として丁寧に言い換えると、「お見積り」「御見積り」となります。

実際のビジネスシーンでは、「見積り」という名詞単体で使用するケースよりも、「見積り書」といったビジネス用語の形で使われることが多く見られます。この場合も、敬語表現として「お見積り書」「御見積り書」と変換することができます。

また、「見積る」という動詞として考えると、送り仮名が必要かどうか迷うポイントですが、ビジネスシーンでは「見積書」という成句が正しいとされる意見が多数ですので、「請求書」「領収書」と同様に、「見積書」として使用して問題ありません。

もちろん、「お見積り」「お見積り書」は送り仮名として間違いではありませんので、こちらも使用して問題ありません。

使い方

「お見積り」の敬語的表現について見てみました。では、実際のビジネス実務のシーンでは、どのような形で使用されているのでしょうか。使い方の例をいくつか紹介します。

○お見積りをさせていただきます
○お見積りについて(メールでの件名など)
○お見積り書(書類のタイトル)
○この度はお見積りのご依頼を賜りありがとうございました
○以下のようにお見積もりさせていただきます

もっと丁寧な表現に言い換えるには?

「お見積り」「お見積り書」が「見積り」の敬語表現と紹介しましたが、「見積り」単体ではなく動詞を敬語表現に換えることで、文章としてさらに丁寧な敬語表現に言い換えることができます。

○お見積りを「出」させていただきます→お見積りを「提出」させていただきます
○お見積りを「お出し」しますか→お見積りを「発行」いたしますか

また、「提出」「発行」のほかにも、述語動詞を柔らかい言葉に換えることで敬語的表現に言い換えることができます。

「お送りいたします」「送付させていただきます」「同封いたします」「添付ファイルにて送信いたします」などが例として挙げられます。

「出す」という動詞を敬語表現に言い換えることで、「お見積り」という言葉をもう一段階丁寧に表せるようになります。ビジネスシーンではぜひおぼえておきたい表現です。

「ご提出いたします」は正しい?

「ご提出いたします」は、ビジネスの実務シーンにおいて、メールなどでも時おり目にする表現です。でも、よく考えてみると、自らのアクションに敬語表現をつけてしまっている気がしませんか。これは正しい敬語表現なのでしょうか。

結論として、この使い方は誤りです。上述の敬語表現のルールのとおり、「提出をする」のは自分が行う動作のため、自分に対して尊敬表現を使ってしまっていることになります。

この場合敬語表現である「ご」は不要で、正しくは「提出いたします」となります。実際にはよく使用される表現ですが、誤った表現ですので、つい使ってしまわないよう注意が必要です。

依頼メールでの使い方

ビジネス実務シーンでは、見積りをこちらが出す場合以外にも、見積りを先方に依頼する場面もよくあります。その場合はどのように伝えると丁寧な言い方になるでしょうか。見積りを依頼するメールでの敬語的言い回しをいくつか見てみましょう。

○依頼していましたお見積をご提出ください
○新システム導入にかかるお見積りを送付いただきたく存じます
○見積書をお送りいただけますと幸いです

動詞を丁寧な表現に言い換えると、全体として文章が柔らかい表現に変わり、丁寧な伝え方ができるようになります。

敬語「お見積り」の例文

敬語「お見積り」を使ったビジネス実務シーンでの使用例を例文で見てみましょう。

「お見積り」の例文:メール件名

「お見積り」を使った例文をメールの件名で紹介します。わかりやすくメールの内容を伝えるのがポイントです。

見積りを送る側の場合

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○【ご依頼の件】お見積り書送付のご案内
○【ご確認ください】お見積りをご提案させていただきます
○貴社経理アプリケーションソフト開発費のお見積りの件
○新車ご購入のお見積り書をお送りします
○新システム刷新導入にかかるお見積りの件につきまして

見積りをもらう側の場合

○【依頼申し上げます】お見積りをお願いいたします
○【見積依頼】経理アプリケーションソフト導入のお見積りの件
○新車ご購入のお見積りをお願いいたします

見積を依頼する場合のメール例文

株式会社○○
田中 様

いつもお世話になっております。
株式会社△△の山田です。

この度弊社では、新規事業を立ち上げることになり、業務効率化の一環として、社内の経理システムの見直しをすることとなりました。それに伴い、一連のシステム刷新を予定しております。

