cms-import-tapbiz-wp

「見ましたか」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

[allpage_toc]

「見ましたか」の敬語表現

ビジネスシーンのやり取りでは、さまざまな場面で「見ましたか」と確認する機会があるでしょう。「見ましたか」と確認したい意向を敬語で表現するとき、「見る」という行動を起こす人に対する敬語なのか、「見ましたか」と確認する行動を起こす人に対して敬語で表現するのかについて、次の項目で説明します。

尊敬語

「見ましたか」と確認する場合、見る人が自分の上位に当たる人の場合は、「見る」という相手の行動を表す部分を尊敬語で表現します。「見ましたか」という質問形式なので、言い方を変えることがなければ「見ましたか」を敬語で言い表すのであれば、尊敬語で表現されることが大半と言えるでしょう。

謙譲語

謙譲語を使って「見ましたか」という問い掛けをしたい場合、自分の視点で問い掛ける形になるので、言い換えの表現「見てもらう」の質問に当たる「見てもらえましたか」に置き換えて適切な敬語を使う必要があります。その場合は、「もらえましたか」の部分を「いただけましたか」と謙譲語で表現します。

「見ましたか」の敬語での使い方

前の項目で、「見ましたか」と訊ねる敬語表現は、基本的には、相手が「見る」行動をとるため、尊敬語で表すと述べました。この項目では、さらに詳しく場面や見る対象別で「見ましたか」という聞き方の敬語表現を紹介していきましょう。

敬語の種類

見る対象をどの程度見るか、という違いから、「見ましたか」という質問の敬語表現が変わってきます。

見る対象になっているアイテムが、特に注視する必要のないものであれば、「見られましたか」より丁寧であれば「御覧になりましたか」と尊敬語で表現します。

見る対象にされているアイテムに注視する必要がある場合は、そのアイテムが文書の場合は「ご一読いただけましたでしょうか」と、相手を高めた尊敬語の表現で訊ねましょう。「ご一読」という訊ね方をすることで、内容の確認や理解を含めた認識を求めているというこちらの意向が伝わる聞き方になります。

よく見てもらいたいアイテムが文書ではないときであれば、「ご一覧いただけましたでしょうか」と、「ご覧になる」よりも少しかしこまった表現で聞いてみましょう。会話で「ご一覧」という表現を使うことはあまりないので、文書で確認するときに使われる敬語表現の1つとなります。

「ざっと見たかどうか」の意味での「見ましたか」の使い方

取引先の相手や上司と、他愛のない世間話や仕事と関係のない話題を楽しむことで、互いの人となりを理解し合うことができ、仕事も円滑に進行するようになった、という経験談をネットのブログやSNSで語られていることがあります。

例文:このドラマは、部長が毎週奥さんと見られていると仰っていたので、私も昨夜は見たんですよ。部長もご覧になりましたか。

この例文では、「部長が見る」ということについて、「見られている」と「ご覧になりましたか」の2種類の表現で敬語を使っています。最初の「見られている」については、以前に部長から「見ている」という言葉を受けて丁寧語の「見られている」という丁寧語で表現をし、後者は自分が部長を高めた形で尋ねるので「ご覧になりましたか」と尊敬語を使っています。

「注意深く見たかどうか」の意味を含んだ「見ましたか」の使い方

ビジネスの場で「見る」という意味に、確認する意味も含めた「見ましたか」と敬語で尋ねる機会が一番多いと言えるでしょう。次の例文は、口頭で述べるときにも、文書で伝えるときにも使える敬語表現になります。

例文:先にお配りした2枚目の資料をご覧いただけましたでしょうか。

上記の例文は、口頭で述べる、またはメールやチャット会議などで文章による問い掛けを想定しての文章になっています。眺めるだけでなく、内容確認の有無についての問い掛けも含めた「見ましたか」の敬語表現は、このような尊敬語で言い表します。

尊敬語の似た表現として、「ご覧になりましたでしょうか」などもビジネスの場で使えます。

メールでの「見ましたか」の敬語表現の使い方

メールを始めとしたビジネス文書は、多くの人に共有されることが多いでしょう。自分の上位に当たる取引先などの組織の中で、より上位の人が見る場合でも失礼のないよう、より丁寧な尊敬語となる敬語を使うほうがよいでしょう。

例文:先般お届けした商品の仕様書をご高覧いただいておりますでしょうか。

「ご高覧」は、口頭で伝える機会がない「見る」の敬語表現となります。口頭では堅苦しくなりがちな表現ですが、改まった文書などで「見ましたか」と訊ねるときは、「ご覧いただいておりますでしょうか」よりも丁寧でかしこまった「見ましたか」の敬語表現です。

「見ましたか」を敬語表現するときの例文

ここまでの各項目では、「見ましたか」と相手に問い掛けるとき、見る対象が何であるかによって、「見ましたか」に相当する敬語が変わる、と述べてきました。見る対象が何であるかのほかに、相手と自分の関係や、訊ねる場の雰囲気によっても「見ましたか」と訊ねる敬語の度合いが変わるときもあります。

イベントで参加者に問い掛けるときは丁寧語でもOK

[no_toc]

