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「出向く」の敬語表現はどうすればいいの
また、「出向く」という言葉から連想するのはドラマ「半沢直樹」などで使われる「出向」という言葉という人もいます。実は、このドラマを見て「出向」「出向く」という言葉の使われ方に違和感を持った人は多いです。
また「出向く」という言葉を知らない人は、そこにネガティブな意味を感じたかもしれません。はたして「出向く」とはどのような意味を持っているのでしょうか。
意味
ただ「自分が」行くのように、少し自意識が高いニュアンスがあるとも言えるでしょう。しかし、類義語を確認しても、「行く」「参加する」「列席する」「顔を出す」などですから、「出向く」人が周りに対して、特に目上の人という場合でなければならないというわけではありません。
しかし、「わざわざ、こんな田舎にまで出向いてきてやったのに」「君が出向くような案件ではない」などの文脈で使われることもあるのも事実です。先ほどの「半沢直樹」の場合、本社から支店に「左遷」「下野」などの意味で「出向」が使われているので、この場合の「出向く」は否定的な意味が込められています。
「出向く」の敬語での使い方
例えば、「明日、御社に出向きます」と言えば、相手から格下に見られたように感じる人もいます。また、たとえ子会社、下請け会社であっても「出向く」という言葉を使えば、相手の気を悪くさせてしまうこともあります。
では、「出向く」に敬語はあるのでしょうか。どのように敬語表現すればよいのでしょうか。
敬語の種類
尊敬語
例えば、社長などが「出向く」という場合、「いらっしゃる」などと表現します。
このように「出向く」を違う言葉にかえるような尊敬語もありますが、頻繁に使われているのは「ご」や「お」を付ける表現です。例えば「ご指示」「お許し」などのように使います。そして、「出向く」の場合は「おいでになる」「お見えになる」などのように尊敬語を使うこともできます。
謙譲語
「出向く」の場合、「伺います」「参ります」などと表現します。「させていただく」という敬語表現もビジネスにおいてよく使われます。「させてもらう」の謙譲語を使った敬語表現が「させていただく」です。
それでは、「出向かさせていただきます」という敬語表現は良いのでしょうか。この場合「出向く」という動詞と「させて=する」という動詞が二重になっているので間違った表現です。また「参らさせていただきます」という敬語表現も「参る」という謙譲語と「いただく」という謙譲語が重複しているので、間違った敬語の使い方です。
丁寧語
使い方
尊敬語:「いらっしゃる」「いらっしゃいます」
謙譲語:「伺います」「参ります」
丁寧語:「行かれます」「行きます」
このあたりを覚えておけば、通常使い方に困ることはありません。ただし、結婚式などの場合「ご臨席賜る」など特殊な敬語表現のほうが、より敬意を表せることがあります。
メールでの使い方
「出向く」を敬語表現するときの例文
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お出向き
「ご足労おかけいたしますが、ぜひ一度、弊社にお出向きください。」
などと使うことができます。ただ「お出向きください」というより「お越しください」「いらっしゃってください」の方が良く使われる表現です。また、「お出向きください」のように、こちら側を低くしたい場合は、
「ご足労おかけいたしますが、ぜひ一度、弊社にお立ち寄りください。」
のような表現を使うのもいいでしょう。
出向いていただく
「ご足労おかけいたしますが、ぜひ一度、出向いていただくようお願いいたします。」
のようになります。
「出向く」の別の敬語表現例
伺う・参るの他には何があるの?
他には、少し意味は変わってきますが「お顔を拝見させてください」などのように「拝見」という敬語を使う方法もありますし、「ご挨拶させてください」という言い方も使えます。
いらっしゃるの他には何があるの?
「明日の弊社の見学会に、どうぞお気をつけてお越しください」
「お見えになるのを楽しみにしております。」
「19時までにいらっしゃられると聞いておりましたが、まだ来られていないようです」
などのように使うことができます。
出向くは「行く」と考えればむずかしくない!
逆にいえば「出向く」は「行く」という意味に置き換えることにより、よく使われる敬語表現で代用することができます。「伺う」「参る」「いらっしゃる」などは基本的な敬語なので使い方も難しくはありません。