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「私的には」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

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「私的には」の敬語表現

「私的(ワタシテキ)には」は若い人が現代になって使うようになった言葉です。2000年の新語・流行語大賞の有数10に「私的には」が入賞しています。

「的」の意味

「的」は「まと、目標、確かであること、はっきりわかること、~の、~のような、~に関する」の意味があります。

「的」の使い方

「的」は漢語の後に付いて「~に関する、~の状態の、~の傾向」の意味を持たせ形容動詞の語幹を作ります。例えば「文化的」「教育的」が例として挙げられます。

「的」は和語の後に付くと「~としては、~の上では」の意味になります。「気持ち的には」「長さ的には」の使い方をします。形容動詞の語幹に付ける言い方では「健康的」「バーチャル的」もあります。

最近では代名詞の後に付いて使われる機会が多くなっています。「私的には」がまさに今回のトピックでもあります。詳しく見ていきましょう。

「私的には」の意味

「私的には」は「私としては」の意味になります。単純にそれだけの意味ではなくニュアンスも知っておきましょう。若者に多く見られる「ぼかし言葉」に「~みたいな」「~の方」「~とか」という曖昧な表現があります。

物事を断定しないで、相手との関係を平和に保とうとします。「私的には」も「私」の立場を主張しながらも、どこかぼかして曖昧にしている状態です。相手にちゃんと伝わらない恐れもあります。

「私的には」の敬語での使い方

敬語の種類

敬語は大きく分けると「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つになります。もう少し細かく分類すると「尊敬語」「謙譲語1」「謙譲語2」「丁寧語」「美化語」の5つになります。

話し手と聞き手との関係によって敬語は分かれます。相手を敬い、相手の位置を高めて敬意を表す場合は「尊敬語」を使います。話し手である自分を低めることで聞き手に敬意を表すときは「謙譲語1、2」を使います。「丁寧語」は丁寧な言葉を使うことで相手に敬意を表します。

敬語はいつでも聞き手に敬意を表すだけでなく、聞き手に話す内容の中で「その場にいない第3者」に敬意を表すこともあります。

使い方

「私的には」は現代の若者が作り出した言葉であることがわかりました。「私的には」は敬語としては使えるのでしょうか。敬語は相手に敬意を表した言葉ですが、若者言葉を使う時点で相手への敬意は見られません。

「私的には」は現代になって使われるようになった非公式でカジュアルな言葉のため、敬語での使用は避けます。同じ意味合いで使える敬語に変えて使いましょう。

私としては

「私(わたくし)としては」は「わたし」ではなく「わたくし」と丁寧に言うことから、敬語として相応しく思われがちです。「としては」の部分は敬語になっていないため、普通の言葉になってしまいます。

私としましては

「私としましては」は「しましては」の部分が丁寧語になっているため敬語となります。

私と致しましては

「私と致しましては」の「致しましては」は「致す」が謙譲語であるため敬語として相応しいです。「私としましては」よりも謙譲語の「私と致しましては」の方が相手への敬意が表れています。より改まったシーンで使えます。

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メールでの使い方

「私的には」は話し言葉です。メールは文字に起こされてしまうため「私的には」と打つと相手によっては失礼に当たります。友達や気の置けない相手であれば「私的には」は問題ありません。目上の人や仕事でのメールのときは「私としては」などにしましょう。

書き言葉での使い方

「私的には」は敬語でない以前に話し言葉ですので、書き言葉では使えません。敬語の中でもより敬意を表した「私と致しましては」も書き言葉としては相応しくありません。長い表現のため、内容が伝わりにくいです。「私としては」の方がシンプルで伝わります。

ビジネスでの使い方

ビジネスは敬語が頻繁に使われますが「私的には」はどんな場面でも使えません。同期で雑談をするときなどは自由に使えますが、仕事で「私的には」を使うのはカジュアル過ぎて失礼に当たります。

自分の意見を主張したいとき

ビジネスでは「私的には」に代わる「私と致しましては」の敬語を使います。他の人の意見や他の状況に賛同できないときなどに、あえて自分の考えを強調して述べるときに使います。「私と致しましては」の後に続く言葉には、賛同できない理由や確固たる考えを説明できないといけません。

「私は~と思います」と言うと、聞き手の印象にはそれほど残りません。「私と致しましては~」と切り出すことによって話し手に注目して聞くことができます。ビジネスでは意見が分かれてしまったときに自分の意見を効果的に相手に伝えるために「私と致しましては」を使います。

ただのビジネス会話で「私と致しましては」を使うと、自己主張が強いだけで場合によっては相手を否定してしまうため失礼にあたります。ビジネス上やむを得ず自分の考えを強調するときだけ使うようにしましょう。

「私と致しましては」を使うには注意が必要

「私と致しましては」は相手に敬意を表した敬語ですが、相手の意見を追いやって「私」を前面に出して言う行為です。敬語としての言葉使いは正しくても、使う場面を間違えると敬語はおろか相手を見下した失礼な行為になってしまいます。

日本は自分の意見をあまり言わず遠慮しがちな国民性があります。自分の考えを持つことは良いことですが、言い方次第では相手を傷つけてしまいます。何かを言いたいときは「私は~」と言えば自然です。「私と致しましては」と言うのはビジネスや日常生活でもよっぽど主張したい事があるときに限られます。

「私の意見を聞いてもらいたい、その考えは違いますよ」という強い主張が「私と致しましては」に込められています。「私的には」のときには、ぼやかされて「私の考え」が隠されていましたが、敬語に変換することで「私の考え」が前面に出てきてしまいます。

「私的には」を敬語表現するときの例文

私的にはOKです

「私的にはOKです」を敬語にしてみましょう。

「私と致しましては問題ございません」
「私と致しましては、そちらで結構でございます」
「私と致しましては差し支えございません」

「大丈夫です」や「構いません」も敬語ですが、目上の人に使うのは上から目線で失礼とされています。

私的にはNGです

「私的にはNGです」を敬語にしてみましょう。「誠に恐縮でございますが私としましては致しかねます」となります。「NGです」は「ダメです」の意味ですが、敬語としては明らかに違和感があります。

「難しいことでございます」は難しくても頑張ればできると捉えられる恐れもあります。「できません」では冷たい印象です。状況に合わせて断る文句を変える方法もあります。欠席を告げるときは「欠席いたします」のようにシーンにあった断り方もできます。

いずれにしても断るときは「大変申し訳ございませんが」などの謝りの言葉を添えます。日本人の配慮が見られます。

「私的には」の別の敬語の表現例

「私的には」を別の敬語で表現してみましょう。これまでは「私としては」「私としましては」「私と致しましては」でしたが、別の敬語の表現を見てみましょう。

「私の考えとしましては」
「私の立場と致しましては」
「私の個人的な意見と致しましては」

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「私的には」の言い換えの敬語

「私的には」を別の敬語で言い換えてみましょう。

「私見を申し上げますと」
「愚見を申し述べますと」
「私と致しましては」

「私的には」も存在価値あり

「私的には」は若者言葉から生まれた言葉ですが、一時的なブームではなく常に使える便利な言葉として現代に息づいています。微妙なぼかし言葉は、日本人の気質と今の時代にピッタリ合っていて「私的には」に代わる言葉が見当たりません。

敬語を使うシーンで他の言葉に言い換えて正しく使うことができれば、日常的な会話の中で「私的には」を使うのは「私的にはあり」と思う人も多いでしょう。

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