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「調べる」の敬語表現
今回はこの「調べる」という言葉に注目し、敬語表現での使い方や別の言葉での表現方法などをご紹介します。
「調べる」とは
「音楽を演奏する。音律をととのえる」といった意味でも「調べる」は用いられますが、今回は「確かめる」という意味でのみ敬語表現を考えていきます。では次にその敬語とはどういったものであるのかをご紹介しましょう。
敬語とは
1つ目は、お客様や上司など目上の人の言動を表すときに用いる尊敬語です。目上の人の言動を高めて表現することで敬意を示すことができます。2つ目は自分や自分の身内・組織の言動を表す謙譲語です。これは尊敬語とは逆に、自分側の言動を下げて表現することで相手を高め、敬意を示すことができる方法です。
3つ目は物事を丁寧な言葉で表現することで成り立つ丁寧語。これは他の2つとは違い、敬意を示す相手の有無は問われません。知らない人や同じ目線相手に対して不快感を与えることのないように使う敬語ですので、目上の人には使わないようにしましょう。
「調べる」の敬語での使い方
基本の使い方を把握していれば他のどんな言葉を敬語で表現するときにも役立てることができますので、一緒におさらいしていきましょう。
敬語の種類
尊敬語や謙譲語にはそれぞれ特有の表現があります。例に挙げた「ご覧」と「拝見」がまさにそうです。形式に当てはめる以前に、言葉そのものに尊敬・謙譲の意味があるので使いどころを間違えてしまわないよう注意しましょう。
使い方
尊敬語では「お調べになる」、謙譲語では「お調べする」、丁寧語では「調べます」となります。これらが「調べる」の基本的な敬語表現となりますので、シーンや話している相手との間柄に合わせて使い分けましょう。
メールでの使い方
メールは相手の時間を取ることなく要件を伝えることができ、さらに後になって見返すこともできるという優れものですが、それと引き換えに感情が伝わらないために言葉一つで相手を不快な思いにさせてしまう恐れがあります。お互いに気持ちよくやり取りをするためにも正しい敬語を用いるべきであるといえます。
今回のテーマである「調べる」という言葉をメールで使うとすれば、急ぎではない調べものの依頼などが考えられます。調べる必要のあるものを細かく述べたうえで、しっかりとした敬語を使ってお願いしましょう。相手が目上の場合は「お調べくださいますようお願いいたします」と尊敬語で、相手が同じ目線か目下の場合は「お調べください」と謙譲語で表すのが良いでしょう。
ビジネスでの使い方
口頭で伝える場合もメールの場合と同じように尊敬語や謙譲語を使い分けましょう。目上の人が何か困っているときに、自主的に調べものをして手伝うという時は「私がお調べします」と声をかけましょう。
「調べる」を敬語表現するときの例
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お願いするとき
調べてもらうことをお願いする「お調べください」という言葉は謙譲語表現ですので間違いではないのですが、命令形とも受け取ることができますので目上の人には使わないようにしましょう。クッション言葉を用いて「申し訳ありませんが、お調べくださいますようお願いいたします」と伝えましょう。「申し訳ありません」の他には「お手数おかけしますが」と入れ替えても自然にお願いすることができます。
報告するとき
謙譲語の基本である「お調べする」の過去形「お調べした」を用いて、「○○についてお調べしました」というようにお伝えすることができます。もう少し丁寧に表現したいという方は「お調べ致しました」に置き換えましょう。
「調べる」の別の敬語表現例
調査する
「調査する」の基本の敬語表現は、尊敬語は「ご調査なさる」、謙譲語は「ご調査する」、丁寧語は「調査します」となります。「調べる」よりも改まっている表現ですので、目上の人との会話では「調査する」を用いたほうが失礼がないことが予想できます。
確認する
「確認する」という言葉に置き換えられるシーンとして考えらえるのは、一度調べたことや前に知らせたことなどを再度調べるとき・調べてほしいときです。「もう一度お調べください」よりも「もう一度ご確認いただけますようお願いいたします」とお伝えした方が丁寧ですし、手を煩わせてしまう印象が薄まります。
逆の場合も同じで、一度見聞きした情報について問われたときは「ただいまお調べいたします」よりも「ただいまご確認いたします」とした方が良いでしょう。
精査する
ビジネスの場に置いて「精査する」という言葉を用いるシーンとして考えられるのは、より詳しく調べたときやそれをお願いするときです。「詳しくお調べいただけますようお願いいたします」でも間違いではありませんが「ご精査のほどよろしくお願いいたします」とお伝えする方が、畏まった場にはふさわしい敬語表現です。
状況に合わせてうまく言い換えましょう
また、状況に応じて言葉を言い換えるのはコミュニケーションを円滑にする秘訣でもありますので状況をうまく見極めて敬語を軽やかに使えるようになりましょう。