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「はいさい」の意味と使い方・由来・「めんそーれ」との違い

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「はいさい」の意味と使い方

「はいさい」とは、沖縄の言葉で、軽いあいさつの意味があります。英語の”Hello”、”Hi”と意味も使い方も同じで、時間帯に関わらず使うことができます。標準語に言い換えると、「やあ」「どうも」「おはよう/こんにちは/こんばんは」という意味になりますが、「元気にしてる?」という挨拶の意味まで含んでいることもあります。

沖縄に暮らす人でなくても、「はいさい」は、耳にしたことのある言葉でしょう。「ハイサイおじさん」という曲で、「はいさい」という言葉が有名になりました。その後、NHKの朝の連続小説「ちゅらさん」の中でも使われていました。若い人が実生活で使うことは、多くありませんが、電話口にでるときに沖縄では、「もしもし」よりも「はいさい」を使っています。

挨拶

”Hello”や”Hi”は、海外に行けばすぐに使うことができますが、沖縄に行って「はいさい」と挨拶を交わしたことがありますか?軽い挨拶の意味を持つ言葉だと知っても、普段沖縄に住んでいない旅行者が、現地の人に「はいさい」と挨拶している光景は、あまり見かけられません。耳には馴染んでいるけれど、使えるほど馴染んでいない言葉といえます。

「はいさい」は、意味・由来を知らずに使うと、相手に対して失礼にあたることもあるので、使ってみたいと思う人は、まず、「はいさい」という言葉の由来を確認しましょう。由来を知ったうえで、正しい意味となるよう使ってみましょう。

使い方

「はいさい」は、方言というよりは、沖縄の言葉です。「はいさい」を使った文章を使ってみようとしても、イントネーションや発音が独特なので、なかなかできません。ここでは、沖縄出身でなくても、なんとか使える文例をご紹介します。イントネーションや、微妙な発音を工夫して、沖縄言葉っぽく使ってみてください。

【文例】
・はいさい、元気やみ(どうも、元気かい?)
・はいさい、いい、てぃんち、やーさい(こんちわー、いい天気ですねえ)

「はいさい」の意味の由来

沖縄がかつて、「琉球王国」と呼ばれる独立王国であったことをご存知でしょうか。沖縄が日本領土となったのは、1872年なので、明治時代にあたります。

琉球王国は、「王国」と呼ばれるとおり、王を頂点とする身分社会が形成されていました。沖縄の言葉は、方言というよりは、琉球王国の言語です。琉球王国で使われていたときの意味や使い方を踏まえて、使い方を間違わないようにしましょう。

身分社会のなかでの「はいさい」

「はいさい」は、琉球王国の時代から使われていた言葉です。当時、「はいさい」は、琉球王国の身分の中で、平民が使用する言葉でした。つまり、「はいさい」は、平民どおしで挨拶を交わす際に使われる言葉であって、平民から高い身分の人に対しては、使われない言葉でした。「はいさい」は、目上の人には使わない言葉として、認識しておいた方が良いでしょう。

しかし、難しいことに、首里周辺では、「はいさい」は平民の挨拶として使われますが、首里以外の那覇やその他の地区では、目上の人に使う言葉とされます。首里とそれ以外の地域で、使い方が真逆になります。

地区による「はいさい」の使い方の違い

王宮のあった首里周辺では、「はいさい」は敬語の意味はなく、目上の人には使われませんが、首里以外の那覇や、その他の地区では、尊敬語の意味になります。那覇周辺では、「はいさい」をカジュアルに使うことができます。沖縄旅行で、せっかくだから現地で「はいさい」を使ってみたい」という場合は、使う場所と相手を見極めることが必要です。

ご紹介しているように、首里ではうかつに使わない方が無難といえます。那覇周辺で、若者相手であれば、カジュアルに使っても問題ありません。

沖縄弁

沖縄弁とも呼ばれる沖縄の言葉は、日本語のルーツである大和言葉を語源とするものではなく、琉球王国の言葉が語源となっています。沖縄口(ウチナーグチ)とも呼ばれています。

