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「ベネ」の意味と使い方・由来|イタリア語/ラテン語

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良く見聞きする「ベネ」って?

街中や読み物の中でよく「ベネ」が付く言葉や単語を見かけることがあります。英語ではないし、もちろん日本語でもないはずです。由来は何だろうと考えたことがある方もいるでしょう。ここでは「ベネ」という単語の意味と使い方について解説してきます。

「ベネ」の意味とは?

ベネとはイタリア語です。Beneと書き、発音は「ベーネ」となります。「いいよ」「うまくいっているよ」などの意味を持っています。日常会話で頻繁に登場する言葉で、あいさつや調子を聞くときなどによく使われます。

ベネの使い方は?

ベネは最近調子どう?元気?などの表現である「Come Va?(コメ ヴァ?)」という問いに対し、いいよ「Va Bene(ヴァ ベーネ)」と返す時に用います。日常会話でベーネ(ベネ)だけ用いている場合は、このヴァ(Va)を省略して用いている場合です。

また電話などを掛けた時「tutto bene(トゥット ベーネ)?」と聞く際にbeneが使われます。問題ない?調子どう?うまくいっている?というニュアンスです。このように聞かれたときは「tutto bene」と返します。

ベネは英語でいうwellにあたり、「大丈夫」「良いよ」などの意味にあたります。しかしすべてのケースでwellと同様の用い方をするのではなく、会話の流れではgoodやfineの意味だったりするので、ケースによって使い分ける必要があります。

非常に、という意味はある?

ベネという単語自体に「非常に」という意味はありません。ベネが「非常に」と関連付けられたのは、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するメローネというキャラクターが「ディ・モールト よしッ」という発言をしたことに起因します。ここでは「非常に良し」という意味で用いられています。

イタリア語の「Di molt (ディ・モールト)」が「非常に」という意味を持っており、メローネが「非常によし」という言葉を用いたことで、ベネに非常にという意味があると捉えられがちですが、実際にはベネに非常にという意味はありません。

この言い回しはイタリア語としては不自然で、「molt bene (モールト ベネ)」であればなりたちますが、「Di molt bene (ディ モールト ベネ)」というとイタリア人にとっては奇妙な言い回しとなるので注意しましょう。

ベネの意味の由来は?

ベネには良い、いいよ、などの意味があると先に述べましたが、何に由来しているのかというと、ラテン語に起因しています。もともとイタリア語やフランス語など、南ヨーロッパの言語はラテン語から派生しています。フランスやイタリアなどがラテン・ヨーロッパと呼ばれるのも、フランス語やイタリア語がラテン語から生まれたことに由来しています。

また南ヨーロッパではありませんが、アフリカ大陸北部にもラテン語が影響してるので、英語やオランダ語、ドイツ語などゲルマン諸語の単語や文法にも影響を与えました。単語の由来を調べると共通する点にラテン語からの派生が多く見られます。

ベネの由来であるラテン語とは?

そもそもラテン語とは何かを簡単に説明していきます。もともとは古代ローマ帝国で公用語として使われていた言葉で、中世まで文法や単語を幾度か整備しながら使用されていました。現在は公用語として使用されなくなり、ラテン語を日常で話している国家・民族はありません。

ヨーロッパ諸国においてラテン語は非常に格式高いものであるとされ、学術書や公式文書の多くはラテン語で記されていました。19世紀までは大学の学位論文もラテン語で書くことを義務付けられていたほどです。

現代においてもラテン語は各所で姿を見せます。医学の中でも解剖学などはラテン語が用いられていますし、元素記号や生物の学名もラテン語です。

日本でも使われているラテン語

実は私たちの身の回りにも、知らずに使っているラテン語があります。例えば「Virus (ウイルス・毒)」、「ad lib(アドリブ)」、「ego(エゴ 自我・私)」、「et cetera(その他・エトセトラ)」、「alius ibi(alibi)アリバイ」などで、聞いたこと、使ったことがるものばかりです。

外国語は英語由来と思いがちですが、ラテン語からそのまま借用されている単語もこのように多くあることがわかります。

先に述べたように、ヨーロッパ諸国で公式文書や学術用語にラテン語が用いられていたので、日本に入ってきた時もそのままのラテン語が根付きました。例で挙げたものを見てみるとそういった学術関係用語が多く見られることがわかるでしょう。

ラテン語のベネは?

bene(ベネ)という言葉はもともとはラテン語です。bonus(善い)という形容詞が副詞になったもので、そのままイタリア語でもbene(ベネ)として用いられるようになりました。良い、善という意味があり、正しい方向や良い方向に進むことを意味する単語です。

イタリア語のベネ

イタリア語のベネも良いという意味の副詞です。ラテン語のベネが意味と綴りを変えずそのままイタリア語に引き継がれました。英語のgoodなどと同じくらい会話で頻繁に使われます。

イタリア語で愛してるは「Ti amo(ティ アモ)」が有名ですが、これは恋人や異性に対して使う表現で、「Ti voglio bene (ティ ヴォリォ ベーネ)」という表現方法もあり、ここでbeneを使うこともあります。これは異性などとは関係なく、家族や友人に対して使う表現方法で、Ti amoよりは薄い愛情表現になります。

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フランス語では?

