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「贈る」の敬語表現
目上の人が何かを贈ってくれた場合、または自分が何かを贈ることを目上の人に話す場合に「贈る」を正しく敬語で言えるでしょうか。「贈る」はどのように敬語で表現するのでしょうか。
まずはじめに「贈る」の敬語表現について丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つに分けてご紹介していきます。
お贈りします
「贈る」の丁寧語「お贈りします」という敬語表現を用いた例文をいくつかあげていきます。
「記念品をお贈りします。」
「感謝状をお贈りします。」
お贈りになる・贈られる
尊敬語は贈ってくれる人に対して敬意を示す敬語表現なので目上の人が贈ります。実際に贈ってくれる人である目上の人に敬意を示さなければいけません。尊敬語の敬語表現の「お~になる」や「~られる」という尊敬語の敬語表現を利用して「お贈りになる」や「贈られる」とします。
「贈る」の尊敬語「お贈りになる」や「贈られる」を用いた例文をあげます。
「関係各所にお歳暮はもう贈られましたか。」
「プレゼントをお贈りになった。」
お贈りする・お贈りいたします
謙譲語は自分が何かを贈るという動作をへりくだって表現することで相手に敬意を示します。そのため人に何かを贈るのは自分自身になります。
「贈る」を謙譲語にするには謙譲語の敬語表現「お~する」や「いたす」をつけて「お贈りする」や「お贈りいたします」とすることで謙譲語にすることができます。
「贈る」の謙譲語「お贈りする」や「お贈りいたします」を用いた例文をあげていきます。
「先方へ感謝状をお贈りする。」
「感謝の気持ちを込めてこれらをお贈りいたします。」
「贈る」の敬語表現には「お」がつく
たとえば「ご確認」や「ご協力」、「お引っ越し」や「お返事」などのように「お」や「ご」をつけて丁寧な敬語表現になる言葉はたくさんあります。「贈る」にも「お」をつけて「お贈り」とすることで「贈る」というよりも丁寧な印象の敬語表現になります。
「贈る」の敬語での使い方
敬語の種類
丁寧語「お贈りします」は「贈る」に丁寧語の表現である「です、ます、ございます」などを使って丁寧に話をすることで話し相手に敬意を示す敬語表現です。
尊敬語「お贈りになる」や「贈られる」は自分が何かを贈るのではなく、目上の人が何かを贈ってくれることに対して敬意を示します。
謙譲語「お贈りする」や「お贈りいたします」は自分が何かを贈ることをへりくだって表現することで相手を持ち上げて敬意を示す表現です。
使い方
「贈る」の使い方としては丁寧語「お贈りします」では丁寧さはあまり高くないですが、何かを贈るということを目上の人に敬語を用いながらシンプルに伝えることができます。
「贈る」の尊敬語「お贈りになる」や「贈られる」を用いると敬意をはらうべき目上の人が何かを贈る場合に使うことができます。目上の人が何かを贈るということ対して敬意を示すことができます。
「贈る」の謙譲語「お贈りする」や「お贈りいたします」は自分が何かを贈るということをへりくだって表現することで相手に敬意を示すことができます。
メールでの使い方
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まずは「贈る」の丁寧語「お贈りします」を用いた例です。
「いつも当店をご利用いただきましてありがとうございます。4月生まれの方々に当店からのささやかなプレゼントといたしましてお誕生日クーポンをお贈りします。」
続いて「贈る」の尊敬語「お贈りになる」や「贈られる」を用いた例です。
「取引先に何かお贈りになるとお伺いしましたが、今百貨店にいますので何かお菓子など買っておきましょうか。」
最後に「贈る」の謙譲語「お贈りする」や「お贈りいたします」の例です。
「日頃の感謝の気持ちを込めてささやかではございますが本日付けでプレゼントをお贈りいたしました。」
「贈る」を敬語表現するときの例文
今回は別れのときなどによく使われる「贈る言葉」の敬語表現についてとりあげていきます。「贈る」という言葉は感謝の気持ちを伝えるときに使われます。なので「贈る言葉」は感謝の言葉になります。
感謝の気持ちを言葉にして贈るとき、「贈る言葉」を敬語で言うときにはどのように言うのでしょうか。例文をあげながらご紹介していきます。
贈る言葉
よく送別会や卒業式で「贈る言葉」という表現を聞くことがありますが、目上の人に言葉を贈るときにはどのような表現が用いられるのでしょうか。
ここでは贈る言葉の例文をいくつかご紹介していきます。
「短い間ではありましたが、いろいろご指導いただきましてありがとうございました。新天地でのご活躍をお祈りしております。」
「今まで大変お世話になりました。いつもご指導していただいたり、アドバイスをしていただきとても感謝しております。お会いできなくなるのは残念ですが、またお近くにお越しの際はお食事でも一緒に行きましょう。」
「贈る」の別の敬語表現例
送る
ただし「贈る」は特に感謝の気持ちを「贈る」ときに使われるのに対して、「送る」は感謝の気持ちかどうかは別にして何かを「送る」ときに使われます。
たとえば丁寧語「お贈りします」は「送る」を用いると「お送りします」となります。「粗品をお贈りしました」は「粗品をお送りしました」と言うことができます。
尊敬語「お贈りになる」や「贈られる」は「送る」を用いると「お送りになる」や「送られる」となります。「感謝状をお贈りになる」は「感謝状をお送りになる」と言い換えることができます。
最後に謙譲語「お贈りする」や「お贈りいたします」は「送る」を用いると「お送りする」や「お送りいたします」となり、「プレゼントをお贈りする」は「プレゼントをお送りする」と言い換えられます。
進呈する
ただし「贈る」は特に感謝の気持ちを「贈る」ときに使われるのに対して、「進呈する」は感謝の気持ちかどうかは別にして何かを目上の人に差し上げるときに使われます。
たとえば丁寧語「お贈りします」は「進呈する」を用いると「進呈します」となります。「粗品をお贈りします」は「粗品を進呈します」と言うことができます。
「進呈する」自体が目上の人に何かを差し上げるという意味の謙譲語の表現になるので、「進呈する」こと自体を敬う尊敬語はご紹介しません。
最後に謙譲語「お贈りする」や「お贈りいたします」は「進呈する」を用いると「進呈いたします」となり、「粗品をお贈りする」は「粗品を進呈いたします」と言い換えられます。
贈呈する
「贈る」は特に感謝の気持ちを「贈る」ときに使われるのに対して、「進呈する」と同じように「贈呈する」は感謝の気持ちかどうかは別にして何かを目上の人に差し上げるときに使われます。
敬語表現も「進呈」を「贈呈」に変えて同じように使えます。ただし「進呈」の方がより軽い印象になり、「贈呈」とすると花束贈呈などのように少し畏まった印象になります。
正しい敬語で贈ってよろこんでもらいましょう
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「贈る」の敬語表現はこれまで取り上げてきたように「贈る」に「です、ます、ございます」をつけると丁寧語になります。
「お贈りになる」や「贈られる」のように「贈る」に「~られる」、「お(ご)~になる」をつけると尊敬語になります。
また「お贈りする」や「お贈りいたします」のように「贈る」に「いたす(自分が何かをする場合)」、「~していただく(何かを相手にしてもらう場合)」をつけると謙譲語になります。
贈る側の自分を下げる場合は謙譲語、贈ってくれる相手を持ち上げる場合は尊敬語となり、誰を敬って誰を下げるのかによって「贈る」の敬語表現は変わってきます。
人に何かを贈るような場面でも正しい敬語を使って、せっかく贈り物をするのですからよろこんでもらいましょう。