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2017年11月08日

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

私たちをとりまく社会が変わっていくように、失業保険の制度の内容も変化しています。その離職は本当に自己都合でしょうか。また自己都合だと不利と決めつけていませんか。詳しくは意外と知らない現在の失業保険について、自己都合の離職の場合を中心にご説明していきます。

自己都合の失業保険のアドバンテージ

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

失業してしまったとき、次の就職先が決まっていなければ失業保険を受けることができます。これには色々な条件がありますが、まずは雇用保険に加入してることが大前提です。

でも、自己都合で離職したらすぐにはもらえないし、手続きも何からしたらよいか複雑そうで分からないと感じていませんか。しかし私たちをとりまく社会が変わっていくように、失業保険の制度の内容も変化しています。自己都合だから不利と決めつけたら、あとで後悔することもあります。詳しくは意外と知らない現在の失業保険について、自己都合の離職の場合を中心にご説明していきます。

自己都合の場合の失業保険給付日数

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

まず気になるのが、どれくらいの期間失業保険がもらえるのかということですが、これは雇用保険の加入期間・離職した時の年齢・離職の理由などによって異なります。まず自己都合で離職した場合の失業保険の給付日数についてご説明します。

ちなみに自己都合というのは、大まかにいうと正当な理由がなく自分の意志で退職したということです。倒産や解雇(懲戒解雇は除く)など会社の都合で離職したのでなければ自己都合とみなされますが、正当な理由については後ほど詳しくご説明していきます。

自己都合で離職した場合の失業保険の給付日数は、雇用保険の加入期間が1年以上10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日と定められています。自己都合で離職した場合、年齢は関係なく加入期間のみで給付日数が決まります。

自己都合による給付制限

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

失業保険をもらうための手続きのスタートは、ハローワークに離職票を提出し、同時に仕事探しの申し込みをすることです。このスタートの日を「受給資格決定日」といいます。その受給資格決定日から7日間待期し、待期が経過した翌日から失業保険の支給対象となりますが、離職理由が自己都合の場合は、そこからさらに3ケ月の「給付制限」があります。

自己都合で離職した場合は、既に次の就職先が決まっていたり無職になるまである程度の準備が可能なので、会社の倒産や解雇など急な失業との差を付けられています。

自己都合の離職で失業保険を受けるのは、3ケ月の給付制限の期間が経過した後です。さらには、この給付制限の期間に最低2回の求職活動をしている必要があります。

自己都合の場合の支給開始日

自己都合の離職では、給付制限の期間が経過した翌日からが失業保険の支給対象となりますが、実際に失業保険がもらえるのは、給付制限が経過したあとの失業認定日に認定を受けてから約1週間後です。

失業保険の手続きをスタートして、待期が経過したら自己都合の離職の場合は3ケ月の給付制限の期間に入りますが、その間に最初の失業認定日が指定されますので、忘れずにハローワークに来所して失業の認定を受けましょう。この最初の認定日に失業の認定を受けないと、7日間の待期が経過したことにならないからです。

失業保険を受けるには、4週間に1回の指定された失業認定日にハローワークに来所して、失業の状態であることを申告する書類を提出する手続きが必要です。この手続きを行わなかった場合は、失業保険を受け取ることができなくなるので注意しましょう。

自己都合の理由による優遇

自己都合の離職であっても正当な理由がある場合は、3ケ月の給付制限を待つことなく失業保険を受けることができます。この場合を「特定理由離職者」といいます。具体的には以下のようなことが正当な理由になります。

・契約更新の定めのある契約に契約更新の明示はあるが、確約まではされておらず更新されなっかった
・体力の不足、心身障害、疾病、負傷、視力減退、聴力減退、触覚減退など
・妊娠、出産、育児などにより離職し、受給期間延長措置を受けた
・家庭の事情の急変(父母の扶養、親族の看護など)のために離職を余儀なくされた
・配偶者、扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難になり離職した
・結婚、育児に伴う事情、事業所移転、自分の意思に反する転居を余儀なくされたこと、運輸機関の廃止・運行時間の変更、転勤・出向に伴う別居の回避などの理由により、通勤不可能、困難になった
・会社の人員整理などで希望退職者の募集に応募した

特定理由給付者の優遇措置

正当な理由で自己都合で離職した場合は、3ケ月の給付制限がなくなることは先ほどご説明しました。しかし自分で申告しなければ、正当な理由のない自己都合とみなされることがありますので、必ずハローワークで申告しましょう。さらには正当な理由での自己都合の離職では雇用保険の加入期間が、離職の日からさかのぼって1年間に通算6ケ月以上であれば失業保険を受けることができます。

