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「過ごす」の敬語表現
一般的な「過ごす」の敬語表現例では上記の「お過ごしください」や「お過ごしになられます」などの表現によって「過ごす」の敬語表現が認められ、この例はビジネス上でもプライベートでも多くの場面で使われています。
お過ごしください
旅行などに行くときに、滞在先のホテルの案内でも見られる「ごゆっくりお過ごしください」や「ごゆっくりどうぞ」といった不特定多数に向けての敬語表現の多くは、特にビジネス上で使用される「過ごす」という旨を相手に伝える最適な表現として認められます。
「お過ごしください」という表現は「過ごすこと」を相手に伝える際にとてもわかりやすい言葉でもあり、そのため多くの分野で普通に使われる「過ごす」の敬語表現としては非常に都合の良い言葉でもあります。
「過ごす」の敬語での使い方
旅行会社やホテル企業、またレストランやショッピングモールのさまざまな会社に至るまで、この「お過ごしください」という「過ごす」の敬語表現は専門用語として使われています。
この「過ごす」の敬語表現を伝える際でも、敬語の種類に見られる尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つの言い方に分けて表現される場合が一般的です。まずはこの一般的な「過ごす」の敬語表現とその用法を覚えることが大切です。
敬語の種類
尊敬語は「目上の相手に対する敬意を示した敬語表現」を意味し、ビジネス上では頻繁に使われる敬語表現となるでしょう。謙譲語は「相手と自分の立場や関係性を問わず、話者が自発的に自分の立場や姿勢を低めて相手に敬意を示す敬語表現」で、これはビジネス上・プライベートを問わず、非常に多くの場面で使用されます。
丁寧語は「不特定多数に公示する相手への敬意を示す敬語表現」を言い、主に「です・ます調」などで締めくくられる丁寧な言葉遣いによって公示される表現となります。
「過ごす」の尊敬語での敬語表現
・ご休暇中、どうぞごゆっくりとお過ごしくださいませ。
・お幸せにお過ごしください。
・お元気で末長くお過ごしください。
・季節も寒くなってまいりました。どうかお体をご自愛くださいますよう心よりお祈り申し上げます。
・年末のご多忙のこととは存じますが、どうぞごゆっくりお過ごしください。
このように尊敬語で「過ごす」という旨を敬語で伝える場合は、特に「相手に敬意を示す姿勢で伝える」ことになるため、「お過ごしください」や「ご自愛ください」といった「○○してください」という表現が一般的です。
「過ごす」の謙譲語での敬語表現
・日頃の度重なるご配慮をいただき、現在、わたしどもも暖かな環境の下(もと)、休暇を過ごさせていただいております。
・先日のセミナーイベントにおきましては、大変楽しく過ごすことができましたことを心より感謝いたします。
・ご高配をいただきながら、精力を蓄える期間をいただいております。
・今後のお仕事におきましてご進展をさせていただくことを念頭に置き、現在は目下療養中の身にあります。
・暖かなご配慮の下、このように休暇をいただき、誠に感謝申し上げます。
このように「過ごす」という言葉をそのまま表現してもよく、また別の敬語表現に置き換えて敬意を示してもかまいません。
「過ごす」の丁寧語での敬語表現
・どうぞごゆっくりお過ごしください。
・まったりした空間の中、季節のだいご味をご堪能ください。
・情緒豊かな○○庵にて、大切な時間をお過ごしください。
・どうぞご休暇中、ご自愛くださりながら、ゆっくりとお過ごしください。
このように、一般の旅行会社やホテル企業がホームページなどに記載している「過ごす」にまつわる敬語表現になります。
「過ごす」の敬語の使い方
メールでの「過ごす」の使い方
・お過ごしください。
・過ごされたい(そのように過ごしてください)。
・ゆっくりと羽を休めてください。
・ゆっくりしてください。
・まったりお過ごしください。
・ご堪能ください。
・お休みください。
これらの言葉が「過ごす」にまつわる関連用語(日常用語)として認められ、どの言葉もその場面や用途によって使い分けられます。
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ビジネスでの「過ごす」の敬語の使い方
先述しました尊敬語・謙譲語・丁寧語での各敬語表現例のように、その場合も「過ごす」の敬語表現がなされます。特にビジネスメール上で伝える際には、表記ミスのないよう十分に配慮しておくことが大切です。
「過ごす」を敬語表現するときの例文
・先日は有給休暇をいただくことができ、ただいま羽を休めているところです。
・どうぞご休暇中、ごゆっくりとお過ごしください。
・先日に催されました企画コンペにおきましては、非常に貴重な時間を過ごさせていただきました。
・先日参加いたしました社内旅行におきましては、とても充実した時間を過ごすことができ、誠に感謝申し上げます。
このように「過ごす」という言葉を別の表現に置き換えて敬語表現とするか、あるいは「過ごす」という言葉をそのまま使い、その文中全体を敬語表現に置き換える形でかまいません。
楽しい時間を○○
この場合でも「楽しい時間を過ごさせていただきました」という表現が一般的にされ、相手への敬意をはっきり伝える姿勢で表現されます。この場合の注意点としては、あまり敬語がしつこくならないよう配慮しておくことです。
・楽しい時間をご配慮いただき、誠に感謝申し上げます。
・楽しい時間をご提供いただいたうえ過ごさせていただき
このように「いただき」が重複したり、必要以上の過度な敬語表現をしてしまうと、かえって相手にとってはそれほど印象が良くない場合もありますので、敬語表現は適度にとどめておくことも大切です。
「過ごす」の別の敬語表現例
・羽を休めております。
・ご堪能ください。
・ごゆっくりしてください。
・深く味わいください。
・お休みください。
・どうぞお楽しみください。
・存分にご賞味ください。
・まったりとしてください。
・どうぞ吟味ください。
・ご自愛ください。
・ご鑑賞ください。
・精進いたしております。
・邁進しております。
・尽力しております。
他にも多くの「過ごす」の別の敬語表現がありますが、一般的に認められる表現では上記の言い方になるでしょうか。
「過ごす」の英語表記と意味
英語では「have a good day(よい一日をお過ごしください)」をはじめ、「spend(費やす、過ごす)」、「pass(過ごす)」、「go through(過ぎる、過ごす)」、「tide over(切り抜ける、過ぎる)」、「devote(費やす)」などの言葉に置き換えられます。
「過ごす」の英語表現と意味
・Please have a good stay.
「ごゆっくりお過ごしください。」
・Please rest your wings slowly.
「ごゆっくり羽を休めてください。」
・Please spend your vacation slowly.
「休暇をごゆっくりお過ごしください。」
「過ごす」の正確な意味と敬語表現の用例をマスターしましょう
「過ごす」という言葉は、「生活する」や「楽しむ」にはじまり、「休む」、「堪能する」、「味わう」などといった別の言葉ですでに多く表現されており、特に「お過ごしください」という言われ方がされない限り、あまり「過ごす」という言葉を意識的に使うことは珍しいとも言えます。
別の表現例が多い「過ごす」という言葉だからこそ、その敬語表現例においても改めて見直して覚えることが大切で、この際の覚え方としては「実践的に学ぶ」という、実際に「過ごす」という言葉やその言い換えの表現を使った覚え方をすると効果的でしょう。