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「可能であれば」の意味と使い方
では「可能」と「であれば」という表現のそれぞれの意味や使い方、そして二つの表現が組み合わされた「可能であれば」という表現が意味するものや、どのような場面で、どういう使い方をするのかといったことをご紹介しましょう。
「可能」の意味
「可能性」というのは何かを実現する確率がどれだけあるかということで、その割合や確率を示す場合には「○割」や「○パーセント」で表します。これは「できる」見込みがどれだけあるかということです。
また「可能」ではない、という場合には「不可能」という表現を用います。これは「できる」という意味の反対を示す表現で「できない」ということです。
「可能」や「不可能」の使い方
実現できる場合の例としては「○○を行うことは可能です」・「それは可能なことです」・「日程を調整することは可能です」・「可能なことを優先して行う」・「このプロジェクトは実現可能なはずだ」・「その依頼を引き受けたのは可能な仕事だからです」といったことが挙げられます。
実現できない場合の例としては「○○を行うことは不可能です」・「それは不可能なことです」・「不可能なことは行わない」・「この作戦は実行不可能だ」・「その依頼は、自分の能力では実現することが不可能なため辞退させていただきます」といったことが挙げられます。
「であれば」の意味
「であれば」が独立して何かの意味を表現することはなく、前の述べた事柄に対し、後に導かれる内容も変わってきます。意味としては「それならば」や「そういうことであれば」などの表現と同じような使われ方をしています。
「であれば」の使い方
「であれば」の使い方の例としては「明日の天候が晴れであれば試合を行う」・「明日の天候が雨であれば試合は中止する」・「努力するのであれば夢に近づくことができるだろう」・「あなたがそこまで言うのであればその仕事を引き受けましょう」・「良好な関係であれば長く続くことでしょう」・「良い物件であれば購入も考えましょう」などが挙げられます。
「可能であれば」の意味
お願いや要望をする相手に対し、その人の都合や状況を考慮したうえで、判断を仰ぐという表現方法だといえるでしょう。また、駆け引きや取り引きを行う場合でも用いられることがあり、用いる人の使い方次第でその意味も、与える印象も変わってくることがあります。
「可能であれば」の使い方
例としては「この条件で可能であれば依頼したお仕事を引き受けてください」という使い方となります。また、駆け引きや取り引きなどを行う場合には「あなたがそうするのであればこちらはこうする」といった使い方をします。
敬語での「可能であれば」の使い方
交渉する相手が上司なのか、失礼の許されない人なのか、または気軽に接することができる人なのかによっても使用する言葉は変化します。そういったことを踏まえ、ビジネスのシーンなどで用いるための、敬語での「可能であれば」の使い方についてご紹介しましょう。
「可能であれば」を尊敬語で用いる場合
この内容を尊敬語にすると「ここにいらっしゃることが可能でしたら○○をご覧になってください」という表現となります。尊敬語を用いるのは目上の人で、相手が行うこと、相手が行ったことに対して用います。自分が行うことや行ったことに対しては使いません。
自分が来るということを「いらっしゃる」と表現したり、見るということを「ご覧になる」と表現したりすることは、尊敬語として間違った使い方となります。
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「可能であれば」を丁寧語で用いる場合
この内容を丁寧語にすると「この日時で可能でございましたら伺います」という表現となります。当然用いる相手は目上の人となりますし、丁寧語では相手が行うことや行ったこと、または自分が行うことや行ったことであっても用いることになります。
「可能であれば」を謙譲語で用いる場合
この内容を謙譲語にすると「先日申し上げました件が可能であれば賜りたく存じます」という表現となります。謙譲語を用いる相手は目上の人で、自分が行うことや行ったことに使います。
「可能であれば」の言い換え
また「であれば」は「~の限り」や「~の範囲で」と言い換えることができ、その場合には「可能な限り」や「可能な範囲で」と言い換えることもできます。当然のことながら「できる限り」や「できる範囲で」に言い換えても同じ意味となります。
このように「可能であれば」という表現は、相手の都合や立場ということを尊重した言い回しとして用います。
メールでの「可能であれば」の使い方
直接会っての交渉の場合には「先日話した件」で伝わることも、メールの場合には「先日話した件」についての詳細まで文章にする必要があります。例えば直接会った場合には「先日話した件、可能であればお願いします」で済むこともメールでは「先日話した○○の件」そして「○○していただくことをお願いします」と伝えることが重要です。
そのメールの内容文としては「先日話しました新規参入の件、可能であれば検討していただくことをお願いします」といったことになります。
「可能であれば」は失礼なのか
「可能であれば」というのは、その人が「できる」のかどうか確かめている表現であるともいえます。そのため、確かめられた人からすれば、能力を疑われていると誤解されることもあります。自分の能力に自信とプライドを持っている人が、そのことに関して「可能であれば」と言われた場合には「できるのか」と言われているようにも感じるでしょう。
そういったことからも「可能であれば」を用いる場合には、能力を疑っているわけではなく、日程や都合を訊いているということも伝えるようにすると良いでしょう。
「可能であれば」の例文
「可能であれば」をうまく活用する
そこを無理せず一歩引いた姿勢を見せることで、好感を得るということは交渉のセオリーでもあります。くれぐれも交渉事は、自分の要望や要件だけを押し付けることは避けましょう。その相手のことも考慮した姿勢も見せることが、成功に繋がります。