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「もしくは」の敬語表現
「もしくは」の敬語表現とは、どのようなものがあるのでしょうか。通常、敬語表現に視点を当てて語句を調べる際に、目的に合った敬語の用法に則って使用しますが、今回の「もしくは」は接続詞です。これはつながっている2つの語句や文章を、文意に沿ってまとめる働きをします。接続詞は文章の流れを形作る役割を果たし、文章の方向指示器とも表現されます。
「もしくは」を接続詞としてみる際、接続詞としての使い方も無視できません。接続詞は文章の流れを作るのに必要ですが、多すぎると読みづらい文章になります。また「もしくは」が指示する語句についても明確にする必要があります。さらに読みやすい文のリズムを心がける事も重要です。
「もしくは」を様々な場面で敬語表現する場合、敬語表現のポイントは接続詞としての特性をおさえる事にあります。ここからはより詳しく「もしくは」の敬語の使い方を掘り下げます。
「もしくは」の敬語での使い方
「もしくは」の敬語の使い方を見ていく前に、この「もしくは」の語句の意味について整理しておきましょう。「もしくは」は「若しくは」とも表記され、どちらか一方を選択するのに用いる事を指し、もう一つの意味としてひょっとして、あるいは、もしかしたらといった可能性を含む意味合いもあります。
この「もしくは」を敬語で使う時の注意点として、選択する物の範囲が厳密に決まっています。例えば「もしくは」の指す範囲は複数あるうちのいずれかを選ぶといった意味合いがあります。つまり、選択肢のうちいずれかを選べば条件を満たすことになりますが、こちらが意味を正しく把握して伝えても、相手が正しい知識を持っているとは限りません。
以上の点を踏まえて、ここからはそれぞれの場面での「もしくは」の敬語の使い方について説明します。
敬語の種類
敬語の種類については、丁寧語、尊敬語、謙譲語の用法に従って用いますが、この用法は動作を表す言葉に対しての変化の用法です。これに対して「もしくは」は接続詞のため、この敬語の用法はあてはまりません。ただし、「もしくは」という言葉は意味が明確に定義されているため、敬語表現とは異なる意味で通用します。
つまり正式な言葉を必要とする場面の契約書の交付や、法律用語でも「もしくは」の語句は使われており、ビジネス上重要で、なおかつ必須の語句でもあります。「もしくは」を敬語の必要な場面においては、その敬語の種類よりもむしろ言葉の意味を正しく知ることが重要です。
使い方
「もしくは」の敬語ならびに様々な場面での使い方について説明します。この語句は、上記で紹介したビジネス上でも使われる頻度は高い語句ですが、限定された場面での使用が多いため、仕事で関わっている人全てに言葉の意味が浸透しているとは限りません。
まとめると、「もしくは」の使い方は意味を把握して正しく使い、「もしくは」の意味をあまり知らない人にも丁寧にわかりやすく伝える事が基本となります。
メールでの使い方
「もしくは」のメールでの使い方を見ていきます。メールで伝える場合、相手の反応がリアルタイムでは判らないので、誤解のないようにわかりやすくはっきりと書く、また長文にならないように注意するといった点がメールでの「もしくは」の使い方の基本となります。
また「もしくは」の語句はどちらか一方を選らんでもらう場合に使う言葉なので、その「どちらか」に該当する指示語を明確にする必要があります。なお漢字表記で「若しくは」と記述するのを見かけますが、意味や使い方は同じです。一般的に法律の条文では漢字表記です。メールのような文書で連絡する際には、相手に分かりやすい方を使い分けるようにしましょう。
ビジネスでの使い方
「もしくは」のビジネスでの使い方について解説します。「もしくは」の類語は「あるいは」、「又は」などがありますが、ビジネスなどの公的な場面では、明確な言葉の使い分けが要求される場合があります。例えば法律用語としての上記の言葉は別物として扱われ、契約書の書面においては「あるいは」は使われません。
これはそれぞれに理由があり、法律関係の場合はあらかじめ支持する語句の範囲が「又は」と「もしくは」で異なり、その異なる点を知った上で交渉したり文書での取り交わしが行われているためです。契約書関係では「あるいは」の語句は2つのうち2択、または両方という意味を指し、誤解の許されない契約書では使用を好まれない面があるからです。
敬語の使い方を知る事よりも、専門用語としての語句の使い方をおさえておく事がビジネスでは重要となります。
「もしくは」を敬語表現する時の例文
ここからは「もしくは」が敬語表現する時の例文を紹介していきます。ここまで見てきた「もしくは」の使い方をまとめると、接続詞なので同じ表現の語句が多すぎるとくどくなる印象になるので多用はひかえる、専門分野での用語として用いる場合はまず正しい使い分けを心がけるといった点です。言い換えると、表面的な表現にならないように注意する必要があります。