また、正当な理由での自己都合の離職で、契約更新の定めのある契約に契約更新の明示はあるが、確約まではされておらず更新されなっかった場合のみ、失業保険の給付日数が以下の表のように延長されます。これは会社都合の離職の場合と同じ給付日数となります。

1年未満1~5年未満5~10年未満10~20年未満
30歳未満90日90日120日180日
30~35歳未満90日120日180日210日
35~45歳未満90日150日180日240日
45~60歳未満90日180日240日270日
60~65歳未満90日150日180日210日

この表は縦が離職した時の年齢、横が雇用保険の加入期間です。加入期間が20年以上であれば、30~35歳未満は240日、35~45歳未満は270日、40~60歳未満は330日、60~65歳未満は240日となります。

最大支給額

実際に失業保険でどのくらいの金額が支給されるかは、離職するまでにもらっていたお給料の額によって変わります。また年齢によっても異なってきます。おおよその目安は離職日の直前6ケ月の賃金日額の50~80%です。賃金日額とは離職前6ケ月の賃金(ボーナス・退職金などは含まない)を180で割った金額です。

しかし、失業保険の支給には上限が決められています。平成29年8月1日現在では、1日あたりの金額で30歳未満は6710円、30歳以上45歳未満は7455円、45歳以上60歳未満は8250円、60歳以上65歳未満は7042円となっています。

失業保険の受給資格

自己都合の離職の場合を中心にご説明してきましたが、大前提の失業保険を受けられる条件について詳しくご説明していきます。

失業保険を受けられる一番の条件である、失業とは具体的にはどのような状態かというと、

・積極的に就職しようとする意志がある
・いつでも就職できる状態である
・積極的に仕事を探しているが、就職にいたらない

以上の条件を全て満たしているときを失業といいます。病気やケガ、妊娠・出産・育児、介護などですぐに就職できない状態、結婚して家事に専念し就職を希望しない、自営業(準備中を含む)をしているなどの場合は失業保険を受けることはできません。

ただし、病気やケガ、妊娠・出産・育児、介護などですぐに就職できない場合は失業保険の受給期間を延期できますので、ハローワークで手続きをしておきましょう。

雇用保険の加入期間

失業保険の受給資格には雇用保険の加入期間も関係します。離職の日からさかのぼって2年間に、通算して12ケ月以上雇用保険に加入していることが必要です。これは正当な理由のない自己都合の離職の場合で、正当な理由のある自己都合の離職(特定理由退職者)、会社都合の離職は離職の日からさかのぼって1年間に、通算6ケ月加入していれば失業保険を受けることができます。

雇用保険は正社員だけでなく、パートやアルバイトでも、1週間の勤務時間が20時間以上で、31日以上働く契約なら、加入することが定められています。雇用保険に加入したら、「雇用保険被保険者証」と「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」がもらえますので、無くさないように大切に保管しておきましょう。

失業保険をもらう手続き

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

ここからは、自己都合・会社都合にかかわらず、離職してから失業保険をもらうまでのながれを整理していきます。何度もハローワークに通うことになりますが、コツコツと一つずつ手続きしていきましょう。

失業保険手続きに必要なもの

失業保険を受けるために必ず必要なものが離職票です。これは退職後に会社がハローワークに書類を提出して、受理されてから受け取れるものなので、退職してすぐにもらうことはできません。念のため、退職のときに離職票をもらえることを会社側に確認しておくとよいでしょう。離職票には1・2の2種類があります。

離職票が手元に届いたら、速やかに住んでいる所の管轄のハローワークに行きます。そのときの持ち物は、

・離職票1・2
・マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載されている住民票)
・身元確認書類(運転免許証など顔写真の付いているもの)
・印鑑(シャチハタ不可)
・写真(3.0cm×2.5cm)2枚
・本人名義の預金通帳・キャッシュカード

などです。不明な点は事前に確認しておきましょう。

雇用保険説明会

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

ハローワークに離職票などを提出し仕事探しの申込みをし、受給資格が決定したら「雇用保険の失業等給付資格者のしおり」という冊子がもらえ、雇用保険説明会の日時が決定します。

雇用保険説明会で、失業保険を受け取る手続きについて詳しく説明されます。また、この説明会のときに「雇用保険受給資格者票」と「失業認定申告書」が渡され、最初の失業認定日や離職理由、支給額などが決定します。とても大切な説明会なので、必ず参加しなくてはいけません。もしも参加できない場合は必ずハローワークに連絡して相談してください。

