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「津」の意味と使い方・語源・名前の意味・地名の意味・漢文

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「津」の意味と使い方

「津」という漢字を見ると、あなたは何を連想するでしょうか。津という一文字ならば、三重県にある津市という地名を思い浮かべる人もいるでしょう。一文字だけで地名を表しているのは珍しく、日本で有数の短い市名ということでも有名です。

津という文字には、どんな意味があるのでしょうか。津という文字について、どのような意味がありどんな使われ方をしているのか、また語源などについても詳しく紹介していきます。

「津」の意味

津の意味は、船着き場や港、人が多く集まる場所あるいは地域、またまったく違った意味で、人体から染み出る液などがあります。人体から出る液とは汗や涙、つばなどのことを指します。

そのほかに「染み出る」「あふれる」水分がいきわたるさまを表す「うるおう」といった意味があります。どの意味からも、水に関することという共通点があることがわかります。

「津」の使い方

津という文字は偏(へん)に「さんずい」がついていることから、「水」に関連することに多く使われています。

よく使われているのは「津波」です。津波はアリューシャン地震の際、ハワイの日系移民の多くの人がツナミという言葉を使ったため、アメリカでも「Tsunami」といわれるようになりました。現在ではTsumami(ツナミ)という言葉は国際語となり、世界中で使われています。

また、津という字は人名や地名にもよく使われています。水とはどういった関連性があるのでしょうか。これについては、後ほど詳しくお伝えします。

「津」の意味の語源

津という漢字は偏(へん)が「さんずい」で、旁(つくり)が「筆」という文字の元になった形になっています。津の旁は、人が手で筆記用具を持っている象形からきています。さんずいが水を表し、筆からしずくがしたたり落ちる様子を表していることなどから、津は汗や涙といった体液を暗示させている文字といわれています。

金文という古代中国の青銅器に刻まれた文字の中に、淮(わい)という文字と舟とを組み合わせている形の文字があり、それが津と同じ音をふんでいたことから渡し場、船着き場という意味で使われるようになったということです。

「津」の名前で使われる時の意味

津という文字は、名前などにもよく使われています。生まれてくる子供の名前は、親たちのいろいろな思いが込められ名付けられています。津という文字は、どんな思いで使われているのでしょうか。

津という漢字の意味には船着き場や港、岸といった意味があり、舟に乗ろうとする人々や見送りにくる人、舟から降りてくる人など、たくさんの人が集まる場所でもあります。

津という字を名前に使う思いというのは、津にはそういった大勢の人で賑わうイメージがあり、たくさんの人たちが寄ってきてくれて、友人たちらに囲まれて楽しく幸せな人生を送って欲しいという願いが込められています。

女の子の名前に使われる「津」

津を使った女の子の名前には「奈津美」「奈津子」「志津香」など、ほかにもたくさんの名前があります。津という文字には、うるおすといった意味があり、生活をうるおすためのお金という意味を含んでいます。

女の子が生まれたときに、将来お金に困らずにうるおいのある生活ができますようにという意味で、親たちが願いを込めて名前に津の字を使っているのでしょう。

男の子の名前に使われる「津」

男の子の名前にも「津」の字がいろいろ使われています。「三津男(みつお)」「 優津樹(ゆづき)」などがありますが、これらは「光男」「佑月」などという字が一般的ですが、敢えて津という字が使われているのには、「津」の文字の持つ意味が込められているのではないかと予想できます。

たくさんの友達に恵まれるように、うるおいのある人生を送って欲しいといった願いが込められているのではないでしょうか。

「津」の地名の意味

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津の文字が使われている地名はというと、まず思い浮かぶのが三重県の「津市」ではないでしょうか。三重県の県庁所在地であり、日本で有数の短い市名でもあります。津市は伊勢湾に面しています。

津がつく地名には、「大津市」や「沼津市」「会津若松市」など市だけでもたくさんあり、全国の町名ともなれば数えきれないほどです。

津という字が地名に使われているのは、津の持つ意味の港や船着き場などから連想すると、海がまず思い浮かぶでしょうが、海に面している地域ばかりではありません。

船着き場などは内陸部の河川にもあることから、必ずしも海に面していなくても、河川の船着き場に人々が集まり、そこから集落ができ発展していったことから、津という字を使った地名となっているところがたくさんあります。

津のつく地名のほとんどは、海や川や湖など、水辺に面しているところにつけられているといえるでしょう。

「津」「港」「湊」の違い

津という文字は、港や船着き場を意味する言葉として使われていることがわかりましたが、では「港(みなと)」や「湊(みなと)」とはどのような違いがあるのでしょうか。

港というのは、元々は船がとおる「水路」を表していました。そのため船着き場という意味はありませんでした。湊は物が集まってくるという意味があり、水上航路も集まるところということから、みなとの意味を成していました。

また古くは港湾施設のうちで、水上の部分を「港」、陸上の部分を「湊」というように使い分けていました。

港も湊も、今は同じような意味で使われるようになり、現在は港の文字の方が多く使われています。津をみなととして使っていたのは、江戸時代以前ということで、船着き場という意味では古い使われ方ということになります。

「津」の漢文で使われる時の意味

「津」という文字は中国語の読みをすれば「チン」と「ジン」の間ぐらいの音で、「ツェイン」というような発音になります。中国で津のつくものといえば、天津市があげられますが「ティエンジン」といったような呼び方になります。天津市は中国の国家中心都市の一つにあげられ、中国の北方では最大の対外開放港となっていて、経済が発展している都市です。

「桃源郷(とうげんきょう)」という言葉の語源となった漢文の「桃花源記(とうかげんき)」という書物の最後には、「後遂無問津者」と書かれていて、そのあとに「津を問うもの無し」と書かれています。物語の中で津は、偶然に漁師が見つけた桃源郷に通じる川の、船着き場の意味を表しています。

このように漢文や中国においても津という文字は、現在日本で使われているのと同じような意味で使われていた、ということになります。

「津」の読み方

津という文字は、訓読みで「つ」、音読みだと「しん」という読み方をします。つという読み方で使われているのは、津波(つなみ)や津々浦々(つつうらうら)などがあります。津波は、地震などによっておこる波の伝播現象のことをいいます。津々浦々というのは、全国いたるところという意味や、小さな港や海岸に至るまでという意味があります。

しんという読み方で使われているのは、興味津々(きょうみしんし)や竜躍雲津(りょうやくうんしん、りゅうやくうんしん)などがあります。興味津々は、あとからあとから興味が湧いてくる様を表します。竜躍雲津は、才能が満ちあふれている様子や出世するという意味を表します。

津という字が水や港、あるいは染み出るやあふれるといった意味を持っているので、使われている語句にも、同じような意味が含まれています。

深い意味を持つ「津」という文字

津というたった一つの文字には、実にさまざまな意味があり、いろいろな使われ方をしています。もともと船着き場という意味があった津という文字は、そこに集まる人々や賑わいのある場所という意味から、さまざまな解釈をされるようになりました。

津という文字は、子どもの名前に思いを込めて使われたり、また水があふれるさまを表して津波いう言葉にも使われるようになりました。

津という漢字には、このようにさまざまな意味が込められ使われています。漢字には、その文字ができた由来があり、多くの意味を表現できる力があるということです。

津という漢字を使った名前を持つ人が、あなたの周りにもいませんか。もしいたら、どんな思いが込められてつけられたのか、聞いてみてはいかがでしょうか。

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