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「難しいです」の敬語表現
この「難しいです」や「不可能」の旨を相手に示す場合の敬語表現となれば、どんな場合でもはっきりと「難しいです」、「できません」といった意志表明をする必要があり、それは敬語表現においても語形・口調を変えるものではありません。つまり「難しいです」という旨を敬語表現に置き換える場合でも、「難しいです」や「できない」という言葉を単刀直入に伝える形になります。
・自分には自信がございません。
・今のわたしの能力をもってしては難しいです。
・せっかくのご依頼ですが、お仕事が不十分になる可能性もあるため、ご辞退させていただきます。
・せっかくのお申し出ではございますが、今回は見合わせていただきます。
丁寧語
「難しいです」の敬語での使い方
・この度、ご紹介いただきましたお仕事ですが、現状のわたくしどもにはその達成が難しいです。
・せっかくのご提案ですが、現在のところ準備が整っておりませんので、ご辞退させていただきます。
・目下、別の案件に奮迅しておりまして、貴社さまのごニーズに沿うことは難しいです。
・誠に申し訳ございませんが、後日改めてということでよろしくお願いいたします。
他にもいろいろな「難しいです」や「できません」、「またの機会にお願いします」といった表現がありますが、どの場合でもはっきりと「できません」という旨を相手に伝えます。
敬語の種類
謙譲語は「相手と自分の立場や関係性を問わず、話者が自発的にその姿勢や立場を低めて敬意を示す敬語表現」を指し、これはビジネス上のやり取りでもプライベートでも多くの場面で使われています。
丁寧語は(先でも触れましたが)「不特定多数の人々に公示できる丁寧な言葉遣いによる敬語表現」を指し、主に「です・ます調」で綴られる敬語表現を指します。主にニュースのテロップやSNS(インターネットサイト)の宣伝広告などでも使われる、当たり障りのない敬語表現となります。
「難しいです」は敬語かどうか
・せっかくのお申し出ではございますが、今回はご辞退させていただきます。
・目下、弊社では別の案件に取りかからせていただいているため、お申し出の案件に取りかかることは難しいです。
・ぜひ次回にお引き受けさせていただきたく存じますが、いかがでしょうか。
このように「難しいです」という言葉をそのまま伝えたり、「難しいです」だけで終わってしまう表現をせず、少しでも相手の申し出や依頼をありがたく受け止める姿勢を示すことが大切です。
メールでの「難しい」という言葉の使い方
・ご依頼された案件につきましては、ぜひ後日に改めてお引き受けさせていただきます。
・非常に残念ではございますが、今回は見送らせていただきたく存じます。
・現在のところ少々ご依頼にお応えすることは難しいです。
・少々、困難な状態ではございます。
・せっかくお申し出いただきました案件ではございますが、ぜひ改めてご検討させていただければ幸いです。
このように相手への失礼がないようまず配慮しておき、少しでも「後日に改めてその申し出を引き受ける姿勢」を示しておくことが大切です。
ビジネスでの「難しい」の使い方
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「できないけれども何とか前向きに仕事をしていく姿勢」や、「難しいけれども、何とかプラスになるよう考慮して案件に取りかかる態度」がビジネスでは求められるため、何らかの仕事の依頼やオファーを受けた際には、できるだけ「難しいです」という言葉だけで終わらないよう注意しておくことが大切です。
「難しいです」を敬語表現するときの例文
・現在のところはその計画案の実践は難しいですが、それでも何とかできるよう考案して参りましょう。
・ただいまわが社の計画を持ちましては、ご依頼のお仕事の達成は難しいですが、ぜひ日を改めることによって、その実現に向けて精進して参ります。
・ぜひご依頼の案件をお引き受けさせていただきたく存じますが、現状を図ってみますと難しい局面をありまして、その難局を打開した後に取りかからせていただきたく存じます。
このように「難しいです」や「できません」という言葉、それらしいニュアンスを含む表現で終わらず、「その後に何とか実現に向けて達成いたします」という明確な意志を伝えることが大切です。
「難しいです」の別の敬語表現例
・現状を見計らった限りでは、ご依頼された案件をお引き受けさせていただくのは難しいです。しかし、現状の局面への打開策を講じさせていただき、何とかご依頼されました案件の実現へ向けて精進して参ります。
・現在のところは在庫がありませんので、ご依頼・ご要求に対応することは難しいです。しかし、後日に改めて入荷いたしますので、ぜひその折りにもう一度ご請求いただければ幸いです。
・ご依頼にお応えさせていただくことは、現在のところ難しいです。そのため、今後におきまして、ご依頼に沿えるよう尽力させていただきます。
「難しいです」と「厳しいです」の敬語の違い
しかし基本的な意味合いから見ると、「厳しい」という言葉には「まだその難局を打開する策略があるにはあること」を暗に示す言い方になり、「難しいです」という「できません」や「実現不可能」を表す言い方に比べて、比較的「その困難の度合い」を軽減した言い方になります。
そのため「どうしてもできない、対応しきれない」という旨を伝える場合には、「厳しいです」という言い方よりも「難しいです」と言った方が、相手にはその「不可能であること」の旨がはっきりと伝わります。
ビジネス上での「難しい」という言葉のニュアンス
ビジネス上で「難しいです」や「できません」という言葉は先でご紹介しましたように、「常に新しいことへ挑戦するビジネスの世界」ではタブーの表現ともなるため、あまりプラスのイメージで受け取られることはありません。そのため、できるだけプラスのイメージ(やる気のある姿勢)を相手に伝えるためにも、「難しいですが、その仕事の実現に向けて努力します」という前進的な姿勢を伝えることが大切です。
「難しいです」の英語表記と意味
「難しいです」の英語表現と意味(1)
・It is difficult to meet your expectations.
「ご期待にお応えするのは難しいです。」
・Talking about the current situation, it is difficult to accept your request.
「現在の局面を見計らった上で言えば、貴社のご依頼をお引き受けするのは難しいです。」
・Because there is no stock, it is difficult to respond to your request.
「在庫がございませんので、ご要求にお応えすることは難しいです。」
「難しいです」の英語表現と意味(2)
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・It is a pleasant present, but it is difficult for us to respond to your request.
「せっかくのお申し越しではございますが、弊社ではご要望にお応えさせていただくことは難しいです。」
・It is difficult to accept the job you requested but I will change it later and I would like to take the job of your request. “
「ご依頼されましたお仕事をお引き受けすることは難しいですが、後日に改めまして、ぜひご依頼のお仕事をお引き受けいたしたく存じます。」
「難しいです」の英語表現と意味(3)
・Under present circumstances it is tough for us to accept it, so I will withhold it.
「現状ではお引き受けさせていただくことは厳しいですので、ご辞退させていただきます。」
・It is a very grateful request, but we currently lack the ability to do so, I hope that you can decide at a later date.
「非常にありがたいご要望ですが、現在のわたくしどもにはそれへの能力が不足しておりますので、後日改めてということにしていただけると幸いです。」
「難しいです」の敬語表現を完璧に習得しましょう
「難しいです」という言葉や表現はビジネスの世界ではあまり好まれず、「難しいです」という旨を伝えた後でも「何とかそのご依頼のお仕事に向けて尽力します」といった、プラスのイメージを相手に与えることが大切になります。
しかし、「どうしてもできないこと・達成や実現が難しいこと」については、はっきりと「不可能です」といった意志表示をすることも大切で、これらの意志表明の仕方については場面や状況によって異なってきます。