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相手のことを尋ねる場合はどうする?
では、相手に失礼な奴だと感じさせないためにはどうしたらいいのでしょうか。まず、一方的な物言いは避けましょう。また、間違った言葉や若者言葉も使ってはいけません。相手を尊重する言葉、つまり正しい敬語を使うことが相手に対する礼儀になります。
皆さんは相手を尋ねる時に使う敬語についてご存知でしょうか。ここからは、相手を尋ねる時に使う敬語について、具体的にご説明いたします。
「いらっしゃいますか」は正しい敬語?
「○○さんは、いらっしゃいますか」という言葉は、言い換えると相手がそこに「いる」のかを尋ねています。したがって、相手がそこにいるのかを尋ねたい場合には「いる」の敬語表現を用い、なおかつ疑問形に変えなければいけません。
「いる」の敬語表現とは?
尊敬語とは「相手側」のことを言う時に用いる言葉です。一方、謙譲語とは「自分側」のことを言う時に用いる言葉です。先ほどの例で考えると、「いらっしゃる」と「おいでになる」が「尊敬語」に、「おる」は「謙譲語」にあたります。
今回の場合、自分側ではなく相手側のことを尋ねているので「尊敬語」を用いなければいけません。つまり、「いらっしゃる」や「おいでになる」といった言葉を使います。これらの言葉を疑問形に変えると「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」となり、「いらっしゃいますか」は、相手を尋ねる時に使う敬語として正しいと言えるでしょう。
「いらっしゃいますか」の使い方を知ってる?
次は、場面ごとに「いらっしゃいますか」の正しい使い方についてご説明いたします。しっかりと学び、マナーを身につけましょう。
電話で「いらっしゃいますか」を使いたい時
電話のマナーを知ってる?
次に電話に出た人物の確認をしなければいけません。「○○様でいらっしゃいますか」というように、「用件のある人物の名前」を言い尋ねます。相手が直接電話に出ていた場合はそのまま用件を話せますが、違う場合には取り次いでもらわなければいけません。「△△部の○○様はいらっしゃいますか」というように、「相手が所属する部署」と「相手の名前」を言い尋ねましょう。
取り次いでもらう時に相手の不在が判明する場合もあります。伝言を頼む場合は「○○様に伝えておいてもらえますか」というような言葉は使わず、「恐れ入りますが、○○様にお言伝をお願いしてもよろしいでしょうか」というように丁寧な言葉でお願いをしましょう。
メールでの「いらっしゃいますか」の使い方
例えば、相手が自分の会社に来る時です。何時ごろ来るのか、相手の予定を尋ねたい場合には「○○様は、いつ頃いらっしゃいますか?」というような使い方ができます。また、何人ぐらいで来るのか、どんな交通手段を使って来るのか、などを尋ねたい場合にも「いらっしゃいますか」を用いて尋ねることができます。
「いらっしゃいますか」と「おられますか」の違い
「いらっしゃいますか」は、「いる」もしくは「来る」の尊敬語「いらっしゃる」の疑問形になります。したがって、主語が相手側の時に用いる敬語になります。
一方「おられますか」は、「いる」の謙譲語「おる」の疑問形になります。したがって、主語が自分側の時に用いる敬語になります。
つまり「○○様はおられますか」という敬語は、主語は相手側にもかかわらず、謙譲語を使っていることになります。このような誤った敬語の使い方をしていると、失礼だと感じる方もいらっしゃいますので、尊敬語と謙譲語の使い分けがしっかりできるようになりましょう。
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「いらっしゃいますか」の別の言い方は無いの?
まず、「いらっしゃいますか」を「いる」の敬語で使う場合には「おいでになる」が挙げられます。尊敬語の型のひとつである「お(ご)~になる」という型に当てはめた敬語です。「井上様は、おいでになりますか」というような使い方ができます。
「いらっしゃいますか」を「来る」の敬語で使う場合には「お見えになる」や「お越しになる」などが使われます。実は先ほどの「おいでになる」も使うことができます。「井上様は、お越しになりましたか」というように使うことができます。
「いらっしゃいますか」の例文を紹介!
・相手が自分の話したい人物か確認する場合
「田中様でいらっしゃいますか」
「田中様ですか」や「田中様でございますか」でも間違いではありませんが、「田中様でいらっしゃいますか」の方が敬意が高くなります。
・話したい相手のいる場所を尋ねる場合
「先生は、職員室にいらっしゃいますか」が適当です。
・相手の訪問予定を尋ねる場合
「山田様は、何時ごろいらっしゃいますか」が適当です。
「いらっしゃいますか」だけではなく、「おいでになりますか」や「お見えになりますか」、「お越しになりますか」などの表現にも言い換えられます。
・自分の知らない相手の情報を尋ねる時
「お客様は、何名様でいらっしゃいますか」
「当日、移動手段は何を使っていらっしゃいますか」が適当です。
主語が「社長」の時は注意が必要?
例えば、社長本人もしくは自分の会社の人間に対して社長の明日の予定を尋ねたい時には「明日、社長は何時ごろ会場にいらっしゃいますか」というように尊敬語を用いながら尋ねます。
しかし、取り引き先の会社の人間に対して自分の会社の社長のことを話す場合には、「弊社の社長も、明日14時ごろ会場へ参ります」というように謙譲語を用いながら話さなければいけません。
このように同じ人物のことでも、場面によっては敬語の種類を替えなければいけない場合があります。ビジネスの場面においては、他社の人間を相手側に、自分の会社の人間はたとえ目上の人物であろうと自分側に置いて話すルールがあります。しっかりと覚えましょう。
「いらっしゃいますか」の返答方法を教えて!
例えば、尋ねられた人物が自分である場合には「はい、○○でございます」というように答えることができます。しかし、別の人物である場合には取次ぎを行わなければいけません。「○○でございますね」と尋ねられた人物の名前を復唱し、確認を行ってから「ただ今、おつなぎしますので、少々お待ちください」と取り次ぐようにしましょう。
また、尋ねられた人物が不在の時は「申し訳ございません。○○はただ今外出しております」と断ったうえで、帰社時間がわかる場合には「15時ごろ帰社予定になっております」と伝えましょう。「こちらからお電話いたしますが、いかがいたしましょうか」と尋ねたり、用件をうかがってみるのも良いでしょう。
色んな場面で「いらっしゃいますか」と尋ねてみよう
確かに「いらっしゃいますか」は便利な言葉です。しかし、メールなどでは、繰り返し同じ言葉を使っているとあまりいい印象を与えません。「お見えになりますか」や「おいでになりますか」などの言葉に言い換えられる時は、他の言い換え語も使用した方がいい場合もあるので、覚えておきましょう。
とはいえ、「いらっしゃいますか」を積極的に使ってほしい場面もあります。相手の名前を確認する時です。「ございますか」よりも「いらっしゃいますか」の方が敬意が表れますので、これを機会に「いらっしゃいますか」と尋ねられるよう心掛けてみましょう。