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「興味深い」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

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「興味深い」の意味は?

「興味深い」が持つ意味には、面白くて心を惹きつけられる、非常に興味がある、関心を持たれるなどがあります。そこから、あることに対して、もっと知りたい、追求したいなどの探究心を持った感情や、興味・関心を持った状態で、深く考えることを指すこともあります。

「興味深い」の敬語表現は?

敬語表現には、動詞につける「お~する」「お~なさる」や「~させていただく」、「です」「ます」などや一部の名詞につける「お」「ご」があります。しかし、「興味深い」は名詞に係る形容詞であるため、本来敬語表現なるものを持っていません。

「興味深い」は敬語でどのような使い方をする?

敬語表現を持たない形容詞「興味深い」ですが、敬語を使う文の中で使えない言葉というわけではありません。では、敬語表現を持たない形容詞「興味深い」はどのように敬語として使うのでしょうか。「興味深い」の敬語での使い方を見ていきましょう。

敬語の種類

敬語には、大きく分けて三種類あります。一つは、相手の行動などに敬意を示すときに用いる尊敬語です。「~される」「~なさる」などを用いて表現します。二つ目は、自分の行動などをへりくだらせることで相手に敬意を示す謙譲語です。「~させていただく」などを用いて表現します。

三つ目は、相手を問わず使うことができる丁寧語です。「~です」「~ます」など、日常会話などで良く用いられます。

使い方

「興味深い」をこれらの敬語に当てはめてみましょう。まずは、尊敬語です。「興味深いご意見をありがとうございます。」このときの「興味深い」は「意見」に係る形容詞であるため、「意見」に「ご」をつけて敬語表現をしています。

しかし、相手が目上の人や立場が上である人の場合、相手の意見に心惹かれたということを言うよりも、相手の意見で自分の知識が高まったことを示し、「勉強になるご意見をありがとうございます。」とする方が良いでしょう。

次に謙譲語です。「興味深く拝見させていただきました。」このときの「興味深い」は「読む」に係る副詞であるため、「読む」を謙譲語である「拝見する」とすることで敬語表現をしています。

最後に丁寧語です。「それは興味深いお話です。」これは、丁寧語の「です」と名詞の頭につける「お」を使った言い方であり、「それはおもしろい話です。」を丁寧に言い表した敬語表現であると言えます。

メールでの使い方

メールでの使い方として、たとえば「先日は、貴社主催の講演会に参加させていただき、ありがとうございました。大変興味深いご講演を拝聴することができ、ご招待いただきましたことに対し、甚だ感謝しております。」のように「興味深い」を用いることができます。

この使い方の例では、「興味深い」は「講演」に係る形容詞として用いられているため、「講演」に「ご」をつけることで敬語が表現されています。

ビジネスでの使い方

ビジネスでの使い方として、たとえば「提出いただいた企画書を、興味深く拝見しました。ぜひともこの企画書の内容を実現させるべく、来週開催予定の会議に諮りたいと思っております。ついては、提出いただいた企画書の追加資料の作成をお願いしたいと思います。」のように「興味深い」を用いることができます。

この使い方の例では、「興味深い」は「見る」に係る副詞として用いられているため、「見る」を「拝見する」と言う謙譲語にすることで敬語が表現されています。

論文での使い方

論文での使い方として、「~は興味深いです」という表現よりも、「~は重要である」または「~は重要な課題である」という表現の方がふさわしいとされることがあります。

なぜなら、学術研究で得た成果を発表するために、自分の意見を、理論的に筋道立てて述べながら議論するのが論文であり、「自分が面白いと感じる」「自分は関心を持っている」ということを述べるよりも、「自分は、そのことが学術研究において重要であると考える」ということを述べるほうが論文には向いているからです。

それゆえ、「バッタが群れるという現象は、非常に興味深いものです。なぜなら、大量発生したバッタは、人の食生活に多大な影響を与えるからです。」と表現するよりも「バッタが群れるという現象は、非常に重要な課題です。なぜなら、大量発生したバッタは、人の食生活に多大な影響を与えるからです。」とした方が、論文としての収まりが良くなります。

本での使い方

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本での使い方として、「そのときの彼は、怒っているような、悲しんでいるような、興味深い表情をしているように見えました。しかし、その後の彼の興味深い行動から、実はその表情は、彼の喜びあふれるものであったということがわかったのです。」のように「興味深い」を用いることができます。

この使い方の例では、「興味深い」は「表情」や「行動」に係る形容詞ですが、本は読む相手を特定しないものであるため、丁寧語を用いますが、「表情」や「行動」には「お」や「ご」はつけないため、文末の「です」「ます」で敬語を表現しています。

