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「奈」の意味と使い方・語源・名前で使う時の意味・読み方

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「奈」の意味と使い方

「奈」という文字は、以前から女の子の名前に人気の文字です。しかし、地獄を意味する「奈落」などに使われることから、名前に使っていいのか疑問に思うこともあるでしょう。

また、普段はあまり使わない漢字でもあります。使用例を挙げるとしたら、「奈良」「神奈川」などの地名以外を挙げるのはなかなか難しいのではないでしょうか。今回は、そんな「奈」の意味や使い方などを紹介していきます。

意味と使い方

「奈」は「ナ」という読み方のほかに、「タイ」「ダイ」などの読み方もあります。意味としては、昔中国から日本に伝わった唐梨(カラナシ)という植物や、ベニリンゴを指す漢字です。唐梨とはカリンを指します。

一方、「奈」には「どうやって」という手段ややり方を表す疑問の意味もあります。これは「いかん」という疑問の言葉に「奈何」という漢字をあてたことに由来します。現代の言葉にも、「いかんともしがたい」などの形で残っています。

また、古代の人々は、「ナ」という音をあらわす当て字として、この漢字の「奈」を使いました。「奈伎弖(鳴きて)」「奈支(なし)」というように、漢字の音だけ使った表音記号として用いられています。現在使われているひらがなの「な」は、この「奈」をもとにしています。

「奈」の意味の語源

「奈」を分解すると?

「奈」はもともと「木」の下に「示」と書いていました。「示」という漢字は、神事(お祈りなど、神に関わる行事)に使ういけにえを載せた台を意味しています。そこから、神事に関係することを表す字として使われました。「奈」は「木」と「示」で、もともとは広く神事に使われた果樹を意味する漢字でした。

神事にはベニリンゴやカリンを使っていたことから、次第にこれらを表す漢字となりました。神社などで神事に使われる木を榊(さかき)といいます。ここにも「木」と「示」があります。

現在、私たちが思い浮かべる果物は品種改良されているので、昔は果物は全体的に今のサイズより二回りほど小さいものでした。その中で比較的大きな果物であったベニリンゴやカリンは見栄えもし、香りもよかったので、神への捧げものとして重宝されました。

名前で使う「奈」の意味

「奈」は女の子の名前によく使われる漢字です。名前に使われる漢字として、ここ数年ずっと人気の漢字です。理由としては、

・使い勝手がよい。
・「ナ」の音がかわいい
・末広がりの「大」と「示」が使われており、縁起がいい
・左右対称で覚えやすい、書きやすい

などの理由があります。

名前に人気の「奈」ですが、人気の理由を見ると、「奈」という漢字自体の意味とはあまり関係のない理由が主です。では「奈」にはどういった意味があるのかをご紹介します。

優しい

「奈」という漢字が表すベニリンゴやカリンは優しい香りがすることから、「奈」は優しさを表す漢字として使われます。また、「ナ」という柔らかい響きから、名前に優しい印象をつけることができます。「優奈」は優しいという意味の漢字を二つつなげた名前です。また、「春奈」は春の優しい温かみが伝わってくるような名前です。

永遠

「奈」はカリンを意味する漢字ですが、カリンの花言葉は「唯一の恋」です。そこから、恋に限らず唯一で永遠に続くという意味も持っています。「幸奈」という名前は、幸せが永遠に続くようにという願いが込められています。また、「愛奈」も、愛にあふれた生活がずっと続くようにとの思いが込められています。

そのほかの意味

カリンの花言葉は「唯一の恋」のほかに、その見た目から「優雅」「豊かで美しい」といったものがあります。そのため、「美しく健やかに成長してほしい」「豊かな人生を歩んでほしい」という願いを「奈」の字で表すことができます。

また、「努力」「可能性がある」という花言葉もあるので、「夢に向かってひたむきに努力できる人間になってほしい」「いろいろな可能性を広げてほしい」といった願いも込めることができます。

「奈」の名前で使うときの読み方

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王道は「ナ」

「奈」を名前で使うときの読み方の多くはやはり「ナ」です。「ナ」という音はかわいい感じがするので、女の子の名前によく使われます。「奈央」「加奈」「杏奈」など、「ナ」と読む名前の例は枚挙にいとまがありません。

「奈」は昔から、本来の意味とは関係なく、「ナ」という音を表す漢字として使われています。例えば「奈落」という言葉は、古代インドで使われていたサンスクリット語の「ナラカ」という言葉を和訳する際に「奈落」と字を当てました。そのため、「奈」という漢字自体に悪い意味はありません。

また、「神奈川」という地名にも「奈」が使われています。「神奈川」の名前の由来は諸説ありますが、「上無川」や「金川」が訛って「かながわ」という呼び方をされるようになり、そこにあとから「神奈川」の字をあてたとする説が有力です。いずれにしても、「奈」の音だけ借りた表音文字として使われています。

