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「それとも」の敬語表現
今回は接続語である「それとも」の敬語表現について説明します。
「それとも」の意味
「それとも」は接続語ですが、どのようなシーンで使うかイメージすることはできると思いますが、どのような意味か説明できますか。「それとも」は副詞で「そうではなくて。あるいは。もしくは。(大辞林)」という意味で、同列の事柄を列挙して比較するときに使います。
「それとも」の敬語での使い方
ここでは基本的な敬語の種類と使い方について説明します。
敬語の種類
敬語には3種類あります。
丁寧語
丁寧語は、言い回しを丁寧にして、話を聞いている相手や文章の相手への敬意を表す敬語です。みなさんが普通に使っている、「です」「ます」「ございます」が3つの基本形です。自分と相手の立場は同等です。
また、接頭語の「お」「ご」「御(おん)」も丁寧語にする際に使われます。
例)
「お」お話、お名前、お年、お食事など
「ご」ご自宅、ご住所、ご検討など
「御(おん)」御社、御礼、御曹司など
謙譲語
謙譲語とは、敬意の対象に向かってする自分の行為やものごとを相手よりも一段下げて敬意を表す敬語です。丁寧語と同じで接頭に「お」「ご」「御(おん)」をつけることで相手に敬意を表すことが出来ます。また、言葉はそのものを言い換える方法があります。
例)
借りる→拝借する
聞く→拝聴する、拝聞する
与える→差し上げる
会う→拝謁(はいえつ)する
尊敬語
謙譲語とは、敬意の対象に向かってする自分の行為やものごとを相手よりも一段下げて敬意を表す敬語です。丁寧語と同じで接頭に「お」「ご」「御(おん)」をつけることで相手に敬意を表すことが出来ます。また、言葉はそのものを言い換える方法があります。
例)
借りる→拝借する
聞く→拝聴する、拝聞する
与える→差し上げる
会う→拝謁(はいえつ)する
使い方
先ほども書きましたように「それとも」は同列の事柄を列挙して比較するときに使います。今から様々な場面での「それとも」の使い方について説明します。
メールでの使い方
まず、メールでの使い方について説明します。
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メールの基本
メールの内容は宛先、書き出し、名乗り、本文(用件)、結び、署名の順番で書いていきます。
また、ビジネスメールのポイントとしては5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どうした)で書く、読点は多めにいれる、記号や罫線を使う、記述の順序を考える(重要な順に、緊急度の高い順に、結論から各論に、結論を示してから理由を、結果を示してから原因を、意見や意図を書き次に理由を、時間の流れに沿って)があります。
使い方
「それとも」は敬語ですので目上の人に使っても問題はありません。しかし、メールは文章ですので話し言葉である「それとも」は使わずに以下に紹介します「それとも」の類似表現の書き言葉を使うといいでしょう。
電話での使い方
次に電話での使い方について説明します。
電話の基本
電話の基本は、「電話のコールは3回以内で取る」「電話を保留する場合は、30秒以内にする」「社内の人間は呼び捨てにする」です。
ビジネスでは、基本的に電話は3回以上鳴らしてはいけないとされていて、相手を待たせるということは、ビジネスでは大きなマイナスポイントとなってしまことからきています。電話のコールが3回以上鳴らして(待たせて)しまった場合は、「お待たせいたしました」と、相手に不快な思いをさせないよう必ず一言お詫びの言葉を添えましょう。
また、ビジネスでの電話対応で保留にする場合は、相手を待たせるのは30秒が限度といわれています。もし、それ以上待たせてしまう場合は、あとから電話をかけ直すなどの対応をします。
社内の人間は「身内」になるので、電話対応の時は基本的に社員は全員呼び捨てにし、相手に対しては「お客様」「御社」などと相手を立てる表現を使います。また、自分自身や自分が所属している会社のことは「わたくしども」「弊社」などとへりくだった表現を使います。
使い方
メールとは異なり、電話は会話です。ですから「それとも」を敬語として使っても問題ありません。
対面での使い方
最後に対面の場合の使い方について説明します。
対面の基本
取引先の人を招いたときや、上司との会議の席などは、常に上座、下座を意識して行動するようにします。上座、下座を間違えると、相手に不快感を与えてしまう場合が多いのです。
◆応接室や会議室などの室内
上座⇒出入り口から遠い奥
下座⇒出入り口に一番近いところ
使い方
対面の場合も会話です。なので、電話と同様に「それとも」を敬語として使っても問題ありません。
「それとも」を敬語表現するときの例文
では実際にどのように「それとも」を使うのか例を挙げていきます。
コーヒーですか、それとも紅茶ですか。
午前ですか、それとも午後ですか。
あなたの本ですか、それとも私の本ですか。
車に乗りますか、それとも電車に乗りますか。
お姉さんですか、それとも妹さんですか。
以上のように二つのものを確認したり比較したりする場合に使います。
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「それとも」の別の敬語表現の例
