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「聴く」の敬語表現・聴くの使い方と例文・聴くの別の敬語表現例

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「聴く」と「聞く」の意味と違い分かりますか?

日本語には、たくさんの同訓異字の単語があります。今回取り上げる、「聴く」と「聞く」について、みなさんは正確な意味の違いをご存知でしょうか。

聴くも聞くも、大まかには「音をきく」「耳を傾ける」ことです。では、その違いはなんでしょう。それは、意識の差にあります。シンプルに言うと、「(対象が決まっている)音を注意深くきく」場合に「聴く」といい、それ以外の一般的に「単に耳に入ってくる音をきく」場合に「聞く」を用います。

これから説明する、尊敬語の表現においても用法は、一部を除き「聴く」「聞く」を使った言葉がありますが、漢字の持つ意味はこれをベースに考えればいいでしょう。なお今回は、あくまで「相手の言葉に耳を傾ける」事を軸に話をすすめるので、「聴く」をメインにしています。

なお、「きく」にはもう一つ「訊く」という漢字もありますが、こちらは常用漢字外なので、一般的には使わない方が無難でしょう。

「聴く」の敬語表現の種類について

敬語の種類は三つ

敬語には、その相手や立場などの違いから、三つに分類されます。尊敬語、謙譲語、丁寧語の三つです。それぞれの違いを下図にまとめました。

ここから先は、これらに沿って「聴く」に置き換えた時どうなるかを、みていきましょう。

尊敬語 謙譲語 丁寧語
対象 相手 自分 どちら問わず
使い方 目上の相手に対して使う敬語。 自分がへりくだり、相手を立てる場合に使う敬語。 聞き手に対して、丁寧に述べる敬語。基本は「です」「ます」を付けます。

目上の相手に使う尊敬語

先にも書いたとおり、目上の相手に対して使う敬語です。なので、受け身の表現になります。「聴く」を変える場合、「聴かれる」または「お聴きになられる」という表現になります。

後半で詳しく説明しますが、同義語として「拝聴」という言葉を使うことで、より丁寧な表現をする事もできます。「拝聴」の動詞は「拝聴する」なので、未然形に変換し「拝聴される」という受け身の表現にする事ができます。ただしこの「拝聴」は、敬意の度合いがかなり高いので、一般的なビジネスシーンなどにおいては、「聴く」がいいでしょう。

自分がへりくだる謙譲語なら?

尊敬語の対象が相手であるのに対し、自分が対象となる「謙譲語」の場合はどうでしょう。この敬語の目的は、「自分がへりくだる」=「自分の立場を低める」ことによって、相手の立場を尊重するものです。なので「聴く」においては、「お聴きする」という表現になります。

尊敬語と同じく、「拝聴」を使った場合も同じで「拝聴する」という言葉になります。しかし、尊敬語と同じくこの言葉は敬意が高すぎる印象もあるので、使用するさいには「かしこまりすぎる」印象を与えるので注意が必要です。

万能の丁寧語

見出しに「万能」と書きましたが、基本的に「です」「ます」を使うだけで、おおよそのシーンに丁寧な印象を与えるので、余程かしこまった状況以外では、丁寧語を使うのが無難だといえます。今回の「聴く」の場合には、使用方法は「聴きます」「聴きました」で問題ありません。さらに、冒頭の「聞く」と「聴く」の違いにさえ気をつけて、使うシーンを分けるといいです。

「聴く」の敬語を使ってみよう!

敬語の使い分け方とは?

ここまで、敬語の種類と使い方の基本は説明したので、おおよそは理解できた事でしょう。基本的には、下記のとおりです。

・「尊敬語」=相手の立場を立てる時に使う。
・「謙譲語」=自分の立場を落として、相対的に相手の立場を立てる時に使う。
・「丁寧語」=相手を問わず、丁寧な対応をする時に使う。

しかし、ある一定の条件での敬語の用法に落とし穴があります。よくある例としては「お客様に、自分の上司にあたる人を表現するとき」です。この場合、立場はお客様が一番高くなり、自分と上司は同じ立場になります。