記事での使い方

記事も本などと同じく、読む相手を特定しないため、敬語は丁寧語を用います。丁寧語を用いた記事での「興味深い」の使い方として、「興味深いことに、その記録を塗り替えたのは、ほかでもない昨年引退宣言をした彼だったのです。」を見てみましょう。

このときの「興味深い」には驚きを込めた面白さが表現されていることがわかります。しかし、「驚いたことに」や「面白いことに」ではなく、「興味深いことに」と表現することで、その先にある興味惹かれる話題の内容が、驚きのことなのか、面白いことなのか、はたまたまったく違うことなのか、想像がつかなくなっています。

そのため、興味惹かれるまま先入観を持つことなく読み進められるという効果があると言えます。さらにこの「興味深い」は、「こと」にかかる形容詞ですが、「こと」に「お」や「ご」はつかないため、文末の「です」「ます」で敬語を表現しています。

ニュースでの使い方

たとえば気温、天気、時間帯、方角など、複数の条件がそろい、偶然にも珍しい現象が見られることがあります。そのようなとき、ニュースで「興味深い現象が見られました。」という使い方をすることがあります。このときの「興味深い」は、「現象」に係る形容詞ですが、「現象」に「お」や「ご」はつかないため、文末の「です」「ます」で敬語を表現しています。

なお、ニュースも本などと同じく視聴者を特定しないため、敬語表現には丁寧語を用います。

「興味深い」を敬語表現するときの例文

「興味深いごあいさつをされる。」このときの「興味深い」は「あいさつ」に係る形容詞です。そのため、「あいさつ」に「ご」をつけて敬語を表現しています。ここでは、「興味深い」が係る名詞に「ご」をつけることができましたが、名詞の中には「お」「ご」がつかないものもあります。

そのときは、文末の表現で敬語を表現します。この例でいうと「する」が尊敬語の「される」になり、このほかにも「興味深いお手紙を拝見する」「興味深いお祭りです」では、前者は「見る」が謙譲語の「拝見する」になり、後者は丁寧語の「です」を用いています。

なお、「あなたの意見は興味深いです」というときの「興味深い」は、形容詞ではありませんが、丁寧語の「です」を用いて敬語を表現しています。

「興味深い」の別の敬語表現例は?

「興味深い」の別の敬語表現の例として、「興味深い」が動詞に係る副詞「興味深く」となるときが考えられます。たとえば「興味深くごあいさつなさる。」このときの「興味深い」は「あいさつする」に係る副詞です。そのため、「あいさつする」を尊敬語の「ごあいさつなさる」にすることで敬語を表現しています。

同じように「興味深く拝見する」の「興味深い」は、「見る」に係る副詞であり、「見る」は謙譲語の「拝見する」にすることで敬語を表現しています。さらに、「興味深く祭られています」の「興味深い」は、「祭る」に係る副詞であり、「祭る」は丁寧語の「ます」をつけて「祭ります」とすることで敬語を表現しています。

「興味深い」の類語にはどんな言葉がある?

関心や興味の程度が高いことを意味するとき、その類語には「興味をそそられる、かきたてられる」「関心を深める、高める」「興趣を添える」「面白そうな、面白味のある」「注目度の高い」「心を惹く」などがあります。

また、あることに対して興味を持っていることを意味するときは、「興味津々の」「好奇心に満ちた」などの類語で言い換えることもできます。さらに、「興味深い」は、刺激的な関心や興奮を生み出すときなどにも用いることがあり、そのようなときの類語には「刺激的」「エキサイティング」などがあります。

「興味深い」の類語・言い換えを敬語で表現すると?

たとえば「教授の話は興味深いです」は、「教授の話は関心を深められます。」と言い換えることができます。これは、「興味深い」の類語「関心を深める」の受け身形「関心を深められる」に、丁寧語の「ます」をつけて敬語表現したものです。

このほかにも「心を惹く」で言い換えると、「惹く」の受け身形「惹かれる」に丁寧語の「ます」をつけ、「教授の話は心を惹かれます。」と敬語表現することができます。受け身形と敬語がわかりにくくなってしまいますが、両方とも敬語表現されています。

興味深い内容だったでしょうか?

動詞のようにはっきりとした敬語を持たない形容詞「興味深い」ですが、「興味深い」が係る言葉やその文末に敬語表現を用いることで、「興味深い」を敬語表現の一部として使うことができます。しかし、相手が目上の人であったり、用いる場が論文などの学術的場面であったりすると、「興味深い」ではなくほかの言葉で言い換えたほうがいいこともあります。

規則性があるようで例外も多く、簡単なようで複雑な敬語ですが、敬語は日本語にしか見らない貴重な言語文化です。しっかりと使い分けて、興味深い日本語文化を存分に堪能しましょう。

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