[allpage_toc]
就職試験に出される作文の書き方
書類選考の次はいよいよ筆記試験です。履歴書が素晴らしくても、面接で会うと今一つな学生がいると採用担当者が語っていました。そこで、書類選考と面接の間に、作文や小論文を書かせる試験を実施する企業が増えています。
作文を書かせる目的は、採用人数を絞ることと、面接では把握しきれない、その人の基礎能力や性格、職務適正を客観的に見るためです。企業が、就職試験で作文を書かせる目的を忘れずに作文を書くように心がけましょう。
就職試験の作文は難しいのか
就職試験の作文は、その場でテーマを聞かされ、800文字や1200文字と、指定された文字数で書くという厳しいものです。あらかじめテーマを知っていたら準備もできますが、その場で初めてわかるテーマに沿って書くのだから大変です。
採用担当者は作文を読み、文章力、表現力、構成力、論理的思考力、集中力、観察力や洞察力、語彙の豊富さなど、あらゆる要素を見ようとします。あまりにも誤字が酷いと論外にされる厳しい企業もあります。
就職試験の作文対策とは
就職しようとする企業が、過去にどのような試験を実施し、作文ではどのようなテーマが出されたかを調べる「企業研究」が大事で、『就職四季報』や『筆記試験の総合解説本』など、本を読むことも一つの方法です。
就職試験にも種類があり、ペーパーテストなのか、自宅や大学のパソコンでテストを受けるのか、試験会場に行きパソコンでのテストなのか事前に知り、対策を万全にしましょう。
また、ペーパーテストとパソコンでは気をつけるべきことも変わるので事前準備はしっかりしておきましょう。
書くことが好きになるほど練習を
「書けるかな」と不安な人の作文は、その弱気がそのまま文章に現れてしまう可能性があります。「書きたい」という欲求が大切です。どんなテーマでも書いてみせると自信満々に就職試験に臨む姿勢が大事です。
「就職試験の作文の書き方」はネットでもたくさん出ていますが、ほかの受験者もネットを見ています。採用担当者が、「どれも似たりよったりの作文」と語っていました。これはマイナスです。その中で個性的な作文があれば、きっと目に止まるでしょう。
どんなテーマでも仕事につなげる
活字と文章に慣れるために読書は最高のトレーニングです。また、毎日日記をつけるのも良いでしょう。毎日文章を書いている人と、ほとんど本も読まない、文章も書かない人では、その差は歴然です。採用担当者はプロですから作文を読めばわかるでしょう。
作文の読み手、すなわち採用担当者が知りたいのは、主に「この人はわが社に相応しいか」「どんな見識を持っている人か」「どんな性格の人物か」ということです。就職試験の作文は、真剣さをアピールするチャンスです。
「序論・本論・結論」で書く
序論は、これから何を書くのかテーマを明確にします。例えば「私の家族について書きます」「将来の夢について書きます」と作文の内容を伝えます。
本論は、一番言いたいことを最初に書きましょう。そして、序論で挙げたテーマについて、より深く、具体例や体験談を交えながら、話を展開していきます。
最後の結論で、いかに「仕事」「働くこと」に結びつけるかが重要です。就職試験の作文なので、読み手の心に残るまとめ方が肝要となります。それは仕事に対する意欲や熱意です。
「爆笑」「破天荒」など誤用に注意を
破天荒とは、前代未聞の、誰も成し得なかった偉業を達成した時に使われる言葉です。型破りな暴れん坊のことではありません。芸能界では「破天荒な性格」と誤用が連発され、その間違いを指摘する人も、ほとんどいません。
ほかにも「煮詰まる」「姑息な」「役不足」「潮時」「敷居が高い」「失笑」「なし崩し」「憮然」など、多くの言葉が誤用されているので、自分は大丈夫か確かめたほうが良いでしょう。就職試験の作文で誤用を連発すれば、減点されます。
テーマ別の就職試験の作文の書き方と例文
企業によっては、想像もしていなかった変化球のテーマを出すこともあります。しかし、落ち着いて作文を書きましょう。どんなテーマでも最後は仕事に結びつけるということを忘れなければ、慌てることはありません。
もちろん仕事につなげるといっても、テーマから逸脱しないように、テーマに沿った作文をキープすることが大事です。
