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「聞いてくれてありがとう」を敬語で表すと?
友達が相手なら「聞いてくれてありがとう」とそのまま伝えるだけで充分ですが、目上の方や会社の上司にはそのまま伝える訳にはいかず、敬語で伝えるのが常識です。また聞いてもらう内容も日常生活のものからビジネスシーン独特のものがあります。そんな時に聞いてくれた内容や聞いてくれた相手に対して、その場面に適した敬語での「聞いてくれてありがとう」を正しく使い分けてみましょう。
尊敬語
「聞いてくれる」の尊敬語は「聞いてくださる」になります。「くれる」は相手が主体になるので尊敬語に当たります。さらに「聞く」という動詞の頭に「お」を付けることで、より丁寧な表現になります。
謙譲語
「聞く」の謙譲語は「伺う」「拝聴する」「お聞きする」ですが、これらは自分が相手の話を聞く場合に使用します。「聞いてくれてありがとう」は相手が自分の話を聞く立場なのでこれらの敬語は使用することができません。
「聞いてもらう」の「もらう」は自分が主体なので謙譲語に言い換えることができます。「もらう」の謙譲語は「いただく」になります。
丁寧語
主に語尾に「です」「ます」を付ける言い回しなので「聞いてくれてありがとう」は「ありがとう」に「ございます」を付け足すことで丁寧な言い回しになります。
ありがとうの敬語とは?
また「ありがとうございます」の前に「誠に」「本当に」「どうも」といった言葉を付け加えることで相手への感謝の度合いがさらに高まります。改まった席でのあいさつやメールやお手紙では「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」「深謝申し上げます」と言い換えて使用することもできるので覚えておきましょう。
「聞いてくれてありがとう」を敬語で使ってみよう
目上の方や上司からしても後輩や部下に話を聞いてほしいと持ち掛けられると、頼りにされてるなと感じたり、慕ってくれているなと嬉しく思う人も多いでしょう。そんな人生の先輩方に話をきいてもらったあとには、先輩方の経験に基づいた貴重なアドバイスや解決策のヒントを助言いただける可能性も大いにあります。
そういった自分より上の立場の方に聞いてもらった後には「聞いてくれてありがとう」という感謝の気持ちを敬語できちんと伝えましょう。
敬語の種類
また特にビジネスシーンでポイントとなるのは社内で使う場合の「聞いてくれてありがとう」と社外で使う場合「聞いてくれてありがとう」では、使う敬語の種類が変わってきます。社外の取引先やお客さまに対して、同じ会社に属する身内である上司のことを話す場合には使う敬語の種類が変わってきます。
ビジネスでの使い方
社外の方やお客さまが部長の話を聞いたときに「部長の○○の話をお聞きくださりありがとうございます」と表現するのは誤りになります。あくまで立てたい相手は社外の方やお客さまになるので、同じ会社の人間は上司であれ「部長の○○の話をお聞きいただいてありがとうございます」とへりくだりる謙譲語で表現します。
また社外の方やお客さまに対しては「部長の○○」と上司でも名字を呼び捨てするのはビジネスマナーなので上司に気を遣う必要はありません。
直接上司に敬語を使う場合は尊敬語や謙譲語を用いますが、社外の方やお客さまに身内である上司の話をするときは謙譲語を用います。
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メールでの使い方
口語ではそのまま「お聞きくださりありがとうございます」や「お聞きいただきありがとうございました」でも通用しますが、メールであれば聞いてもらった内容を入れるとより相手に伝わりやすいです。
「この間は私の悩みを親身に聞いてくださりありがとうございました」「先日は私の企画案をお聞きいただき心より感謝申し上げます」など何について聞いてもらったのかを具体的に述べることで、何に対して「聞いてくれてありがとう」と言っているのかが明確になり、より感謝の気持ちが相手に伝わりやすいです。
「聞いてくれてありがとう」を敬語で使うときの例文
プレゼン
聞いてくれたことに対して敬意を表す表現の「ご清聴ありがとうございました」を使うことが多いです。
せっかくプレゼンでいい内容を発表しても最後の表現を間違うとその場の空気が悪くなりかねないので、締めくくりのあいさつとして「ご清聴ありがとうございました」のフレーズは覚えておきましょう。
「聞いてくれてありがとう」の別の敬語は?
「ご清聴」と「ご静聴」は「ごせいちょう」と同じ読み方なのですが、意味が全く違うのでその違いをしっかり理解しておきましょう。
ご清聴
「ご清聴ありがとうございました」は日常的には使いませんが、主にプレゼンや研究の発表、結婚式のスピーチなどの締めの言葉として用います。
ご静聴
「聞いてくれてありがとう」という意味の敬語で「ご静聴ありがとうございます」と使った場合は「私の話を静かに聞いてくれてありがとう」と相手に対して偉そうな印象を与えかねませんし適切ではないです。
またプレゼンが始まる際に、ザワザワした開場で「ご静聴願います」と言うのは、静かにして話を聞く姿勢を取ってくださいという意味になるのでプレゼンを発表する当事者が使う言い回しではありません。
プレゼン発表者ではなく司会者や進行役がこの表現を使います。プレゼンする本人が「ご静聴願います」と伝えると、私の話を静かに聞いてくださいという失礼にもなりかねない印象を与えるので気をつけましょう。
拝聴の使い方
「聞いてくれてありがとう」を敬語で表そうとして「拝聴いただきありがとうございます」と誤って使うと、本来自分がへりくだる謙譲語を相手に対して使用していることになるので誤った敬語表現になり失礼に当たります。
さらに丁寧に伝えようとして「拝聴させていただく」と表現するのも間違った言い回しになります。「拝聴」は聞くの謙譲語であり「させていただく」は「もらう」の謙譲語なので、二重敬語に当たります。また「ご拝聴」と「ご」を頭に付けるのことも二重敬語になるので誤りです。
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「聞いてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えよう
目上の方には正しい敬語で感謝を伝えることで、聞いた側も聞いてあげてよかったなという気持ちになります。敬語は使わなければ自分のものになりませんし、何より「聞いてくれてありがとう」と言葉にして相手に伝えることが大切です。敬語の意味合いを理解し、感謝の気持ちが相手にしっかり伝わる敬語を使いましょう。