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「期待する」の敬語表現・期待するの使い方と例文・別の敬語表現

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そもそも期待とは?

そもそも「期待」とはどういう意味なのでしょうか。自分が相手に「期待する」ということは、相手が何かを成し遂げたり、行動したりすることをあてにして自分は待っていることをいいます。自分は何もしないと言っているようなものなので、他力本願的な意味がその言葉自体に含まれています。そのため目上の人を相手に「期待する」を使うのは不適切とされています。

しかし、目上の方であっても、期待したい気持ちを伝える場面は全くないとは言い切れません。もし、その気持ちを伝えたい場合どのように表現したらよいのでしょうか。

「期待する」の敬語表現は「期待しております」ではない?

相手に自分が期待をしていることを伝えたいとき、「期待しております」と言ってしまいたくなります。しかし、相手が目上の方の場合、「期待する」をそのまま使うと見下したいい方になってしまうため、「おります」を後ろにつけたとしても、敬語表現にはならず、失礼な言い方になってしまいます。

しかし、その気持ちを伝えたい場面はよくあることです。「期待する」を尊敬語、謙譲語でどう表現してよいか、または使える場合の状況を解説していきます。

「期待する」を尊敬語で伝えたい!

自分が相手に「期待する」気持ちを伝えたい場合、前述したとおり「期待する」をそのまま敬語として使用できません。「期待」に代わる言葉に置き換えて敬語表現にしましょう。

期待するからには何らかの成果を出すことを相手に求めたり願ったりすることになるので、「お祈りいたします」といった言葉に言い換えれば失礼にはあたりません。

「期待する」の謙譲語は?

謙譲語とは、自分の事を目上の方にへりくだって言いたいときに使う言葉なので、相手が自分に「期待する」ことをお願いする状況になります。その場合は、素直に「ご期待ください」という表現で問題ありません。また、相手から期待している旨を言われた場合は、「ご期待に添えるよう精進してまいります」といった使い方ができます。

「期待する」の敬語での使い方は?

冒頭から説明しているとおり、「期待する」を敬語としてそのままでは使用できないため、置き換えられる敬語をもう少し詳しく紹介していきます。

「期待する」から敬語として置き換えられる言葉の種類は?

相手が行動することをあてにすることをあからさまに伝えるのは失礼ですので、目上の方に伝えたい場合は、期待している事柄や状況に応じて「祈念する」・「祈る」・「切に願う」などの願う気持ちで置き換えましょう。

「期待」という言葉の類義語は多くありますが、類義語のほとんどは「期待」と同じようにあまり敬語としてはふさわしくないとされているものがほとんどです。

置き換えられる言葉の使い方は?

前述した「期待する」から置き換えられる言葉は敬語になっていないので、それらを敬語で表現したい場合は、「祈念しております」・「お祈り申し上げます」・「切に願っております」と表現するとよいでしょう。「祈念しております」は「祈念いたしております」と表現するとより、丁寧な敬語表現になります。

メールや手紙での使い方は?

メールや手紙の場合は締めくくりの文章に重ねて伝えたい気持ちを添える場合があります。「期待する」気持ちを最後に添えたい場合には、「さらなるご活躍をお祈り申し上げます」というような一文添えることで、より強く気持ちを伝えることができます。

敬語からは離れてしまいますが、「希わく(こいねがわく)はあなたに祝福あらんことを」と言ったような一文を添えると手紙としては恰好のつく締めくくりになります。ただし、これは敬語表現とはいえないので、目上の方へのメールや手紙には使用しないようにしましょう。

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「期待する」を敬語表現するときの例文を紹介

目上の方に対しては「期待する」という言葉は使えませんが、敬語で話すときに全く使わない言葉ではありません。「期待する」の敬語表現を使用するときの例文と、使うべきタイミングを紹介していきます。

