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エアコンの原理と仕組み

一般的なエアコンは、部屋の天井付近に設置する室内機のほかに、必ず屋外に設置する室外機が必要です。そして、室内機と室外機は特殊なパイプで繋がっています。
実はこのパイプを通っている物質が、冷房も暖房も可能にしてくれています。まずはこの原理について、簡単に紹介します。
エアコンの冷房の原理は潜熱
そして、物質が液体から気体に変わる際、周囲から熱を奪っていきます。例えば、消毒用のアルコールを肌に塗ると冷たく感じます。これは、液体の消毒用アルコールが蒸発する際、周囲の熱を奪うからです。
この原理は潜熱と呼ばれる現象です。分子同士の結びつきが強い液体から、結びつきを引き剥がされて気体になる際、そのエネルギーとして周囲の熱が使われます。エアコンの他に冷蔵庫なども、この原理を使って冷やしています。
エアコンの暖房の原理は断熱圧縮
例えば、ディーゼルエンジンには、ガソリンエンジンのような点火プラグがありません。ディーゼルエンジンは、燃料と空気の混合ガスを、シリンダーの中で圧縮し、その熱で発火させて動力に換えています。
このように、空気を圧縮するだけでもディーゼル燃料が燃えるほどの温度が得られます。エアコンは、モーターの力で気体を圧縮し、断熱圧縮の原理により発生する熱を利用して暖房しています。
エアコンの中の冷媒が冷房と暖房を行う
そして、エアコンでは、この原理を効率良く利用するための冷媒と、強力なコンプレッサーとが組み込まれています。この2つは、次のように働いています。まず、冷房は、コンプレッサーが圧縮して室外機がある程度冷やした液体が、室内機の中で気体になる際に熱を奪う現象を利用しています。
また、暖房は、コンプレッサーが圧縮して温度の高くなった液体状態の冷媒の熱を暖房に使い、室外機で気体に戻しています。
熱力学
エアコンは、冷媒の物理現象を使って、室外機の中に、部屋の温度よりも低い状態を作り出し、冷房に使っています。また、暖房では逆に、室外機の中に部屋の中よりも温度の高い状態を作り出します。そのため、室外機だけを見れば、熱力学の原理に沿った働きをします。
エアコンのヒートポンプの原理
しかし、エアコンはエネルギーを使うことで、これを可能にしています。なお、これを可能にできた原因は、前に説明したとおり、冷媒とコンプレッサーの働きがあってこそです。
ヒートポンプの原理
しかし、圧縮前の気体と圧縮後の液体とでは、その温度が違っています。そして、この温度の差を利用すれば、ヒートポンプとしての利用が可能となります。
温度の高い液体の温度が、夏の暑い時期の気温より低ければ、その気温まで冷やすことで、気体に戻した際の温度はより下がります。逆に、温度の低い気温よりも冬の気温が高ければ、その温度まで上げることで、液体にした際の温度がより高くなる訳です。
エアコンは、この原理を利用して、夏の暑い外気に熱を捨てたり、冬の寒い外気から熱を取り出したりしています。
冷房時のヒートポンプの限界
しかし、気温の上がる夏の暑い昼下がりは、エアコンの効率が落ちます。これは、冷媒が液体状態の温度と気温との差が小さくなると、冷媒が冷えなくなり、その分気体になった際の冷却効果が落ちてしまうからです。
日本で売られているエアコンは、外の気温が48度になるとモーターの過負荷を避けるリミッターが働きます。もし、その温度になる前にエアコンが冷えなくなったら、冷媒が漏れているなど故障の可能性があります。一度、電気屋さんに見てもらってください。
寒冷地仕様のヒートポンプ
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エアコンとほぼ同じ構造の冷凍庫は、マイナス18度になるように設定されています。つまり、ヒートポンプの原理を使えば、0度を下回るほどの寒い冬の外気からでも、熱をくみ上げて部屋の暖房に使えます。
実際、一般的なエアコンは、外の気温がマイナス10度でも動作するように作られています。さらに、寒冷地仕様のエアコンでは、マイナス25度でも暖房できるので、エアコンは北国の暖房にも使えます。
エアコンコンプレッサーの原理と役割
そして、エアコンのコンプレッサーは、冷媒の圧縮に使われる重要な部品です。これがエアコンの性能の8割を決めるとも言われています。そのため、エアコンを製造しているメーカーは独自の工夫を行い、少ない電力で効率良く圧縮するコンプレッサーを開発しています。
一般的なエアコンのコンプレッサーの構造は、円筒形のケースの中に渦巻き状の部品を2つ使っています。そして圧縮する原理は、1つを固定し、もう1つをモーターで円を描くように高速に動かすことで、冷媒を圧縮して液体に変えています。
なお、気体を圧縮して液体にするには、大きな力が必要です。そのため、エアコンには、消費電力の大きい強力なモーターが使われています。
エアコンの原理図の見方
そして、ほとんどの図では、冷媒を液体から気体に変化させて熱を吸収させ、気体から液体に圧縮して熱を放出させることを、冷媒の流れの中で解説しています。エアコンの原理は、冷媒の移動と相変化がポイントです。ぜひ、この点に注目してください。
冷房と暖房のエアコンの原理の違い
そして、ほとんどの図では、冷媒を液体から気体に変化させて熱を吸収させ、気体から液体に圧縮して熱を放出させることを、冷媒の流れの中で解説しています。エアコンの原理は、冷媒の移動と相変化がポイントです。ぜひ、この点に注目してください。
温度
なお、今のエアコンの自動設定は、かなり賢い機能が組み込まれています。もし、エコのために風量を弱めにして使っているのなら、ぜひ、自動設定で使ってください。その方が、消費電力を抑えられます。
乾燥
この結露した水分は、室外機につながったパイプで部屋の外に排出されます。そのため、エアコンから出る風は、乾燥しています。
加湿
具体的には、エアコンで冷やす前に湿気を吸い込む物質に空気中の水分を吸収させます。その後、空気を冷やし、その冷えた空気をファンで吹き出す前に、先ほど吸収させた湿気を、熱を加えて吐き出させて湿度を保っています。
このため、元々空気中にあった水分を使っているので、水を補給する必要はありません。また、この仕組みで放出されるのは、ゴミなどが取り除かれた、きれいな水分という特徴もあります。
空気清浄機能
例えば、空気清浄機のプラズマクラスターで有名なシャープでは、この機能を組み込んだエアコンです。このモデルで空気清浄機能を使うことで、エアコン内部のカビの発生も防止できます。そのため、時々この機能を使うことで、きれいな空気で過ごせるようになります。
エアコンの原理は潜熱とボイルシャルルの法則
また、エアコンの暖める原理は、体積と温度と圧力の関係は一定というボイルシャルルの法則で、気体は、圧力をかけて体積を減らすと温度が高くなります。そして、エアコンが冷房と暖房の両方を、コンプレッサーと冷媒とが実現しています。家庭用のエアコンでも、冷媒が抜けてしまうとエアコンが利かなくなります。
もし、エアコンが冷えなくなったり、暖かくならないと感じたら、冷媒が減っている可能性がありません。このような場合は、修理を依頼してください。
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