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不動産鑑定士の試験の難易度・年収・勉強時間・他の試験との比較

初回公開日:2017年12月27日

更新日:2020年08月20日

記載されている内容は2017年12月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

不動産業界において有数レベルの国家資格が「不動産鑑定士」です。不動産鑑定士試験は難易度がとても高い資格ですが、経験を積めば安定した職業です。また、これから試験の難易度を下げる方針が国で取られる予定です。目指すにあたって知っておきたい難易度について紹介します。

不動産鑑定士ってどんな仕事?

不動産鑑定士は主に不動産の鑑定評価業務を行うのが仕事です。不動産が持っている価値を査定する一般的な査定業務とは異なります。一般的な査定業務は不動産がどのくらいで売れそうか、どのくらいの価値があるのかを査定します。しかし鑑定評価業務とは、価値があることを前提にそれを金額にするとどのくらいになるのかを算出することです。

さらに、クライアントから預かった不動産の運用(信託)やコンサルティング、不動産の投資判断材料の作成(デューデリジェンス)を行ったり、IFRS(国際財務報告基準)向けの企業不動産の時価評価をしたりといった仕事も増えてきています。

どこで働くの?

不動産鑑定士になると、ほとんどの場合は不動産鑑定事務所で働くことになります。ほかには不動産会社の鑑定部門、銀行の担保評価部門や信託部門です。ただし、いずれも大手不動産会社や大手の銀行などの、規模大きい会社や銀行に限られます。

さらに、会計事務所や富裕層向けコンサルティング会社に勤務する場合もあります。変わったパターンでは、鉄道会社の用地管理部署もあります。経験を積めば独立することもできます。

仕事は幅広い

不動産鑑定事務所で働くと、幅広い仕事に取り組むことになるのが特徴です。国・都道府県・市区町村からの土地評価や、裁判所からの競売物件の評価などの公的な仕事から、銀行からの担保評価や会計事務所からの企業不動産の時価評価、売買の目安とするための鑑定評価といった仕事も依頼されます。

企業の鑑定部門で不動産鑑定士として働く場合は、自社に関わる仕事以外をすることはほとんどありません。ただ仕事を得るために不動産鑑定士になりたいというわけではなく、本格的に専門知識を活かして仕事をしたいのならば不動産鑑定事務所で勤務して経験を積むことをします。

不動産鑑定士の仕事の場

不動産鑑定士のワークスタイルにはデスクワークとフィールドワークの2種類に分かれます。法務局や役場で登記情報を調査してから現地調査を行うフィールドワークの後に、調査の結果を集計するデスクワークをすることで、1つの仕事が終わります。不動産鑑定士はこれらの流れをこなさなければいけない点も、難易度が高い理由の1つと言えるでしょう。

フィールドワーク

不動産鑑定士の試験の難易度・年収・勉強時間・他の試験との比較
※画像はイメージです

フィールドワークでは鑑定評価の対象となる物件自体の現地調査や、役所などでの資料や情報収集を行います。まずは法務局で対象となる不動産の登記に関する情報を確認します。その次に市町村役場で物件がある場所にかかわる各種法令や、上下水道、ガスなどの引込み状況を調べたりします。

最後に現地で物件の調査をします。法務局や市町村役場で登記されている情報と現況が一致するとは限りません。役所を回っても得られない情報というのもたくさんあります。

そこで現地調査を行って登記の情報と一致するか、役所調査で得られなかった情報がないか確認します。特に過去どのような使われ方をしていたのかというのは、鑑定評価に大きく影響する土壌汚染の有無を調べる手がかりともなりますので、近隣や関係者への聞き込みまで行うこともあります。

デスクワーク

フィールドワークで調査を終えてからは、デスクワークに移ります。調査した不動産の状況を集計し、それに基づいて鑑定評価を行ってそれを書面にまとめます。鑑定評価を行うに当たり、取引事例や建設物価などのデータや市況の確認を取ります。

そして、収益物件については賃料などの固有のデータのほか、金利などのデータも必要になったりするので、クライアントのみならず不動産業者や金融機関への聞取りも行う場合があります。

これらのデータが揃ってから、あらかじめ専門ソフトやマクロ(VBA)を組んであるエクセルで打ち込んで出てきますが、それが本当に正しいか再確認の作業を行います。その再確認が済んでから、鑑定評価報告書を仕上げてデスクワークは完了します。

不動産鑑定士の試験の難易度

不動産鑑定士は不動産業界で最高級とされている資格です。取引される不動産や融資の担保にされる不動産、課税対象にされる不動産など適切に判定し、評価を行う仕事です。不動産鑑定士の資格がないとできない仕事で、社会的な評価が高いです。しかし社会的な評価が高い分、試験の難易度もとても高いです。

偏差値

不動産鑑定士の難易度を偏差値に表すと74ほどです。74は最難関レベルで、不動産鑑定士は難易度が最も高い資格の1つと言えます。実際に不動産鑑定士は最難関の弁理士、公認会計士とあわせて三大資格と言われています。

短答式

不動産鑑定士は一次試験である短門式試験(選択式)と、二次試験である論文式試験を解く必要があります。一次試験では行政法規と鑑定理論の2科目を受験します。短門式の難易度はそれほど高くなく、合格率は例年25%ほどです。勉強すれば必ず通るでしょう。

論文式

二次試験の論文式の試験では不動産鑑定評価理論・民法・経済学・会計学の論文と、不動産鑑定評価理論の演習の5科目です。二次試験の合格率は例年10%前後となり、一次試験よりも難易度が上がります。

不動産鑑定評価理論の論文は4問、民法・経済学・会計学の論文は各2問出され、それぞれ2問ごとにB4用紙2枚に記入します。文字数は2問で2,000文字程度になります。不動産鑑定評価理論の演習は、計算問題が1問出題されます。

不動産鑑定評価理論はもちろんですが、他の科目もかなり難易度が高いです。民法は司法試験レベル、会計学は公認会計士レベルです。しかし、不動産鑑定士になるのに必要な内容を書ければ良いので、司法試験や公認会計士の問題を解けるまでに対策する必要はありません。

不動産鑑定士の難易度に応じた年収

不動産鑑定士の試験の難易度・年収・勉強時間・他の試験との比較
※画像はイメージです

難易度がとても高い不動産鑑定士は、試験が難しい分収入が高いのかどうか気になるところでしょう。不動産鑑定士の平均的な年収は600~700万円ほどです。不動産鑑定士で能力がある人だと、年収1,000~1,500万円も夢ではありません。能力にもよりますが、会社に勤務するとなると外資系の金融関連会社に就職するのが最も高給になります。

不動産鑑定士は独立している人も多く、固定資産税の評価替えがある年については平均年収が上がる傾向にあります。固定資産税の評価替えは3年に一度行われるので、その評価員となっている不動産鑑定士は、3年に1回はボーナスがもらえる年と言えます。

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