[allpage_toc]
ストレス社会って?
皆さんは毎日ストレスを感じていますか?全くない、と言い切れる人はどのくらいいるでしょうか。人間は絶えず人との関わりの中で暮らしています。時には自分と全く性格を異とした人と顔を合わせることもあります。まさにストレス社会の渦中にいるのです。
今回は、身近なストレス社会について見て行きましょう。
ストレスとは?
1 《生体にひずみの生じた状態の意》寒冷・外傷・精神的ショックなどによって起こる精神的緊張や生体内の非特異的な防衛反応。また、その要因となる刺激や状況。
2 語勢。強さのアクセント。
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9-84424
ストレスは、上記の1に関する用語です。言い換えれば、外的な要因で身体に起こる様々な障害や障害にある状態を意味しています。
ストレス社会とは?
その文字の通り、ストレスを生み出している社会です。追って説明することとして私たちの住む日本ではどのような変遷をしているのかをみていきます。
ストレス社会に関する日本の現状は?
日本のストレス社会の現状はどうなっているのでしょうか。厚生労働省が公表しているデータで紐解いていきます。やや古いですが、平成22年に実施された国民生活基礎調査のデータになります。
19才までは進学問題
男女とも、19才までのストレスの原因は受験や進学などの教育に関するストレスが70%ほどと高い数値を占めています。大学、短大、専門学校の進学や、就職など進路に大きな幅があることが要因に挙げられます。
20代は様々
次に、20代です。この年代は就職や結婚など転機にばらつきがある年代となります。中でもストレス社会の中にデビューし「自分の仕事」に関するストレスが男女とも60%と高くなっていきます。
30代では仕事と教育
次に、30代です。仕事でも経験値が増え、既婚者は子育ても本格化する年代です。「収入・家計・借金等」の項目が男女とも40%程度となります。また、「育児」の項目も30%程度に上り、ピークを迎えます。
不惑の40代も戸惑う
働き盛りである40代はどうでしょうか。子育てが少し落ち着く頃に入ります。管理職に就く年代となり、「自分の仕事」に関する項目は依然として70%と高水準です。また、この年代は自分の両親が高齢者になっていくことから「家族の病気や介護」に関する項目がまだ低水準ではありますすが、20代と比べて倍増します。
「収入・家計・借金等」「子供の教育」の項目は、子供の進学や就職の時期と重なる年代が出始めることから、ピークを迎えます。
[no_toc]
50代では病気や介護
50代ではどうでしょうか。「家族の病気や介護」の項目がピークを迎えます。「自分の仕事」に関する項目も60%程度と、依然として高いことが窺えます。ストレス社会に晒されている年代としては一番厳しい年代と言えます。
60代以降
60代以降ではどうでしょうか。早い方は年金を受給する年代となり、人生の総括を考えていく世代です。病気や介護に関する項目は世代を追って高くなっていきます。「収入・家計・借金等」の項目が意外に高水準であることが特徴的です。
人間関係に起因する項目は?
「家族との人間関係」に関する項目は、30代から40代にかけてピークを迎えますが、全体としては20%以下で推移しています。年代でさほど大きなふり幅がないのが特徴的で、中でも女性の割合が高水準となっています。
一方、「家族以外との人間関係」の項目については、10代にピークがあり、男性では20%、女性では35%程度となります。その後は男女ともに減少傾向となっています。多感な時期である10代では、学校などでの人間関係に悩む姿が垣間見えます。
ストレス社会の原因って?
ストレス社会の現状を探ってきましたが、その背景となる原因には何があるのでしょうか。
共働き世帯の増加
今や共働き世帯が珍しくない時代となりました。子供が学校から帰ると母親が出迎えることも少なくなりました。両親とも忙しく過ごすことで子供と過ごす時間が少なくなります。
家族構成の多様化で、両親のもとで育てられていない子供は学校で様々なストレスを抱えます。忙しく働く親とコミュニケーションをとる時間を取ることが難しくなります。親を気遣い一人で悩みを抱えてしまうことも少なくないのです。子供の時からストレス社会に晒されているのです。
一方で、親世代である人にとって忙しない毎日の背景には、サービス残業や休日出勤などの過酷な労働環境があります。時短運動が叫ばれてはいますが、まだまだ中小企業には浸透していないのが実態です。また、アルバイトや派遣社員などの働き方を選択している親にとっては、雇用契約に関するストレスをいつも抱えているのです。
ライフスタイルの多様化
子どもの遊びと言えば、公園へ行って野球や鬼ごっこなど外で活動することが多い経験が多かった時代が長く続きました。現在ではインターネットに代表されるSNSなどで気軽に会話ができる時代になり、外で遊ぶ機会も少なくなりました。
家の中でゲームやインターネットを楽しんだりとインドア生活が加わって、休日の過ごし方も変わりました。更に、コミュニケーションがSNSやメールなどに変わることで相手の表情が見えません。文面を読むことで感情が翻弄されることにストレス社会の一端があります。
一方で、SNSに依存することによる深夜まで起きていたり、片時も離さない生活が様々なアクティビティの機会を喪失させてしまっている実態もあります。
実態のない不安感