つまり、「お客様」に対して「上司の話」を伝える場合は、「聴きました」になります。逆に、「上司」に対し「お客様の話」を伝える場合は、「お聴きした」となります。このような間違いは、よく後になって「しまった」と気づく事が多いので、注意しましょう。

メールでよくある失敗と改善

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敬語の使い方や意味については、これまで説明したとおり、相手の立場などに気をつけることです。ここでは、メールにおいてよく間違える例について取り上げてみます。メールにおいては、「誰宛」なのかを考えれば簡単です。しかし、そのメールの中で第三者の話が絡む場合、謙譲語と、尊敬語が、ごちゃごちゃになりがちです。

例えば、特定の話を第三者へ問い合わせて欲しい場合にありがちな間違いで、「詳細は担当者に伺ってください。」や「担当者にお聴きしてください。」という、謙譲語を使ってしまうケースです。この場合は、尊敬語の「尋ねてください」や「お聴き下さい」が適切です。

上記の場合、相手から見た場合、担当者も自分と同じ立場の人間ということなのも、尊敬語が正しくなります。謙譲語は、あくまで自分を下げて相手を立てる言葉なので、特に上司やお客様相手といったケースにおいては、尊敬語を使うように心がけましょう。

講演会や演奏会などは敬語を使う対象に注意

講演者や演奏者に対する敬語は、「拝聴しました」で問題ありません。しかし、会話の相手が演者でない場合(例えば、同行した上司など)は、「お聴きになりましたか」や「聴かれました」という表現になります。誰に対して使う敬語なのかを間違えないようにしましょう。

音楽・ラジオなどの感想を求める場合は?

基本的には、講演会や演奏会における「聴く」の応用で問題ありません。ただし、この場合先ほど書いた「自分が薦めたものかどうか」が、重要となります。基本的には、自分が薦めた講演だった場合などは、「お聴きになりましたか」を使用し、一般的な状況(例えば、流行っている音楽の話題)の場合は「聴かれましたか」という使い分けをするといいでしょう。

「聴く」の同義語を知ろう!

前半に「拝聴」という言葉を挙げましたが、他にも「聴く」の同義語はたくさんあります。いずれも、使う場合は「聴く」よりも意味の範囲が狭くなっているので、正しい意味を理解して使いましょう。

・『尋ねる』=意見を求めたり、直接どこかへ赴く意味があります。
・『伺う』=尋ねるに、へりくだるという前提を付けた言葉です。この言葉自体が謙譲語になります。
・『留意』=聴くというよりも、注意するや心がけるといった意味合いが強い言葉です。
・『仰ぐ』=こちらは、教えや救済を聴く場合に使います。
・『問い合わせる』=「不明な点」を照会する場合に使います。

他にもまだたくさんあるので、興味がある方は調べてみてください。また、これらは話し言葉というより、メールや手紙といった書き言葉として主に使われています。使い方次第で敬意が高まりすぎてしまう場合があるので、過剰に使わないように注意しましょう。

「聴く」を使った例文

では、ここからは一つの文章を、「聴く」やその同義語を用いて使い分けてみます。

(例1)あなたは、どんな音楽を聴くの?
「あなたは、どのような音楽をお聴きになりますか?」

(例2)先日借りたCD聴きました。
「先日お借りしたCD、さっそく拝聴しました。」

(例3)担当者に聴いて。
「担当者に、お尋ねください。」

(例4)名前を聴かせてください。
「お名前を、お伺いしてもよろしいですか?」

このように、敬語によって言葉が変化します。特に(例4)に関して、よく「名前を頂戴してもよろしいですか」という方がいますが、これは誤りなので注意しましょう。

「聴く」の敬語を知り正しく使おう!

いかがだったでしょう。「聴く」とその敬語について、意味や使い方は分かったことでしょう。

この「聴く」に限らず、敬語は自分の立場や相手の立場、第三者の立場、そして状況を正しく把握して使う必要があります。特に、口頭での会話の場合、瞬時に正しい敬語を選択する必要があるので、常日頃正しい敬語の使い方を学んでおくと、なおよいでしょう。

まずは、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」この三種類の使い分けに注意してみましょう。メールなど、推敲できる状況を上手く利用して、正しい使い方をマスターするのも一つの手でしょう。

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