cms-import-tapbiz-wp

「許してくれてありがとう」の敬語表現・使い方・別の敬語表現例

[allpage_toc]

「許してくれてありがとう」の敬語表現

「許してくれてありがとう」とは、なにやらドラマのセリフのようですが、ビジネスシーンでも使われることがあります。とはいっても、このまま使うのではなく、相手の立場やシチュエーションに応じて、正しく敬語表現を加える必要があります。

今回は、謝罪するときに便利な「許してくれてありがとう」の表現を勉強していきましょう。

「許してくれてありがとう」の敬語での使い方

「許してくれてありがとう」の使い方を紹介します。その前に、敬語表現の種類を説明します。既にご存知の方は飛ばしてください。忘れてしまった人は、この機会に復習しましょう。日本語では、複雑な敬語表現がありますが、まずは、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つを覚えておくことが重要です。

ただしこの従来の敬語の分類は、平成19年に国によって改正され、尊敬語、謙譲語、丁重語、丁寧語、美化語の5分類に細分化されました。詳しく知りたい方は、下の「文化審議会」が発表した「敬語の指針」を読んでください。

敬語の種類

丁寧語

丁寧語は文を丁寧にしたい場合に使います。これは相手の立場や内容に関係なく使うことができます。例えば、本記事は「です」「ます」調で統一していますが、これらも丁寧語となります。

今回の「許してくれてありがとう」では、例えば「ありがとう」に「ございます」をつけて「許してくれてありがとうございます」などとします。「ございます」は謙譲語のようにも考えられますが、丁寧語に分類されます。

謙譲語

謙譲語とは、目上の人に対して自らがへりくだることで、敬意を表現する言葉です。「許してくれてありがとう」に謙譲語を使えば、「くれて」という部分を「いただく」という謙譲語で表現することができます。

尊敬語

尊敬語とは、社会的な地位が上の人や、年上、親など目上の人を敬って使う言葉です。尊敬語の簡単な使い方は「お」や「ご」をつけて表現します。

今回は「許してくれてありがとう」なので、そのままでは使うことはできませんが、「許し」という言葉に対して「お」をつけ「お許し」と尊敬語で表現することができます。

使い方

敬語表現の種類を紹介しましたが、原則的に謙譲語と尊敬語を混在させることはできません。

したがって「許してくれてありがとう」の文を変形して「お許しいただきましてありがとうございます」などとしがちですが、「お許し」という尊敬語と「いただく」の謙譲語が混在してしまっているので使い方としては間違いです。「許していただき感謝しております」などのように、どちらかに統一しましょう。

メールでの使い方

メールでの使い方といっても、特別なことはありません。「許してくれてありがとう」は友人や同僚などに使うことができます。問題はビジネスメールです。謝罪をするということは、何らかの迷惑を相手にかけてしまった状況です。このため、失礼のないように細心の注意を払いましょう。

それには、次項で紹介するように、「許す」や「ありがとう」をより敬意を表す言葉に置き換えることが必要です。ただ、メールの場合、あまり表現が硬すぎると読みにくく、回りくどい印象を恐れがあるので気を付けましょう。

「許してくれてありがとう」の部分は、結局のところ自分の気持ちを伝えているに過ぎないので、今後どのように改善していくか、過ちを二度と起こさないために何をするなど具体的な内容で補強したほうが良い場合も多いです。

「許してくれてありがとう」を敬語表現するときの例文

[no_toc]

「許してくれてありがとう」がビジネスシーンで使う時に使われる例文を紹介します。メールでは、過度に敬語表現を使わないほうがいいことがあると説明しましたが、謝罪の正式文書などでは、敬語を使って堅い表現にしたほうが誠意が伝わりやすいです。

寛大なご処置を賜り

まず、「許してくれてありがとう」の中の「許し」に形容詞をつけることで、敬意を表すことができます。例えば「寛大(かんだい)な」などです。

そして、「許し」を「お許し」などの尊敬語にするだけでもいいですが、仕事の内容によっては納期延長許可や、工事の施工許可などさまざまありますので状況に応じて変更しましょう。例えば「ご処置」のように処置に「ご」という尊敬語を付けます。

これに「下賜(かし)する」という「(目上の人が)物を与える」を意味する言葉の尊敬語「賜る」を使って「寛大なご処置を賜り、誠にありがとうございます」などと表現します。

なお、「賜る」は「くれる」の謙譲語として使う場合があります。尊敬語と謙譲語の混在は間違いとなりますので、使い方に注意が必要です。

「許してくれてありがとう」の別の敬語表現例

寛大なご処置

「寛大なご処置」の例文は先ほど紹介しました。この他には「寛容(かんよう)な」という言い方が良く使われます。

「寛容なご処置を賜り、誠にありがとうございます」

となります。このように、少し難しい言葉を使うと言葉に重みが出て「許してくれてありがとう」より敬意を表すことができます。

寛大な措置

「寛大な措置」の「措置」に「ご」をつけて「ご措置」という尊敬語にすることができます。このほかにも「ご配慮」「お心使い」「ご容赦」などさまざまな言葉を尊敬語にすることができます。

「許してくれてありがとう」の謙譲語という敬語表現のところでも触れたように、自らがへりくだることで敬意を表すことができます。例えば、

「寛大な措置をいただきまして、誠にありがとうございます」

などと使います。

その他

「許してくれてありがとう」を意味する、他の敬語表現を例文で見ていきましょう。

「寛容なご配慮、誠に感謝いたします。」
「優しいお言葉、誠にありがとうございます。」
「お気遣いをいただき、恐縮です。」
「ご配慮をいただけましたことを、大変感謝しております。」

英語

「許してくれてありがとう」を英語でいうと以下のようになります。

Thank you for forgiving me.

英語では丁寧な表現はありますが、日本語のように複雑な敬語表現はありません。

相手に許してもらうには

「許してくれてありがとう」や、それを敬語で言うためには、そもそも、しっかり謝罪し、許しを乞わなければなりません。迷惑をかけたのに放置していては、相手の怒りは静まるどころか高まってしまいます。

プライベートで敬語を使う必要がない相手では「ごめん、許して」「本当に申し訳なかった」「心から謝ります」などでかまいませんし、相手が許してくれたら「許してくれてありがとう」などと返答すればいいです。

しかし、ビジネスシーンでは、もっと気遣いが必要です。

始末書

「始末書」とは、相手に迷惑をかけた内容を説明する書類ですが、許しを得るということが目的でもあります。始末書は、

・不始末の内容
・不始末の理由・原因の説明
・反省とお詫び
・二度と不始末を起こさないと誓う
・結び

のような構成で書かれることが多いです。そして、この最後のところで、「今回に限り、寛大なる措置をお願い申し上げます。」などが使われます。他にも「ご宥恕をたまわりたく存じます」「ご寛恕いただきたく存じます」などの表現がありますので、覚えておきましょう。

誠意をもって謝ろう!

[no_toc]

今回は「許してくれてありがとう」というフレーズを例に、敬語の使い方を解説しましたが、いかがでしたか。ビジネスシーンでは「許してくれてありがとう」とそのまま使う訳にはいかないので、この機会に敬語表現を覚えてください。

もちろん、プライベートでは「許してくれてありがとう」と素直に表現するだけでも、十分気持ちが伝わります。ミスをしてしまうのは、人間なので仕方がありません。そのような時は、誠意をもって、迅速に対応するしかありません。そうすることで、相手からの信用を再び取り戻すことができるでしょう。

モバイルバージョンを終了