格差社会と呼ばれて久しい現在です。まさにストレス社会の典型的な現象です。家庭環境も様々となり、派遣社員、アルバイトといった勤務に就く人も珍しくなくなりました。有期契約の不安定さに加え、正社員との待遇面での違いが浮き彫りになっています。
企業業績は上向きつつありますが、消費行動に結びつかずに停滞しています。年金の支給も段階的に繰り下げられ、定年後の生活にも暗い影を落としています。不安の中で過ごすことに何となく閉塞感などが蔓延してポジティブに考えづらくなってしまいます。
快適な生活、効率化の代償
昭和から平成に入ってから急速に発展したインターネット環境は、これまでの仕事を一変させます。FAXやテレックスでのやり取りが通例だったビジネスは、Eメールで瞬時にしかも気軽に訂正できるフォーマットで行えるようになります。
反面、その迅速性からビジネスそのものが効率化を追求し、早さを競うこととなります。速さについていかなければならないとビジネスマンは常に緊張というストレスを抱えています。また、サイバー攻撃といったワードが注目され、自分が作成したデータや保存文書などが外部に漏洩されないよう文書管理に気を遣い、ストレスを抱えることとなります。
連絡ツールとして以前は加入電話だけであったものが、ポケットベルや自動車電話などが開発され、社会に出回りました。その後、現在のように携帯電話やスマートフォンなどに変わり、様々な付加価値が創出されます。
一度会社に戻ったりしないと相手と話ができないビジネスから、いつでも連絡が取れるような「on demand」なビジネスとなり、絶えず対応が要求され同時進行が必要不可欠になりました。端末にGPS機能が付くことでどこにいるのかが共有できることも可能になりました。ここにも強いストレス社会の一面があります。
こうした快適で効率的なデバイスが生まれた一方で、ストレス社会が深刻なものになっていくのです。
ストレス社会はいつから始まったの?
今のようなストレス社会の起源はいつでしょうか。
[no_toc]
ストレス社会は人間が共存する限り存在
ストレス社会は、最近のトレンドであるかのように取り上げられていますが、人間が共存している限り、起こり得ることなのです。共存の存在である相手は対等な立場であったものが、各々が得意分野などを見出すと、他人との差別化が起こります。そこに力の差や貧富の差が発生し、争いが起こったりするのです。
職場では同期とのし烈な昇進競争が繰り広げられたりします。学校では成績を競い会います。ストレス社会の一端ですが、ともに切磋琢磨していくことはお互いの為には競争原理は必要なのです。
日本の経済に打撃を与えるイベントで増加する
もっともな話ですが、ストレス社会は企業の業績と連動しても発生します。2008年9月に発生したリーマンショックは記憶に新しいものです。米国の企業が破たんしたのが発端ですが、世界に影響は波及し、日本にも多大な影響を与えました。
経済が停滞することは生活の質が落ち込むことになります。リーマンショックの際には、株価が暴落し、企業が採用していた派遣社員を大量に「派遣切り」するなど大きなニュースとなりました。企業の含み益が損失計上されたり、投資家の生活や派遣社員であった人の生活が行き詰まるなど、経済は生活と密接な関係にあります。
職を失ったり、収入が減ったりとストレス社会はこうしたイベントが発生するたびに取り上げられます。
ストレス社会と上手に付き合う!
一人で生きているわけではありません。ストレス社会を完全になくすことは不可能です。では、ストレス社会の中で過ごすにはどうしたらいいのでしょうか。上手にストレス社会と付き合うことなのです。ストレス社会はいつの時代もどの国にも起こり得るものです。
無理をしない
ストレス社会と付き合うことの最初の一歩は、日ごろの生活において無理をしないことです。人間のスペックには限界があります。スペックを超えた状態がストレス社会を生み出します。一人で抱え込んで自分が心身ともに不調となってしまったら、労働力においても、家族の一員としても大きなロスとなってしまいます。
ストレス社会に生きることは避けられませんが、自分のからだを壊してまで活動する必要も意味もないということです。時には思い切って休養をとる勇気も必要です。
現実を直視する
ストレス社会に生きていると、自分の立ち位置や居場所が曖昧になるものです。自分は何をしたいのか、あるいはどこに向かっていきたいのかをはっきりさせることで解決の糸口は見えてくるものです。ストレス社会にとってはしっかりと目の前を見据えていくことが必要です。
楽しみを見つける
ストレス社会にいる身として身の回りのことが「やらされごと」「かたづけごと」として毎日を過ごしがちです。そのような過ごし方を続けていると自分の成長に支障があります。目の前にある物事全てにおいて楽しみを見出すことが大事です。
楽しみを見つけることができれば、他の物に対しても同じように接することができ、生き生きとした表情に変わっていきます。生き生きとした表情は周囲に明るさをイメージさせ、自分を成長させる効果があります。
支え合う
ストレス社会には人間関係が起因するものであると最初にお話ししました。自分と同じ環境で育って同じ経験値を持っているのは自分だけなのです。周囲の人も同じことが言えます。確執や対立が起こっても仕方のないことなのです。まずはここを押さえておきたいものです。
いくら経験値があって仕事ができる人であっても、協力者がいなければ仕事は成し遂げられません。支えられ、支えていく人を目指しましょう。
ストレス社会に立ち向かおう!
ストレス社会で毎日お疲れの人は多いかと思いますが、ストレス社会に立ち向かったり、上手に向き合うことはできるので、負けずに折れずに頑張って行きましょう。