「期待しております」

「期待しております」というときは、目上の人が部下など目下の人に対して期待するときに使われます。期待するのは自分なので「ご期待」とは表現しません。「ご期待ください」と相手が自分に期待してもらうのをお願いするときに「ご期待」と表現します。

「ご活躍を期待しております」

上司が部下に対して「期待する」場合は上記のように表現できます。普通の会話でここまで丁寧な言い方はなかなかしませんが、入社式で新入社員全員に伝えるような場面で使用されることが多いです。

「乞うご期待」

「乞うご期待」という表現はCMや雑誌などでもよく見かけますが、相手に期待するのではなく自分に期待して欲しいときに使用します。「乞うご期待ください」では「乞う」と「ください」で同じ意味が重なってしまうので「ください」を付けないのが正しい文になります。

「新作を乞うご期待」

体言止めになっているので、文章中には使用しづらい表現です。文書中では「ご期待ください」を使うとよいでしょう。また、テレビなどでよく使われる表現であるため、砕けたイメージを与えてしまいます。固い話の中では使用することは避けた方がよいでしょう。

「期待する」の別の敬語表現例を紹介

「置き換えられる敬語の種類」で登場した「期待する」に置き換えられる敬語の例文を使われるシチュエーションと共に紹介していきます。

「ご活躍をお祈り申し上げます」

取引などのやり取りが終わる際に最後の挨拶としても添えられることが多いです。企業や団体に対して同じような文章を添えたい場合は「ご活躍」を「ご発展」に置き換えて、「ご発展をお祈り申し上げます」と表現しましょう。

就職での不採用通知など、相手に残念な報告をする際にもよく見かける表現です。正しい敬語である反面、この文章が不採用通知に添えられる関係で、「お祈りメール」といわれていて、一部の若い世代ではあまり良い印象を持っていない人もいます。

「ますますのご活躍を祈念いたしております」

「お祈り」よりも「祈念」を使う方が厳粛で固い表現になるため、上司や目上の方に対して使うことに向いています。「祈念」は「神仏に祈る」という意味なので、「お祈り」よりもより強い気持ちとされています。上司の離職や自分の離職の挨拶の締めくくりなどで相手に送る言葉として使用すると礼儀正しい印象を与えられます。

もちろん、「お祈り申し上げます」も正しい敬語表現ですので、間違った使い方にはなりません。女性の場合は、「お祈り」の方が物腰の柔らかい印象を文章に込められます。

「プロジェクトが成功することを切に願っております」

物事の成功を強く期待していることを表現したいときに「切に願う」と言い換えられます。例文は相手を応援していることを伝えたいときなどによく使われます。自分のかかわっていないプロジェクトだけれど、成功してほしいという思いを伝えられれば、相手への励ましになります。

「よい結果に胸をときめかせてお待ちしております」

「期待する」事を少し茶目っ気のある表現で置き換えています。何かの結果を心待ちにしている状態や賞の受賞の報告を相手と一緒に待ちわびていることを伝えるときなどに使用することがあります。

「祈念」や「祈る」より、少し砕けた表現をしたいときに使うことで、相手の気持ちも和ませる効果も期待できます。ただし、砕けた印象を与えるので、相手との距離感を考慮してから使用することをおすすめします。

期待したい気持ちを伝えるのは悪い事ではない!

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目上の方にそのまま「期待する」と言ってしまっては失礼ですが、仕事をしている上で相手を思いやる気持ちにもつながる「期待」を伝えることは、場面によっては仕事がやりやすくなる場合もあります。

あまり相手に期待ばかりしているのは問題ですが、自分では手を貸せない物事に対して、応援している気持ちがあることを伝えるのは、相手に親近感を持ってもらうことにもつながります。

敬語にならず失礼になるから使ってはいけない、何も言わないと考えるのではなく、どう伝えれば、自分の気持ちを相手に気持ちよく伝えられるかを考えながら、より良いコミュニケーションを目指しましょう。

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