ベネはフランス語ではBon(ボン)になります。「Von boyage(ボン ボヤージュ)」良い旅をという言葉を聞いたことがあるでしょう。これもベネからの派生語したbonが「良い」という意味を表している良い例です。

ただ、フランスのbonは英語でのgoodにあたり、イタリア語のbeneがwellに近い表現にあたることを考えると少しニュアンスが変わってくるといえるでしょう。

接尾辞としてのベネ

bene-から始まる単語がいくつか思い浮かぶことでしょう。ラテン語のbeneは接尾辞として各諸国の言語に取り入れられています。代表として英語の単語を見てみましょう。

ベネがある接尾辞

良い、善などの意味を持つbeneは主に良いとされる英単語の接尾辞となっています。いくつか単語を上げていきますので、参考にしてください。

・benediction(ベネディクション)=bene+diction で、祝福、感謝の祈りという意味。
・beneficial(ベネフィシャル)=bene+fic +alで、よいこと、有益な、有効なという意味。
・benefit(ベネフィット)=bene+fic で、良い状態にする、利益という意味。

どれも良い意味の単語を表していることがわかります。普段何気なく耳にする単語も、ラテン語、イタリア語のbeneからきていることを考えると、それぞれの単語の成り立ちはとても奥深いものと感じるでしょう。

見聞きしたことがある!あの言葉にもベネ

ここまでベネという言葉の由来を考えてきましたが、考えてみると私たちが見聞きしたことのある言葉や名前にも「bene ベネ」が使われています。一つずつ見ていきましょう。

「ベネッセ」とその意味

誰もが知る通信教育や出版事業を手掛けるベネッセ。この社名にもbeneが使われています。bene+esseという造語ですが、より良く生きるという意味が込められており、beneの意味が良く活きています。日本から遠い国の古代で発祥した言葉が日本の会社の社名になっているのはとても興味深いことといるでしょう。

社名の「ベネッセ(Benesse)」は、ラテン語の bene (正しい、良い)と esse (生きる、暮らす)を組み合わせた造語で、前向きに人生を謳歌する、人間味豊かな生き方を象徴的に表現している。

https://www.brand-yurai.net/detail/%E3%83%99%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BB%25ef%25bc%2588Benesse%25ef%25bc%2589.html

「ベネフィット」とその意味

ビジネスの世界でよくベネフィットという言葉が使われます。ビジネス用語として使われるベネフィットには利益という意味がありますが、「メリット」との違いは「その商品・サービスを手にすることで得られる本来の利益」を意味しているところにあります。

例えば、高級なレストランで食事をするメリットは「おいしいものを食べられる」ことですが、ベネフィットは「レベルの高いサービスや食事を受けて優雅なひと時を過ごせる」ことです。つまりサービスや商品を手に入れた後の満足のことを指します。

上記でも述べましたが、ベネフィットには「良い状態にする」という意味があるので、ビジネスで使う機会がある人は「利益」ではなくこちらの意味で覚えておくと良いでしょう。

ベネフィットとは製品やサービスを利用することで消費者が得られる有形、無形の価値のことをいう。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%99%E3%83%8D%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88-22818

「ベネディクト」とその意味

ベネディクトという名前が付く有名人も思い浮かぶでしょう。俳優のベネディクト・カンバーバッチやサッカー選手のベネディクト・ヘーヴェデスなど、ヨーロッパの男性の名前に用いられています。もともと、ベネディクトという言葉はbenedictus(ベネディクトゥス)というラテン語の英語名で、「祝福があるように」という意味を持っています。

歴史上でも有名なベネディクト修道会も、この祝福があるようにという意味を持った会だったことがわかります。余談ですがエッグ・ベネディクトという料理の「ベネディクト」も考案した人の名からきているとされています。

『トゥット・ベーネ』チョコレート

幸せのコブタチョコレートという、ブタの形をしたチョコレートを見かけたことがあるでしょうか。ハンター製菓株式会社から発売されているオリジナルチョコレートブランドで、「totto bene(トゥット ベーネ)」というものがあります。上記で少しふれましたが、イタリア語で「すべてうまくいくよ」という意味があります。

ここでも良い方向へ進むよう願いをこめて名づけられており、beneが活躍しています。

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すべてうまくいくよ!

http://www.tuttobene.jp/what.html

ベネという言葉が持つ意味

これまで見てきたように、ベネという言葉には良い方向に進むという意味があり、多くの単語や名前にプラスのイメージを持たせるものとして用いられてきました。はるか昔、古代ローマで使われていた言葉が世界共通語の英語にも取り入れられていたり、遠い日本で社名に用いられていたりと、歴史と意味の奥深さを物語る言葉であることがわかるでしょう。

言葉の意味を考えるとき、その由来まで調べてみると思わぬ発見やつながりを知ることもできます。何気なく使っている言葉でも一度調べてみると良いでしょう。普段意識せずに使っている言葉に面白い意味が隠れていることもありますし、思わぬところで役に立つこともあります。

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