沖縄の方言は、本島と島々でも異なりますが、いずれも語源は琉球の言葉です。大和言葉をルーツとする東北弁や関西弁とは、語源が異なるので、本土の人間にとっては、聞き取れず、意味の推測も難しい言葉なのです。

方言

沖縄弁自体は、日本語の方言というよりは、琉球語が使い続けられていると考える方が、しっくりします。その沖縄弁の中にも、各島々で方言があります。島が異なれば、同じことを意味するのに、違う言葉が使われている、ということもあります。

沖縄の方言は、大きく分けると北琉球方言と、南琉球方言にわけることができます。北琉球方言は、奄美諸島から沖縄本島にかけて使われています。南琉球方言は、宮古島以南で使われています。北琉球方言は、さらに奄美方言と沖縄方言に分類され、それぞれがさらに北と南の方言に分類されます。南琉球方言は、宮古方言、八重山方言、与那国方言の3分類に分かれます。

「はいさいおじさん」にこめられた意味

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「ハイサイおじさん」は、喜納昌吉のデビュー曲で、1976年に発売されています。歌詞は、実体験にもとづいて、書かれていると言われています。歌詞は、いわゆる沖縄弁で書かれており、本土の人間が、歌詞のままで内容を理解するのは、無理でしょう。歌の内容は、少年と、近所に住むおじさんとのやり取りで、成り立っています。

内容の訳を見ると、ませた少年とおじさんのコミカルな問答に見えます。この問答だけでは、歌に込められた意味まで、推し量ることはできませんが、歌中に登場しているおじさんのモデル背景が語られています。

おじさんは、沖縄戦で疲れ果て、心を病んだ妻を持つ人。妻は自殺。おじさんは酒に溺れていく。「はいさい」を有名にした「ハイサイおじさん」では、戦争による辛い過去を負い、社会的弱者になったおじさんのことが、おおらかに歌われています。

「はいさい」と「はいたい」の意味の違い

ここまで「はいさい」について、ご紹介してきましたが、実は「はいさい」は、誰でも使える言葉ではありません。「はいさい」は男性が使う言葉で、女性が使うのは、不適切です。「はいさい」を使う場面で、女性が使う言葉が「はいたい」です。

若い世代では「はいさい」と「はいたい」を区別していない人もいますが、正しくは、「はいさい」が男性用語、「はいたい」が女性用語として区別されています。意味は全く同じです。若い世代は、使い方に寛容ですが、せっかく使うのなら、年配の人からも認められる、正しい使い方をしましょう。

「はいさい」と「めんそーれ」の意味の違い

「はいさい」は、ご紹介してきたように、軽い挨拶を意味する用語です。それに対し、「めんそーれ」には、挨拶の意味はありません。めんそーれは、「いらっしゃい」というで意味で使われます。標準語で、「いらっしゃいませ」を使うシーンであれば、「めんそーれ」も使えると考えて良いでしょう。

家を訪ねたときに、家人が「ようこそ、いらっしゃい」と言いますが、「めんそーれ」も同様の使い方ができます。しかし、こういった人を招き入れる意味で、めんそーれが使われることは、多くはありません。そもそも、沖縄で「めんそーれ」は観光の言葉になっていますが、日常的には、それほど使われていません。

「はいさい」と「めんそーれ」では、意味は違いますが、双方とも、現地の人の日常語ではなく、観光用の言葉として有名になっているという共通点があります。

沖縄に行ったら使ってみたい「はいさい」

ご紹介したように、「はいさい」は、使う地域によって、「目上の人に使う言葉」の意味になったり、「目上の人に使ってはいけない言葉」の意味になったりするので、上手に使うのは難しい言葉といえます。それでも、沖縄に行ったら、現地に染まって、現地の言葉を使ってみたいこともあります。

現地の人に失礼にならないよう、「はいさい」を使う地区を考えましょう。その場にあった使い方ができるように準備して、「はいさい」「はいたい」を挨拶に使えたら、沖縄に溶け込めたような気分が味わえるでしょう。現地で、元気に、「はいさい」「はいたい」を使ってみましょう。

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