失業の認定日

雇用保険説明会の参加まで終えれば、失業手当を受け取る手続きは、求職活動をすることと失業の認定日にハローワークに来所して申告をすることの繰り返しです。失業の認定日には、雇用保険受給資格者証、失業認定申告書、印鑑を持参します。

失業の認定日は、原則として4週間(28日)に1回の指定された日です。ですので来所する曜日が決まってきます。例えば最初の認定日が水曜日だった場合、その後の失業の認定日も原則水曜日になります。

この認定日に失業認定申告書を提出しますが、この書類で就職活動の日にちや内容、内職や短期のアルバイトをしたか、それらによって収入を得たかなどを申告します。これはとても大切な書類ですので、必ずありのままを記入しましょう。

会社都合に該当する正当な退職理由

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

これまでは、自己都合の離職を中心にご説明してきましたが、会社の都合で離職せざるを得ない場合もあります。自分では自己都合の離職であると思っていても、実は会社都合の離職にあてはまるということが意外と多くあります。具体的にどのような場合があてはまるのかご説明していきます。

会社の破産

一番分かりやすい会社都合の離職は会社の破産です。この場合は予期せず急に仕事を失うことになりますので、自己都合の場合とは異なり給付制限なく失業保険をうけることができます。事業所の廃止によって離職した場合、また事業所の移転によって通勤が困難になって離職した場合も会社都合となります。

このように、再就職の準備をする時間的な余裕がなく離職した場合は「特定受給資格者」とみなされます。失業保険では手厚い待遇を受けることができます。

特定受給資格者

他に特定受給資格者にあてはまる条件を、以下になるべく簡潔に箇条書きにしました。

・懲戒解雇を除く解雇
・会社の事業縮小などで大量に(1ケ月30人以上または労働者の3分の1以上)離職者がでた
・労働契約に明示された労働条件と実際が著しく違っていた
・賃金の3分の1を超える額が支払われなかった
・賃金が今まで支払われていた金額に比べて85%未満に予期せず低下した
・職種が変わることになったが会社が必要な配慮を行わなかった
・期間の定めありの契約の更新で3年以上雇用されていたが更新されなかった
・期間の定めがあるが更新されることが明示された労働契約を交わしたが更新されなかった
・会社から直接もしくは間接に退職するように言われた(早期退職優遇制度などの応募は除く)
・会社責任の理由にて3ケ月以上休業となった
・会社の業務が法令に違反した

労働条件

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

特定受給資格者に該当する離職理由はまだあります。具体的な労働条件の状況でいうと以下のようなものがあてはまります。

・離職直前6ケ月間のうちに、①連続する3ケ月で45時間②1ケ月で100時間③2ケ月以上の期間で平均にして月80時間以上の時間外労働(残業)があった

・会社が行政機関から時間外労働について、危険・健康障害のおそれがあると指摘されたにも関わらず改善対策をしなかった

・会社が法令に違反して妊娠中、出産後、育児中、介護を行う者を働かせ、雇用継続のための制度の利用を制限したり、制度を利用したことを理由に不利益な扱いをした

・上司や同僚からの故意の嫌がらせ・セクハラなどを把握していながら対策を行わなかった

・会社が妊娠、出産、育児休業、介護休業などに関係した言動で労働者の就業環境が害されていることを把握していながら対策を行わなかった

離職理由はハローワークで確認をしよう

会社都合の離職理由についておおまかにご説明しましたが、この特定受給資格者の扱いについては自分では判断が難しい場合もありますし、追加・変更されている場合もあります。離職理由は離職票2に記入する欄があります。

会社では自己都合の退職とされていたり、自分で自己都合の離職と判断する前に、最初にハローワークに手続きにいったときに離職の経過についてありのままに詳しく説明して、離職理由が自己都合と会社都合のどちらになるのか、確認することをおすすめします。

自己都合とあきらめないで

自己都合の失業保険│アドバンテージ・受給資格・手続き

自己都合の離職の場合を中心に失業保険についてご説明してきましたが、驚かれることが多かったのではないでしょうか。自己都合の離職と思っていたことがそうでなかったり、自己都合の離職であってもいろいろな優遇措置があったりと、知らないと損をしてしまうことばかりです。

また会社が教えてくれるとは限りませんので、社会人の常識として改正されていく内容についても勉強しておくと良いでしょう。

失業保険は私たちの生活の安定を応援してくれる制度です。たとえ失業してしまったとしても、その応援を受けながら、さらなるステップアップのチャンスにしていきましょう。

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