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「時系列」の意味と使い方・例文・語源・書き方|時系列分析

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「時系列」ってどういう意味?どう使えばいいの??

「時系列」という言葉はよく耳にします。しかし、辞書で時系列の意味を調べてみると、意外に専門的な言葉であることに気づきます。一方、報告書を時系列で記述するとか、歴史上の出来事を時系列にまとめるなどという一般的な意味の表現もあります。

本記事では、まず統計学などで使われる専門的な意味としての時系列を説明します。そして、時系列の元となった英語、時系列が使われる報告書の書き方などを解説いたします。

時系列分析

時系列分析とは、統計の手法のひとつを意味します。時系列分析の意味を知るには、まず統計のもととなるデータ、つまり時系列データとは何かを知る必要があります。

例えば、飲食店を経営していたとしましょう。そうすると、何時何分に客が来店して、何を注文したというデータがまず考えられるでしょう。他にも、何人組で来客したとか、食べ終わって出ていくまでの時間などもデータ化することができます。

このように、記録しようと思えばどんなデータにも時間を記録できるので、そもそも統計データの全てが時系列データであると考えてしまいがちです。しかし、時系列分析とは、まず一定の時間に区切り、その間で何が起きたのか、数や量を分析することを意味します。次項の時系列データでさらに詳しく説明します。

時系列データ

時系列データとは、ある一定の時間で事象を測定したものをいいます。つまり、先ほどの例ではお客が入ってきたから記録を取るのではなく、ある時間に区切ってお客が何人入ってきたかなどを記録します。

つまり、第一に時間ありきであることに注目してください。事象が発生したタイミングに合わせて行うわけではありません。

さらに、ある区間とある区間のデータには直接的な関係があるものとみなし、データを線で結びます。このため、その中間点でのデータも計算によって求めることが可能です。例えば、飲食店の例では、15時~16時の来客数と、18時~19時の来客数を測定すれば、17時~18時の来客数を予想して求めることが可能な場合もあります。

時系列データモデル

先ほどのごく単純な例でご説明したように、過去の事象を時系列データとしてまとめると、どのような傾向があるのか予想することが可能です。これが時系列予想という言葉の意味です。これによって、測定をしなくてもあるタイミングにおけるデータの値を事前に知ることが可能です。

このため、ビジネスの分野におけるマーケッティングや、株式の予想などの分野で時系列予想が使われています。時系列データモデルは「自己回帰モデル」「総合モデル」「移動平均モデル」の3種類に分類することにより、より実用的に使えるようになります。

これらのモデルは、高度な数学的知識が必要なため、ここでは省略します。より詳しく知りたいかたは専門書を読むことをします。

時系列整理

時系列整理という方法は、時間の順番に事象を記述していくことで、物事を分析したり、問題を整理、改善する方法です。

例えば、食中毒の被害に遭った人に対して、何時何分にどこにいて何をしたということを順番に書いてもらうなどが時系列整理にあたります。これらの時系列整理された内容を複数集め、照合することで、食中毒の原因となった場所、食べ物などを特定することができるでしょう。

また、刑事ドラマでアリバイを確認する作業も時系列整理を行っているとすることができます。このように、時系列整理という言葉は知らずとも、学校や会社や、プライベートにおいてさえ無意識に行っている整理方法が時系列整理の意味です。このため、これは、統計学とはまた別の時系列と言えます。

「時系列」の意味の語源って何だ?

時系列と言う言葉は英語の和訳と言われており、「time series」という言葉が時系列の語源となります。既にご説明したように、時系列データとは一定期間において、等間隔で事象をサンプリングしたものです。

時系列は、このようにして得られた一連のデータ数・列を意味します。つまり、時系列とは学術的な用語、統計用語であるということになります。

時間の順番に従ったデータである歴史の年表などは、「クロノジカル(chronological)」という言葉があります。このクロノジカルも「時系列」と訳すことがありますが、「年代順の」という限定した意味になりますから、本記事で紹介している時系列の語源とは言えません。

「時系列」をシーン別に上手に使おう!

時系列はビジネスシーンで使われる言葉のひとつです。よく書くことがある文書の例を紹介します。

経過報告書

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経過報告書とは、事故や災害があったときに、現在も影響による不具合、トラブルが継続しているとき、顧客に途中経過を報告するものです。経過報告書といっても、行う作業によってフォーマットは異なります。しかし、「経過」とあるように他の報告書と比べ、時系列が重視されます。

具体的なフォーマットを以下に示します。

・発生日時

・発生場所

・内容:どのような不具合やトラブルなのか記述します。

・現状:現在、不具合やトラブルが解決したのか。どこまで解決したのか現状を報告します。

・経過:不具合やトラブルがどのような時系列で発生し、現状に至る対処の経緯を報告します。

このような順番で書くことが多いです。そして、「経過」のところで時系列に沿って状況を報告しましょう。ポイントを明確にして、箇条書などで簡潔な表現に記述します。もし量が多くなる場合は、別紙で提出するのも良いでしょう。

作業報告書

作業報告書の場合、時系列に沿って書くと、逆に分かりにくくなることがあるので注意が必要です。例えば、ある企業にパソコンを納入して、社員がすぐに使える状態にセットアップするという仕事を行ったとします。

これを、その企業の入門時間から、パソコンを運び入れた時間、電源やLANケーブルを配線した時間などずらずら書いていては読む方も大変です。その間に、客先との打ち合わせや、設置が完了したパソコンのソフトのインストールなど並行して行う作業もあるでしょう。

それを時系列に正確に記述しても意味がありません。特に客先に提出する作業報告書なら、この場合どのように作業したかはほとんど意味がなく、何を行ったか、問題はなかったのかが確認できるほうが大切です。

時系列で書く場合、本当に必要な部分のみに留めましょう。

「時系列」の意味と例文について

すでに紹介してきたように、時系列には統計学の用語として使われる時系列の意味と、報告書などで使われる一般的な意味の時系列という言葉があります。このため、この二つの意味に分けて例文を紹介します。

統計学などの時系列

・テーマパークのアトラクションごとに、日、週、月別の時系列データを作成し、分析することで、年間を通じて安定した来客数を確保することに成功した。

・FXなどにおけるテクニカル分析は、需要と供給を移動平均線などの時系列データとしてチャートにすることで、今後の値動きを予想しようとするものだ。

一般的な意味

・この長編漫画の各登場人物の話している内容を時系列で並べてみると、矛盾が生じている。

・この地震による被害状況の拡大を時系列でまとめると、意外に二次災害が多いことが分かる。

時系列を上手に使おう!

今回は、時系列という言葉の意味を紹介しましたが、いかがでしたか。統計学の時系列分析は専門的な知識が必要となりますが、多かれ少なかれ、企業はこの手法を採用して業績を伸ばそうとしています。

表計算ソフトのエクセルなどでも、時系列データの処理を行うための関数やツールが用意されていますので、興味のある方は使い方を学んでみるのも良いでしょう。また、通常使う意味の時系列も、仕事に限らずプライベートにおいて過去の出来事を整理したり、優先順位を決定するのに役立つでしょう。

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