敬語「それとも」には類似表現として「なお」「また」「その上」があります。以下に例文を紹介します。
「なお」
ある話の終わったあとで、さらに別のことを言い添えるのに用いる敬語です。
例)
なお、詳しくはお手元の資料をご覧ください。
なお、詳細は追って連絡します。
「または」
似通った二つ以上の事柄のうち、どれか一つを選ぶときに用いる敬語です。
例)
ペンまたはボールペンで記入をお願いします。
明日の天気は雪またはみぞれでしょう。
「その上」
前の事柄を受けて、それにさらにある事が付け加わることを表すときに用いる敬語です。
例)
明日は雨でしょう。その上、風も強いでしょう。
ランチを食べた後、コーヒーだけではなく、その上ケーキも注文した。
「それとも」の類語の敬語
「それとも」には他にも以下のような「もしくは」「それか」「あるいは」という敬語があります。以下に例文をあげます。
もしくは
どちらか一方を選択するのに用いる敬語です。
例)
リンゴジュースもしくはオレンジジュースをお願いします。
ショートケーキもしくはチョコレートケーキがいいです。
それか
「もしくは」と同様にどちらか一方を選択するのに用いる敬語です。
例)
コーヒー、それか紅茶、どちらがよろしいでしょうか。
車、それか電車、どちらで行きましょうか。
あるいは
二つのうちのどちらかということを表す場合は、「あるいは」を敬語として使います。
例)
多くの主婦が、外で働き、あるいは学習に励んでいる。
明日は雨あるいは雪になるでしょう。
使い分けのまとめ
様々な「それとも」に関係する敬語について見てきました。ここではそれぞれの使い分けについてまとめておきます。
「なお」は、ある話の終わったあとで、さらに別のことを言い添えるのに用いる敬語です。
「または」は、二つのもののうちの一方を捨てて一方だけをとる場合や、どちらでもよいという許容を表わす場合に用いる敬語です。
「その上」は、前の事柄を受けて、それにさらにある事が付け加わることを表すときに用いる敬語です。
「もしくは」は、複数のうち、そのいずれかを選ぶ場合に限って使われる敬語です。
「それか」は、「もしくは」と同様にどちらか一方を選択するのに用いる敬語です。
「あるいは」は、二者択一か両方同時に成り立つ場合に用いられるが、どちらでもよいという許容の場合はあまり用いられない敬語です。
書き言葉と話し言葉
これまで見てきた「それとも」と「それとも」の類似表現には書き言葉と話し言葉が含まれています。これらもきちんと理解して使い分けていきましょう。
書き言葉
「書き言葉」とは日常会話ではあまり使われず、主として文章を書くときに使われる語句です。「それとも」と「それとも」の類似表現で紹介してきた中には「なお」「または」「もしくは」「あるいは」が含まれます。
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話し言葉
「話し言葉」とは話したり聞いたり、音声によって伝えられる言語です。「それとも」と「それとも」の類似表現で紹介してきた中では「なお」「または」「その上」「もしくは」「それか」「あるいは」の全てが話し言葉として使えます。
その他の接続語
「それとも」以外にも順接の「だから」、逆接の「しかし」、理由の「なぜなら」、言い換えの「すなわち」などがよく使われています。これらの言葉の敬語についてもみていきましょう。
だから
「だから」は順接を表します。順接とは前の事がらが原因・理由となり、あとの事がらが結果・結論となることを示します。「だから」は「したがって」「そのため」を使うと敬語表現になります。また、「したがって」「そのため」は書き言葉としても話し言葉としても使えます。
例)遅刻しそうなんです。したがって、急いでください。
しかし
「しかし」は逆接を表します。逆接とは前の事がらから予想される結果とは逆の結果になることを示します。「しかし」はそのまま使いがちですが「しかしながら」と使うといいでしょう。他にも「それにもかかわらず」「とはいうものの」「けれども」「ところが」があります。また、すべて書き言葉としても話し言葉としても使えます。
例)私は猫派です。しかしながら、彼は犬派です。
なぜなら
「なぜなら」は前文に対する説明を表します。前の事がらについての説明を述べる場合に用います。「なぜなら」も「しかし」と同じようにそのまま使いがちですが「なぜならば」を使うといいでしょう。その他にも「というのは」という敬語があります。ことらも書き言葉としても話し言葉としても使えます。
例)自分は部長の意見に賛成です。なぜならば最も現実的なプランだと考えるからです。
すなわち
「すなわち」は言い換えを表す接続語で、前の事がらについて言い換える場合に使います。この他にも「つまり」や「要するに」という言葉もあります。「つまり」や「要するに」を使うよりも「すなわち」を使う方が丁寧な印象を相手に対して与えることが出来ます。「つまり」や「要するに」は話し言葉で「すなわち」は書き言葉としても話し言葉としても使えます。
例)試験科目は5科目、すなわち英語・数学・国語・理科・社会です。
接続語も大事
敬語を使おうと気を付けていると本文にばかり気を取られてしまいがちですが、接続語を敬語にすることもとても大切です。接続語が敬語でなかったために相手に「あれ?」と思われて「敬語が正しく使えない」という印象を与えてしまってはもったいないです。接続語も大事な言葉です。接続語の敬語もきちんと理解して正しく使えるようになりましょう。