一文字で「カリン」

あまり使われることのない読み方ですが、「奈」はカリンを表す漢字なので、一文字で「カリン」という名前にも使うことができます。

男の子の場合には「ダイ」「タイ」

女の子の名前に人気の「ナ」ですが、「ダイ」という読み方もあるので、男の子の名前にも入れることができます。「奈悟」でダイゴ、「奈助」でダイスケと読むことができます。「タイ」とも読むことができるので、「奈登(タイト)」というような読み方もできます。

また、「奈央斗(ナオト)」「奈津夫(ナツオ)」など、男の子によく使われる字と組み合わせることで、「ナ」という読み方で男の子の名前に入れることもできます。

「奈」の男性の名前に使うときの意味

あまり男の子の名前で使うイメージのない「奈」ですが、「優しさ」などの意味以外に、男の子の名前に使うのに適した意味も持っています。

力強い樹木のイメージ

「奈」はもともと樹木を表す漢字なので、力強く大地に根をはった樹木のイメージをこの漢字に載せることができます。「奈樹(ダイキ)」などはまさしくそのイメージです。樹木が健やかに成長するように力強い男の子に育つような名前です。

また、たくさんの実をつけた樹木のイメージから、実りの多い人生を送ってほしいという願いを込めて、この字を使うこともできます。

「隆盛を極める」というイメージ

「奈」の字は、都として栄えた「奈良」に使われているので、「隆盛を極める」というイメージもあります。ナポレオン一世を日本語で表記する際に「奈翁」と表記するのもこのイメージからです。

ナポレオンは軍事独裁政権を敷き、皇帝にまで昇りつめ、一時期隆盛を極めました。そのナポレオンの「ナ」の音に、の「奈」の字がふさわしいと思われたために、この字が採用されました。そのため、「強い」「栄える」といった意味をおびる漢字でもあります。

「奈」と「菜」の違い

「奈」と同じくよく使われる「菜」ですが、二つの違いはどのようなところにあるのでしょうか。「菜」の意味と、「奈」と「菜」の使い分けをご紹介します。

「菜」のなりたち

「菜」の字は、草冠に「ノ」「ツ」「木」に分解することができます。草冠は、並び生えた草を表しています。また、「ノ」はもともと「手」の意味です。「ツ」は木の上になっている実、「木」はそのまま木を意味します。「菜」は木の上になっている実を手で摘み取る形を表した字で、採取して食べる植物の総称です。またそこから、料理を意味することもあります。「主菜」「副菜」などがその例です。

現在では菜の花を指す漢字として知られています。菜の花は春に咲く黄色い花です。そこから、春の優しいイメージを想起させます。また、青々としげる野菜のイメージも持っており、健康的な魅力を表します。

「菜」を名前で使う時の意味

菜の花は春の訪れを知らせてくれるかわいらしい花です。川の岸辺などによく咲いています。まだ春先の寒い中でも、それを見ることで春の息吹を感じる人も多くいます。そこから、春のうららかなイメージを「菜」の漢字に込めることができます。

菜の花の花言葉は「明るさ」「快活」です。そのため、明るい子に育ってほしい、健康的で活発な子に育ってほしいという願いを込めて、「菜」の字を名前につけることもあります。

また、道端に力強く根をはる草花のイメージから、強く生きてほしい、という願いを込める人もいます。

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「奈」と「菜」の違い

「奈」も「菜」も、植物を表すという点では共通したものがあります。また、「優しさ」を表す漢字であるという点でも共通しています。では、両者の違いはどのようなものでしょうか。

「奈」は先に述べたとおり、「優雅で豊かな美しさ」を表します。それに対し、「菜」は「ほのぼのとした美しさ」を意味しています。どちらも美しさ、優しさを表す字ですが、その美しさの質が違っています。

そのほかに、「奈」には「努力」「可能性」という意味や、末広がりで縁起がいいといった特徴がありました。

そのほかの「ナ」という読み方の漢字

名前によく使われる字で「ナ」という読み方をする漢字は、他に「那」や「南」があります。それぞれ、どのような意味なのでしょうか。

「那」という字の左側の部分は、毛や糸が多く豊かに垂れている様子を表します。また、右側の部分は特定の土地を表し、合わせて「実りが多く、豊かな美しい村」を意味します。そこから、この漢字は「多い」「美しい」という意味を持つようになりました。女の子の名前に適した文字として、最近人気を集めています。

「南」という文字は、草木を暖かい納屋に入れて栽培する様子を表した漢字です。そこから、「囲まれて暖かい」という意味になりました。それが転じて、暖かい方角つまり南方を指す言葉になりました。周囲の環境に恵まれて、暖かい雰囲気の中で健やかに育ってほしいという願いを込めるのにはうってつけの漢字です。

「ナ」にあてる漢字に込める意味

いかがでしたでしょうか。よく名前に使われる「奈」ですが、意味やなりたちなど、意外と知らないことも多い漢字でした。「ナ」の音を表す漢字は「奈」以外にもたくさんあります。どのような人間になってほしいのか、どのような人生を歩んでほしいのかなど、親の願いによって使う漢字も変わってきます。名前を考えるときは、いろいろな漢字の意味などを比べて、素敵な名前を考えてください。
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