[no_toc]
作文のテーマ「私の家族」
作文のテーマの意図を知り、そこを突くことが読み手の急所に入る文章です。家族との関わりを知れば、人に思いやりをもって接する人かどうかがわかります。また、家族のことを紹介する作文は、観察力や洞察力を見ることもできるのです。
職場では、仲良く団結できるかどうかが重要です。チームワークを重んじるタイプか、個人プレーになりがちな性格かも見られるでしょう。就職を勝ち取るための作文ということを念頭に置き、練習することが大切です。
作文のテーマ「私の夢」「将来の夢」
「私の夢は世界平和です」というスケールが大き過ぎる内容も、抽象的で、テーマの意図を把握していないと思われてしまうでしょう。理想的なのは、あなたが就職しようとする会社の目指すべきビジョンと、マッチしている夢や目標を語ることです。
「将来起業したい」「作家志望です」という夢も、「この会社に就職しても途中で辞めます」と言っているようなものです。その企業に就職することにより成し遂げられる夢や目標を語ることが、合格する作文の秘訣となります。
作文のテーマ「社会人になるにあたって」
就職試験の作文のテーマを前もって教えないのは、当意即妙に、どのようなテーマでも語れる人材になってほしいからです。即興で作文が書けるということは、ディスカッションもできる力を養えます。営業や顧客対応に台本はありません。
「社会人になるにあたって」というストレートなテーマは、そのまま会社に就職した時のあなたの姿勢が判断されます。「感謝の気持ちを忘れずに」「創意工夫を常に心がけ」と謙虚な中にも熱意と意欲が感じられる作文が好ましいでしょう。
就職試験の作文で判断されること
与えられたテーマをもとに、自分の考えや感じていることを書くのは容易ではありません。しかし、常日頃から社会の出来事に関心を持ち、自分の考え方をしっかり持っている人は、就職試験の作文でも強さを発揮します。
テレビの評論家の話を鵜呑みにしてしまう人と、肩書に惑わされることなく、反対意見を語れる青年らしい批判精神を持っている人では、作文にその差が如実に出てしまいます。就職試験の作文には、主体性と客観的視点の両方が求められるのです。
就職試験に出てくる業界別の作文問題
多岐にわたる福祉の仕事
福祉関係の就職試験で問われることも幅広いです。また、「今職員に求められていることは」「介護について」「児童虐待への対処法」「孤独死をどう思うか」など、福祉の仕事をする「心」を見られる問いが連続する可能性が高いです。
さらには、「体力に自信があるか」「友人と意見が割れた時の解決法」「ストレス解消法」なども挙げられます。福祉の仕事は、特に介護などは体力勝負であり、ストレスは避けられません。チームワークも重要です。本当に総合力が判断される就職試験になるでしょう。
福祉関係は作文対策も大変なのか
さらに、福祉の仕事には幅広い知識が求められるので、対策も大変です。時事問題、法律、人権、制度、教養、専門用語など覚えることがたくさんあります。「福祉と行政の違い」など、あらゆるテーマを語れるように、書けるように、万全の準備が必要です。
制度に関しても、最近改正された制度について、なぜ改正したのかを明確に答えられるようにしましょう。普通の人であれば、とても難しそうで怯みますが、福祉に対しての志と意識が高い人は、「望むところ」と情熱を燃やし、熱い心で対策に取り組めるはずです。福祉は使命感が重要です。
子供に対する考え方を問われる幼稚園
準備としては、幼稚園への知識を深めておくことが大切です。幼稚園を見学させてもらったり、行事に参加したり、あるいは実習をさせてもらうのです。「どんな先生を目指しているのか」という問いの答えも用意しておきましょう。
幼稚園の就職試験では、作文のほかに保健体育やピアノの実技があるところもあります。ピアノはどれくらい弾けるのかを見られます。「犬のおまわりさん」や「とんぼのめがね」など、曲をその場で言われて弾くこともあります。
マスコミの就職試験は厳しいのか
一般常識や一般教養もマスコミの仕事では必須です。さらには、英語、時事問題など幅広い知識や技能が求められます。実際に街に出て取材をするような実戦的な就職試験もあります。模擬記者会見を開き、その後に実際に記事を書くという、作文とは違った文章テストもあり、実に多種多様です。