例文:オープニングのエキシビジョン、皆さん見られましたか。

この例文では、エンタメ系イベントの司会者がイベント参加者に「見ましたか」と問い掛ける場面を想定した文章です。もちろん、「ご覧になりましたか」でも失礼にはなりません。

しかし、エンタメ系のイベントでは、盛り上がりやスタッフと参加者の一体感も大切な要素の1つでしょう。丁寧すぎて場が盛り下がるようであれば、丁寧語の「見られましたか」のほうが却って気楽さを演出できるでしょう。

ビジネスの場では敬語で(謙譲語表現)

例文:こちらはお手元にお配りした資料の拡大画像ですが、資料はご一覧いただけていますでしょうか。

「一覧」には、よく使われる「簡略化させた複数の項目の箇条書き」という名詞としての意味のほかに、「一通り目を通す」という意味があります。

漠然と眺めるのではなく、詳細を理解するほどではないものの、一通り目を通すという意味で「ご一覧」と、相手を高める言い方で「見る」という行為を表現します。見て「もらう」のは自分なので、「いただく」という謙譲語で表します。

「見ましたか」の別の敬語表現例

ここまでの間に、「見ましたか」の敬語表現としてすでにいくつかの敬語表現を例に挙げて来ていますが、「見られましたか」という敬語表現を除くと、実際には別の単語で「見ましたか」を敬語で表現しているのがお分かりいただけているでしょう。

「見られましたか」という敬語は、相手を高める敬語表現として間違いではありません。しかし、「~られる」という表現には、相手を高める尊敬語としての意味のほかに、受け身の表現として、または可能であるという意味の表現としても使われるため、伝わりづらい表現とも言えます。この項目では「見ましたか」を別の単語の敬語で表現する例を挙げていきましょう。

見られましたか

例文:Aさんの展示作品はもう見られましたか。

「見ましたか」の敬語表現として、まずは「見られましたか」の文例を見てみましょう。話者は話し相手を最上位の人と受け止め、第三者でその場にいないAさんを自分と相手の中間と捉えて語っているため、「見られましたか」と、敬語の中の丁寧語で表現しています。

ご覧になれますでしょうか

例文:紙面の都合上、小さな文字になってしまいましたが、ご覧になれますでしょうか。

この例文では、「見ましたか」という意味を表していると同時に、「見ることが可能ですか」という意味も含んだ問い方の敬語表現になっています。このように、話の流れによっては、一言で2つの意味を同時に含む表現も可能です。

ご一覧くださいましたでしょうか

例文:お問い合わせの商品の詳細についてですが、webサイト上のページにあるリンク付きの商品リストをご一覧くださいましたでしょうか。

この例文は、問い合わせ内容が商品詳細に関するものだったため、相手に「リンク付きの商品リストを見ましたか」と、遠回しに詳細が公開されていることを知らせている文章です。

「ご一覧されましたか」や「ご一覧くださいましたか」という表現だと、人によっては非難されていると解釈をするリスクがあるので、「でしょうか」というやわらかな表現を付け加えた表現にしています。

ご確認いただけましたでしょうか

例文:先般メールでお知らせしました変更点をご確認いただけましたでしょうか。

この例文の場合の「見ましたか」には、ざっと眺める程度ではなく、変更点という注視が必要なことがらについての確認を含んだ問い掛けになるため、「見る」の尊敬語に当たる「見られる」「ご覧になる」などの部分を「ご確認」という表現で注視してほしいことも同時に伝えている文章になります。

ご観覧されましたか

例文:社長もあの作品の公開オーディションをご観覧されましたか。

見物するという意味を含んだ「見ましたか」という問い掛けには、「観覧」に丁寧語「ご」を添えた「ご観覧」という尊敬語がふさわしいでしょう。「する」を「される」という尊敬語で表す言い方が、話者の上位に当たる社長への正しい敬語での問い掛け方です。

ご鑑賞になりましたか

例文:この映画はお義父さんのお好みの内容なので、前売り券を手配しようと思うのですが、もうご鑑賞になりましたか。

この例文では、配偶者の父親への問い掛けなので、話者より上位の立場に当たる「お義父さん」に対して尊敬語で問い掛けています。

舞台や映画、美術作品など、芸術に関するものに対しての「見る」は「鑑賞」という別の言い方で表すことができます。

つい「ご鑑賞なさいましたか」としてしまいがちですが、「ご鑑賞」という表現が、相手を高めた敬語になっているため、「ご(お)~なさる」は二重敬語と呼ばれる敬語のルール違反になるため、上述のような表現になります。

「見ましたか」にはいろんな意味が含まれている

[no_toc]

ここまでで述べてきたように、「見ましたか」という言葉には、「見る」という行為そのものだけの意味でなく、「確認」や「検討」「楽しむ」などの意味も含めている問い掛けである場合もあるのだと感じられたことでしょう。

基本的に「見る」行動を取るのは相手なので、例文を読みながら、尊敬語で表現する場面が多いとも感じられたのではないでしょうか。

相手がもし見なかったとしても、それを非難するような言い回しにならないよう、その場に適した「見ましたか」という問い掛け方をすることで、お互いに円滑な情報共有ができる正しい敬語で「見ましたか」と問い掛けましょう。

モバイルバージョンを終了