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「気に入っていただけて」使い方合っていますか?
日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても取引先へ手土産を渡したり、お世話になった方へプレゼントを渡す機会は少なくありません。
しかし、贈った相手からお礼の言葉やメールを頂いたのに、返す言葉を間違ってしまっていては、折角のコミュニケーションが台なしになってしまいます。思いがけないタイミングでお礼を言われたとき、咄嗟に返事ができなければとても恥ずかしい思いをしてしまいます。
今回は、この「気に入っていただけて」という言葉の意味や正しい使い方、別の言い回し方について、例文や別の敬語表現などを交えて確認していきましょう。
「気に入っていただけて」の敬語表現は?
「気に入っていただけて」を口語調に直すと、「気に入ってもらえて」という文になります。「気に入る」と「もらえる」という二つの言葉を合わせた文ですが、敬語で表すときは「もらえる」を謙譲語に直した「いただく」となります。「気に入る」には謙譲語はありませんので、「気に入っていただく」という表現になります。
「気に入っていただけて」は良く使われる表現ですが、敬語表現は一部なので受け手によっては「気に入っていただけて」という言い方で不快に思う方もいるでしょう。ではどういった表現が良いのか、確認していきましょう。
尊敬語も足してみて
「気に入っていただけて」では、謙譲語を使用していますが、目上の方や役職の高い方へ使用するには少々くだけた表現となり、受け手によっては失礼と感じたり、不快に思われる可能性があります。
しかし、自分と関係が深い方や立場の近い相手に対しては、逆にかしこまりすぎてしまい、嫌みと取られてしまったり、距離を感じられてしまう可能性もありますので、相手に合わせて選んで使い分けていきましょう。
「気に入っていただけて」の敬語での使い方
敬語はなんとなくわかっているけれど実際には曖昧な理解で使っている、昔習ったはずだけど自信がないまま使っているといった状態では、気づかずに失礼な発言をしてしまったり、間違って使ってしまう可能性があります。
そのような間違いを防ぐためにも、「気に入っていただけて」の敬語としての使い方を確認する前に、今一度敬語の種類についておさらいしていきましょう。
敬語の種類
まずはこの3種類の敬語の種類について、ひとつずつ紹介していきます。
尊敬語
今回の「気に入っていただけて」という言葉では、「お気に召す」という言葉が尊敬語になります。
謙譲語
今回の「気に入っていただけて」という言葉では、「いただく」という部分が謙譲語になります。
丁寧語
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「気に入っていただけて」の使い方
「気に入ってただけて」という一文だけでは会話は成り立ちません。次にどのような言葉を続けるかで、相手に対する気持ちや敬意などもすこし変わってきます。それでは、どのような言葉を続けて使うのが良いでしょうか。
「気に入っていただけて」を使う場面としては、贈り物をした際にいただいたお礼への返事であることが多いです。相手が贈り物を喜んでくれたことについて、よかったと思う気持ち、嬉しいと思う気持ちを込めて使います。自分が相手に対してどう思ったのか、伝えたい気持ちを続けて言いましょう。
メールでの使い方は?
昨今は社内メールだけでなく、社外の取引先ともメールでやりとりをすることがあります。贈答品に対するお礼は直接口頭で言われるだけでなく、人づたいで聞いたりメールで受け取る場合もあるでしょう。必ずしもお礼のメールに返事をする必要性はありません。しかし、丁寧にお礼をしていただいたからには、こちらからも丁寧な返事をする方が良いでしょう。
「気に入っていただけて」を敬語表現するときの例文
嬉しいです
・気に入っていただけて嬉しく思います
・気に入っていただけて嬉しく存じます
「嬉しいです」は敬語の中でも丁寧語になります。「尊敬語や謙譲語に比べてフランクな言い方になるため、相手の立ち場や距離が自分に近い、同僚や親しい先輩などに使うのが良いでしょう。「嬉しいです」をもうすこし丁寧に表現したい場合は、「気に入っていただけて嬉しく思います」や、「気に入っていただけて嬉しく存じます」となります。
幸いです
・気に入っていただけて幸いと存じます
・気に入っていただけて幸甚に存じます
嬉しいという気持ちをさらに強く表現したい場合は、「幸いです」を使いましょう。「嬉しいです」に比べてよりかしこまった言い方になるため、職場の上司や目上の方に使っても失礼に当たることはないでしょう。さらに丁寧に表現したい場合は、「気に入っていただけて幸いと存じます」や「気に入っていただけて幸甚に存じます」とします。
「幸甚に存じます」は非常にかしこまった言い方となるので「気に入っていただけて」を尊敬語にした「お気に召していただき幸甚に存じます」とする方がよいでしょう。とても固い印象になるので、口頭より文章で使用する方が自然です。
光栄です
・気に入っていただけて光栄にございます
・気に入っていただけて光栄と存じます
「光栄です」は、誇らしいという気持ちや、名誉に感じるという意味合いの言葉です。相手を立てる表現でもあるとともに、とても丁寧な言い方になるため、目上の方や取引先の方に使用するととても好印象になります。さらに丁寧に表現したい場合は、「気に入っていただけて光栄にございます」「気に入っていただけて光栄と存じます」としましょう。
「幸甚」と場合と同じく言葉自体もかしこまった言い方のため、「お気に召す」を使用した方がより丁寧な表現となります。
「気に入っていただけて」を別の表現で表すと?
お気に召す
・お気に召していただき光栄でございます
・お気に召していただき幸甚と存じます
「気に入っていただけて」を尊敬語に直した「お気に召す」を使用すれば、とてもかしこまった表現となります。重役の方や大切な取引先の方には、失礼があってはなりませんので、「気に入っていただけて」ではなく「お気に召していただき」を使用しましょう。
また、「お気に召す」はとても丁寧な言い方であるため、もし表現に迷った場合は「気に入っていただけて」より「お気に召していただけて」を使用する方が良いです。丁寧な言い方のため、「お気に召していただけて」という言葉で不快に思う方は少ないので、トラブルを防ぐことができます。
上手に使って円滑なコミュニケーションを!
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敬語はすこし難しく感じますが、正しく綺麗に使うことができればビジネスマンとしてだけではなく、日常のコミュニケーションも円滑にすすめることができます。語彙力を身に付けることにより自身のスキルアップにも繋がります。
今回はビジネスシーンでもよく使われる「気に入っていただけて」、そしてさらに丁寧な表現である「お気に召していただき」と確認していきましたが、この機会に一度自分が自信なく使っていた言葉は本当に正しく使えているのか、改めて確認してみてはいかがでしょうか。