また、「今朝の新聞で気になるニュースは」とダイレクトに聞かれることもあります。「今関心のあるニュースは」という問いには、そのニュースを挙げ、この事件についてどう思うか、自分の意見を自分の言葉で書けるようにしておきましょう。
『新聞ダイジェスト』で学ぶ
[no_toc]
マスコミの仕事といっても、新聞、テレビ、出版、ラジオ、広告など多種多様です。時事問題はもちろんのこと、法律や人権など予習するべきものも正に様々です。書く仕事なので漢字対策も必要となります。原稿用紙を正しく使えているかを見る人事担当者もいます。読解力や語彙の豊富さも大事です。
『新聞ダイジェスト』は、いろいろな意味で参考になる一書となるでしょう。新聞記事の文章は、最新の基本形です。小説の文章とは違います。昔は「外人」、今の記事では「外国人」です。「障害」を「障がい」と書くのも主流です。実際の新聞の記事から、社会の変化を敏感に読み取ることが大切となります。
授業だけではない高校の仕事
さらには進路指導があります。大学や専門学校に進学する生徒の指導と、就職する生徒への指導・激励があります。部活動の顧問になれば、仕事も増えます。保護者や地域の人々とのコミュニケーションも大事な仕事です。
生徒が素直に先生の話を聞くとは限りません。いじめや不登校、児童虐待、モンスターペアレントなど、教育の現場にはいつも問題が山積しています。また、事務的な作業もあります。これだけのハードワークに嫌気が差すことなく立ち向かうには、相当な情熱が必要でしょう。
問われる問題解決力
高校の就職試験の作文で、準備するべき一番は、「なぜ教師を目指したのか」です。この問いに明快に答えられなければ適性を疑われます。「やりがいのある仕事」と言いきり、前向きな姿勢を表現することが肝要です。
高校の就職試験では、ほかにも自己分析力が求められます。専門の学力や教職教養、使命感まで見られることもあるのです。作文や論文だけでなく、グループディスカッションなどの実技で適正や資質を判断されます。
就職試験の作文の平均文字数
400文字、600文字と文字数を指定されたら、その文字数を超えないことです。「800文字以内で」ということは、801文字はオーバーということになります。800文字と指定され、690文字でも少ないです。その文字数に合わせて、見事にまとめる力を見るテストでもあるので、文字数は重要です。
就職試験の作文のタイトルの付け方
「私の家族」「将来の夢」というように、無難にまとめるタイトルも悪くはありません。オーソドックス過ぎると、少しひねりを加えるなら、「私の家族はみんな芸術家」と、作文の本論の具体的な内容を入れる方法もあります。
常識の逆を突いてインパクトのあるタイトルを付けるのは、少し勇気が必要ですが、「私の家族の嫌いなところ」「私の家族は少しおかしい」と興味を引きます。普通は「好きなところ」というタイトルを付けますが、あえて逆を行くのです。
インパクトのあるタイトル
ほかにも、長いタイトルはインパクトがあります。短い言葉でまとめるタイトルのほうが優れていることは確かです。そこをあえて長いタイトルにして目立ちます。「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」と長いタイトルが流行りです。
就職試験の作文なので、前向きなタイトルも好感が持てます。「私の家族の明るさの秘訣」「私の家族は皆が平和大使」と、爽やかでポジティブな言葉を好む採用担当者は多いです。
大事なことはオリジナリティとポリシー
採用担当者の視点で考えることが大切です。文章が下手だから不合格にするわけではなく、文章が上手いから合格にするわけでもありません。企業が見たいのは、自分の考え方をしっかり持っているかどうかです。ポリシーをはっきり持っている人は作文も自然に個性的になります。
書籍などで、実際に合格した人の作文など、模範文例をたくさん読むことは良い練習方法です。しかし、お手本を丸暗記してコピペのような文章になってはマイナスです。独創性溢れる作文を書くためにも、自分の信念、ポリシーを見つめ直してみましょう。