例「この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」この文では「及び」にかかる部分が並列の関係でひとまとめにし、さらに別の「もしくは」で「この法律」の語句と合わせて、ひとまとめの文章に構成されています。
ここで紹介する敬語の例文は、敬語の定義をより拡大して相手に誤解や摩擦を生まないような配慮や心遣いとしての敬語表現と定義しています。
「もしくは」の別の敬語表現例
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ここからは「もしくは」の別の敬語表現例を見ていきます。「もしくは」の語句自体は知っていても、他の語句と比較して意味を使いこなすことはあまりないのではないでしょうか。一見同じような語句でも調べてみると意外と違う定義の場合もあります。
次では「又は」と「さもなければ」の二つについて説明します。
又は
「又は」についての敬語表現を、例文を使って説明します。この語句は2つのうち一方を捨てて、一方を選択する場合の言葉です。意味合いとしてはどちらでもよく、許容のニュアンスも含まれています。例「株主Aまたは譲受人Bは、譲渡の承認を会社に請求します」上記の例文の中で、譲渡承認の請求ができるのはA、Bのどちらでも良い事を示しています。
「もしくは」との意味の違いは、「又は」が指す「どちらか」の指示語が単数であるのに対して「もしくは」の指す「いずれか」は複数である点です。より大きな概念をまとめて一つの文章につなげるのが「もしくは」の役割と言えます。
さもなければ
「さもなければ」について説明します。この語句の意味はもし~でなければ、といった意味を指す言葉で、実はこの言葉は接続詞ではなく副詞になります。副詞は動詞を修飾するので文章のつなぎには用いません。そのため「AもしくはB」といった使い方はなされない事になります。例「急ぎましょう、さもないと遅れますよ」
敬語表現としても相手に指示や命令に近い呼びかけで始まり、ネガティブなことを想起させてけしかけるという意味合いなので、一般的な敬語としては不適当で、「もしくは」のような文章のつなぎの役割も果たしていません。このように二重の意味で間違えやすい語句として、ここで紹介しました。
「もしくは」の類語の敬語
ここでは「もしくは」の類語の敬語表現を紹介します。類語とは似ている意味の単語という意味ですが、同一でない以上、「似ている」とは言い換えれば違う面もあるということも意味します。それぞれの語句にどこが同じでどう違うのかを見ていきましょう。
あるいは
複数のうちでの一つ選択を表す意味をさします。他の使い方は同じ事柄を列挙して挙げる場合に用いられます。またある事態がおこる可能性を指す意味もあります。「もしくは」と同じ点は複数から一つを選択する所ですが、厳密には「あるいは」の指示語は同類の場合に使われます。例えばドーナツやケーキなどのお菓子のくくりやお茶、ジュースなどの飲料つながりなどです。
同じ種類から一つ選ぶ際の表現は「あるいは」を使い、複数の種類から一つ選ぶ際は「もしくは」を使い分ける形となります。
ないし
「もしくは」の類語に「ないし」があります。これは意味としては「もしくは」「又は」と同じで二つのうち一つを選ぶ際の表現ですが、この語句の持つ固有の意味として、数量などの上下、前後の範囲を定めて、中間を省く使い方があります。
また一つを選択する意味で使う場合と、その範囲までを含む意味合いで使う場合の2種類があり、この点が「もしくは」と異なります。基本的に会話などの口語表現というよりも文書での表現に多く用いられます。
それとも
国語上の類語の表現ですが、ここで「もしくは」と同じ印象を持つ「それとも」について見ていきます。この「それとも」は接続詞で、「または」「あるいは」と同じ意味を持つ語句ですが、違う点として、話し言葉限定の疑問文で使われます。例として「入場は後ろからですか、それとも前からですか」などで問いかけの部分に限り用いられる言葉です。
「もしくは」とおなじ意味で品詞も接続詞も共通していながら、使う場所が限定されているという珍しい語句です。類語でも使う場面が異なる語句があるということは、知識として押さえておきましょう。
および、ならびに
「もしくは」の国語上の類語ではありませんが、似た印象を持つ「および」、「ならびに」の語句について、比較と例を交えながら解説していきます。この「および、ならびに」は「もしくは」と同じ接続詞で、複数の異なる事柄を列挙したり、他の物を最後に加えたりする場合に使われます。
複数を列挙して文章のリズムを作り出す点では「もしくは」と同じですが、これらの語句は一つを選び出す意味を持ちません。また「および」「ならびに」は意味や使い方の区別はありませんが、法令用語などでは小さい部分のつなぎに「ならびに」を用い、最後のまとまり部分に「および」を使う場合が多いです。
「もしくは」を上手に使おう!
「もしくは」についての敬語表現を紹介しました。敬語はです、ます調を使っているだけで満足してもそれより先の上達は見込めません。また使う語句の正しい意味を把握していないと、場合によっては思わぬトラブルにもつながりかねません。
厳密な意味の違いの意味について、相手に分かりやすく伝える努力も怠らないようにしましょう。