そこで、以前より導入させて頂いている貴社の業務アプリケーションソフトのバージョンアップをまずは検討いたしたく、お見積りをおねがいできないでしょうか。
それをもちまして、社内の関係部署と相談し、予算の調整に入りたく考えております。

・業務アプリケーションソフト 最新バージョン導入を検討
・使用アカウント数:100(予定)

お忙しい中タイトなスケジュールで大変恐縮ですが、次回の会議で提案したいので、今月末を目処にいただけると大変助かります。

一度直接お話しできればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

見積依頼をする際の注意ポイント

見積もりの作成を依頼する場合は、下記のいくつかのポイントに注意して、メールを書くように心がけましょう。

(1)メールの件名:簡潔に分かり易く
例:「〇〇に関する見積もり依頼」「見積もりの作成をお願いします」
(2)文面は簡潔に分かりやすく要点をまとめる
(3)わかっている条件などはさいしょに提示しておく
(4)具体的な数量や納期などもわかっている範囲で記載する
(5)納期:いつまでに必要なのかを知らせる
(6)見積りの送付期限:必ず記載する

見積を送付する場合のメール例文

株式会社○○
田中 様

平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
マーケティング事業部の山田でございます。

早速ではございますが、先般ご依頼いただいておりました、新システムに関するお見積ができましたので添付ファイルにてお送りします。

ご使用の頻度とアカウント数を想定し、以下の3タイプでお見積もりいたしました。
—————————————-
条件1: オリジナル決裁システム最新バージョン(100アカウント)
条件2: オリジナル決裁システム最新バージョン(300アカウント)
条件3: オリジナル決裁システム旧型バージョン(100アカウント)
—————————————–
ご検討のほどお願いいたします。
お問い合わせ頂きましてまことにありがとうございました。

「お見積り」の別の敬語表現例

では、「お見積り」に関する別の敬語表現の例を見てみましょう。

併せて使用するとより丁寧になる表現

「お見積り」の敬語的表現とともに、あわせて用いられる表現も覚えておくとビジネス実務シーンでのコミュニケーションがうまくとれるようになります。

いつも同じ文章でばかりやりとりしているという方も、以下の言い回しをひとつプラスしてみると表現の幅が広がるのではないでしょうか。

○ご確認のほどよろしくお願いいたします
○何卒ご査収くださいますようお願いいたします
○ご検討いただきますよう、お願い申し上げます
○お見積書につきまして、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください

また、これらのセンテンスの頭に「お手数をおかけいたしますが」「お忙しいところ恐縮ではございますが」といったフレーズをワンクッション加えることで、より丁寧な印象を与えることができます。

催促をするときのプラスワンフレーズ

また、見積り発行の催促をする際には、直接的に伝えるのではなく、まず相手の状況確認をする一文を加えることでクッションの役割を持たせることができます。相手方も忙しく取り紛れている可能性もあります。「ご多忙中申し訳ありません」と一言添えるだけで、随分印象が変わるものです。

ほかにも、「お願いした見積りの状況はいかがでしょうか?」「その後、いかがでしょうか?」といった婉曲なフレーズを使って、相手へ配慮する姿勢を見せられるとよいでしょう。これらのプラスワンフレーズをうまく使って、相手方と円滑なコミュニケーションに役立てましょう。

「見積もり」は実務シーンでよく登場します

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いかがでしたか。見積りのやりとりは、依頼する側もされる側もビジネス実務シーンではよくおこるシチュエーションです。

敬語表現はふと悩みはじめるとややこしく感じてくるものです。相手を尊重するために使っているはずの敬語が誤っているのは本末転倒、せっかくの心遣いが100パーセント通じないのは残念です。

敬語表現は社会人としての必須スキルですが、間違うことも多いものです。よく見かける表現であってもそれが間違っている場合もありますし、表現を間違って覚えていて相手に違和感を与えている可能性もあります。

「見積り」のやりとりはお金が直接関係した大切な書類です。この機会に、もう一度自分が使っている見積りに関する敬語表現を見直してみましょう。

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