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まずは敬語について復習しよう!
敬語は3つの種類に分類できる!
「尊敬語」とは相手を敬った表現方法で、目上の方の動作・行為について使われます。「謙譲語」はへりくだった敬語で、自分を下に置いて間接的に相手を高めた表現になります。「丁寧語」は文末に「です・ます」がついた一番馴染みのある敬語です。
「尊敬語」は目上の方にしか使えないのに対し、「謙譲語」は自分や身内(目下の人)の動作・行為を表す際に用いられるほか、語によっては目上の方に使えるものもあります。また、「丁寧語」は目上・目下関係なく、誰に対しても使える敬語です。
「手伝い」の敬語表現はどうなる?
それでは「手伝い」の敬語について、尊敬語、謙譲語、丁寧語でそれぞれご説明します。この「手伝い」そのものの敬語ではなく、「手伝いする」にして考えれば分かりやすいです。
尊敬語は「~なさる」
目上の方が「手伝いをする」という状況を言う際に「お手伝いなさる」と尊敬語で表現します。
謙譲語は「~いたす」
普通はこの謙譲語の最後の部分は丁寧語で表現されます。つまり、「お手伝いいたします」が一般的に使われる謙譲語としての形です。覚えておきましょう。
丁寧語は「~する」
「手伝い」の敬語はどう使ったらいい?
それでは、次は使い方について見ていきます。
基本的な使い方はこれ!
つまり、「お手伝いなさる」は上司やお客さま、取引先企業など、自分より立場が上の人の場合に使われる敬語表現です。「お手伝いいたす(いたします)」は、自分が目上の方に向けて言う時に使われる表現ですが、それだけでなく、身内や目下の人の行動を表す際にも用いることができます。
また、「お手伝いします」は誰にでも使える便利な敬語です。目上の方でも目下の人でも、自分と同等の人でも、誰に対して使っても大丈夫です。
ビジネスでの使い方は?
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まず、尊敬語は目上の人の行動を表す敬語なので、上述したように、上司やお客さまなどが「手伝いしている」という行為について述べる時には「お手伝いなさる」を用います。ですが、実際のビジネスシーンにおいて、この表現をすることはあまりないでしょう。
実際のビジネスシーンでは、「自分が手伝いをする」「(自分が)手伝ってもらいたい」という場合がほとんどです。これを敬語表現したい場合、自分の行動について表す場合に使われる敬語は謙譲語なので、「お手伝いいたします」(または丁寧語「お手伝いします」)を使って敬語表現しましょう。
依頼文での使い方は?
一方、先輩や上司にお願いしたくても言いにくいと感じる人は多いです。そんな時、適切な敬語が使えたら、相手に不快感を与えないので、上司も快く引き受けてくれることでしょう。ポイントは謙譲語を使った表現です。
「〜していただけませんか」と疑問形にするとより丁寧な表現になります。「いただく」は「もらう」の謙譲語なので「〜してもらいたいんですけど」というニュアンスになります。例文は後述しますので、そちらを参照してください。
その時によって適切な語に変換を!
「手を貸していただけませんか」や「お力添えをいただきたく存じます」を使います。これらも「手助けする」という「手伝い」と同じような意味を持っています。ビジネスシーンにおいては、「手伝っていただけませんか」と素直に言うよりも「手を貸していただけませんか」「お力添えをいただけませんでしょうか」などの表現の方がより丁寧です。
メールでの使い方は?
ですが、これもメールなどの書面で「(目上の方が)お手伝いなさる」と表現することは少ないでしょう。上述しましたが、多くは「自分が手伝いすることを述べる」か「手伝ってほしいと依頼する」のどちらかです。
ですので、目上の方には「○○の件は私もお手伝いいたします」や、依頼をする際には適切な語に変換して「手を貸していただけませんか」などと表現します。目下の人に向けては「お手伝いします」、依頼する場合には「お手伝いしましょうか」でOKです。
【例文】「手伝い」の敬語表現
以上を踏まえて、例文をいくつかご紹介します。
自分が部下の手伝いをする時は?
「何かお手伝いできることはありますか」
「何かお手伝いしましょうか」
「私も○○のお手伝いをします」
また、目下(もしくは同等)の人に対しては「手伝い」の部分を「サポート」と言い換えてもいいでしょう。ただし、この「サポート」はメールなどの書面ではなく、口頭で使用するようにしましょう。メールなどの書面においては堅苦しい言葉の方が好まれます。以下、例文です。
「サポートしますので、指示してください」
「サポートは必要ですか」
「サポートが必要な時は言ってくださいね」
自分が上司の手伝いをする時は?
「何かお手伝いいたしましょうか」
「お手伝いできることがございましたら、何なりとお申し付けください」
「○○のお手伝いいたしますので、ご指示ください」
「手伝ってほしい」と依頼する場合は?
上司に依頼する場合の例文は以下のとおりです。
「お手伝いしていただけませんか」
「お手伝いしていただけますと幸いです」
「お力添えいただけないでしょうか」
部下に依頼する場合の例文は以下のとおりです。
「手伝ってもらえませんか」
「手伝ってもらえると助かります」
「手伝い」の別の敬語表現例はある?
上述しましたが、「手伝い」の代わりに「お力添え」や「尽力」を使うことができます。「力添え」は「助ける・援助」という意味があり、「尽力」とは「(ある目的のために)力を尽くすこと」です。
これらは目上の方に依頼する時以外にも、手伝ってもらったお礼を述べる際にも用いることができ、自分が上司を助ける場合にも使える便利な言葉です。以下で例文を挙げてみます。
「ご尽力賜り、誠にありがとうございました」
「お力添えをいただき、心から感謝申し上げます」
「○○の件、私も尽力いたします」
「微力ながら、力添えさせていただきます」
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類似の表現なら「協力」と「支援」!
「協力」や「支援」も「手伝い」と同じような意味で使うことが可能です。誰かの手伝いをするということは、その人に協力や支援をすることと同義なので、同じように使えます。
依頼したい場合には、「ご協力いただけないでしょうか」や「ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします」と表現することができます。「支援」も同様で「ご支援、よろしくお願いいたします」「ご支援いただけますと幸いです」などに言い換えることができます。
また、お礼を述べる際にも「ご協力いただき、心より感謝申し上げます」「ご支援くださいまして、誠にありがとうございます」などと表現します。
適切な使い方をして印象UP!
自分が上司に「手伝い」について言う時に「お手伝いいたす(いたします)」と表現します。一方、部下や同僚などの目下・同等の人に対して言う場合には丁寧語の「お手伝いします」でOKです。
この「手伝い」だけに限った話ではありませんが、敬語は使う相手、言い回し方など、正しい敬語を使いましょう。正しい敬語を使うためには、しっかり勉強して、実践することが大切です。分からないことがあったら、上司に聞いてみるのもいいでしょう。
もし万が一間違った敬語を使ってしまうと、相手からの印象が悪くなってしまいます。逆に正しい敬語が使える人はかなり印象が良いです。なので、普段から「正しい敬語」を意識して使うようにしましょう。