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「お口に合ってよかったです」の敬語表現は?
しかし「お口に合ってよかったです」は友人などには使えますが、目上の人に使うには、やや敬語のレベルが足りず、また稚拙な印象を与えます。なぜならこれは、丁寧な敬語の形にはなっていますが、ビジネスやその他改まった場面では、表される敬意が足りない、敬語レベルが低い言葉だからです。
ではお口に合ってよかったです、のふさわしい敬語の表現はどんなものなのでしょうか。
丁寧語です
お口に合ってよかったですは、接頭語の「お」をつけた「お口」で「好み」や「嗜好」を表し、好みと一致したことを表す「合う」に、丁寧語の「です」文末にして、「お口に合ってよかったです」すなわち「美味しいと言ってもらえて安堵しています」という感謝を示す丁寧な敬語にしています。
しかしビジネスで使う敬語としては、敬語レベルが足りないため、「お口に合ってよかったです」ではなく他の言葉に言い換えて用いる必要があります。またお口に合ってよかったですは、口頭で使うことがほとんどですので、お口に合ってよかったですを文章で使う場合はふさわしい敬語の形にして用いることが望ましいです。
「お口に合ってよかったです」の敬語での使い方は?
友人や知人、同僚などなら「お口に合ってよかったです」で十分返答になりますが、上司や目上の人の場合には、この表現がふさわしいのか考えてしまいます。
「お口に合ってよかったです」と声に出してみるとわかるとおり、やや稚拙な印象を受けます。なぜならこれは、丁寧な敬語の表現ですが、敬語のレベルが目上の人に使うにはやや不足しているからです。
敬語の種類は丁寧語
結論から言えば「よかったです」は敬語にはなりません。「よかった」に丁寧語である「です」をつければ敬語、というわけではなく、本来は「ようございました」や「よろしゅうございます」が「よかったです」の正しい敬語の形になります。
しかし「ようございます」「よろしゅうございます」は、ビジネスであってもあまり用いることのない、どちらかと言えば堅苦しい敬語表現です。そのため改まった場面や上司などに用いる時には、「お気に召していただきましてありがとうございます」や「喜んでいただけて何よりでございます」など、その場面に合わせた返答を用いましょう。
こう使います
お口に合ってよかったですは、「美味しかった」「もう一度食べたい」などのプラスの感情に対する返答なので、「ありがとう」と言われただけなら、「どういたしまして」や「喜んでいただけたら幸いです」などの当たり障りのない返答でいいでしょう。
例文
相手:「この間いただいたクッキー、とても美味しかったわ。どこで手に入るのかしら」
自分:「お口に合ってよかったです。あれは〇〇というお店の限定品なんですよ。」
相手:「この間クッキーをいただいてどうもありがとうございます」
自分:「お口に合うかどうかわかりませんが、召し上がってください」
メールでの使い方は?
また食べ物を送った時に添える文章では、少し形を変えて「お口に合うかどうかわかりませんが、召し上がってください」や「ご笑納ください」「ご笑味ください」などへりくだった敬語の形にします。
「ご笑納」「ご笑味」は「笑って納める(受け取る)」「笑って味わう」という謙遜の言葉です。「笑ってしまうほど粗末なものですが」という遠回しな意味があり、「心ばかりのものをお送りしました。ご笑納ください」と使います。ただし、これれは「葬儀」や「法事」などの不幸に関する贈り物には絶対に使ってはいけません。
「お口に合ってよかったです」を敬語表現する
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お気に召していただきましてありがとうございます
[例文]
相手:「この間いただいたクッキーとても美味しかったわ。ありがとう」
自分:「お気に召していただきましてありがとうございます」
喜んでいただいて何よりでございます
「何より」は「一番良い」というニュアンスで使われます。「一番よかったです」だと、やや上から目線の言い方ととられてしまう場合もあるため、「何よりも」を用いて、控えめな表現にします。
何よりは「よっかた」「安心した」「嬉しい」などプラスの気持ちを強調することに使え、また「何より〇〇です」の〇〇に入る言葉が見つからない場合には、ただ「何よりです」と使うことができます。
[例文]
相手:「この間いただいたクッキー、とても美味しかったわ。ありがとう」
自分:「喜んでいただいて何よりです」
別な「お口に合ってよかったです」の敬語
お口に合いますかどうか
お口に合いますかどうかをもっとへりくだると「お口汚し」になります。「お口汚しにいかがかと思いまして、お持ちしました」と自分の持ってきた食べ物を「口を汚すもの」としてへりくだり、控えめに表現する方法です。
例文
相手:「いらっしゃい。今日は楽しんで行ってね」
自分:「お招き有難うございます。これは私の地元の特産品です。お口に合うかどうかわかりませんが、どうぞ召し上がってください」
相手:「いらっしゃい。今日は楽しんで行ってね」
自分:「お招き有難うございます。これは私の地元の特産品です。お口汚しにいかがかと思いましてお持ちしました。どうぞ召し上がってください」
心ばかりのものですが
同じ使い方に「つまらないものですが」がありますが、心の機微を読むのが今よりの柔軟だった一昔前では、十分謙遜を表す言葉として活躍していましたが、この頃は「つまらないものを渡すのか」と怒り出す人もいると言います。
そのため、「つまらないものですが」「粗末なものですが」とへりくだることなく、「気持ちを込めて考えました」というニュアンスの「心ばかりのものですが」を用いると良いでしょう。
また、食べ物なら、「甘いものがお好きだと伺いましてお持ちしました」などと婉曲な表現を避けて素直に伝えても良いでしょう。
お口に合ってよかったです
贈り物をする時にはどんなものが良いのか、どんな嗜好なのか悩みます。特に食べ物は嗜好が別れるところです。また限定品などの普段は手に入らないお店のものなどは「相手に食べさせたい」と望んで手に入れます。
その悩んだり、望んで贈ったものが相手の好みに合致したときの嬉しさは皆が経験あることでしょう。その嬉しさを「お口に合ってよかったです」や「喜んでもらえて何よりです」と短い言葉で表現することで「品のいい人」という印象を残すことができます。