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トロイメライの意味とは?シューマンの生涯や他の楽曲も紹介

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「クラシックのトロイメライは日本語でどのような意味を持つ言葉なのか」
「アーティストが曲名に用いていたり、アニメに使われていたりして気になる」
「トロイメライは英語圏の言葉なのか、それとも他の国の言葉なのか」
このようにトロイメライという言葉や意味に多くの疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

この記事では、トロイメライの意味やクラシック曲の詳細、作曲者の生涯、タイトルに使用されている例などをまとめています。

記事を読むことで、トロイメライという言葉の意味や作曲された背景などがわかり、なぜ多くの作品にこの言葉が使われているのかを理解できるでしょう。

トロイメライについてより深く知識を得たい、意味を知りたいという方は、ぜひチェックしてください。

「トロイメライ」はどのような意味をもつ?

漫画や小説、ポップスなどのタイトルにも古くから数多く使われているトロイメライという言葉は、英語ではなくドイツ語でTräumereと表記されます。

日本語では夢、夢想と翻訳されますが、寝ている時の夢や夢見心地の状態、白昼夢、将来の夢など、より広い意味を表す言葉です。

「トロイメライ」の語源は古ドイツ語

トロイメライは古ドイツ語のトゥロウメン(troumen)という言葉が変化したものです。日本語に翻訳すると、夢を見る、あこがれる、ぼんやりしているといった意味を持ちます。

トゥロウメンがドイツ語で夢という意味を持つトラウム(Traum)に派生し、ここからトロイメライ(Träumerei)という言葉ができました。

「トロイメライ」はシューマンが作曲したピアノ曲

トロイメライと聞くとゆったりとしたピアノのメロディを思い出す方も多いでしょう。トロイメライはロベルト・シューマンが作曲したピアノ独奏曲です。

ピアノ曲集「子供の情景」の13曲のうち7曲目として発表されました。クラシックを普段聴かないという方でも、このメロディは耳にしたことがあるということも多い名曲です。

シューマンが「トロイメライ」を作曲した背景

シューマンは当時婚約者だったクララからの手紙で、あなたは子供のようだと指摘されたことがきっかけとなり、トロイメライを含む30作品の曲を作り上げ、うち13曲を子供の情景として発表しています。

シューマンは幼いころから想像力が豊かで、詩や物語の空想の世界を愛する子供でした。曲作りの中にもその才能が溢れており、トロイメライは揺らめくような拍子で聴く人を夢想の世界へ誘います。

「トロイメライ」を作曲したシューマンの生涯とは?

作曲家として名を残したシューマンですが、その人生は順風満帆とはいかないものでした。

ここからは、波乱に満ちたシューマンの人生で、ターニングポイントとなった出来事と晩年の様子を解説していきます。

ピアニストを断念した過去を持つ

シューマンは出版業者であった父親の影響を受け、音楽や文学の分野で才能を発揮していましたが、父親の死後は母親の希望により一旦は法学の道へと進みます。しかし、音楽への情熱を捨てきれず、ピアノ教師であったフリードリヒ・ヴィークに弟子入りしました。

ピアニストとしての将来を望んでいたシューマンですが、手を故障してしまい道を絶たれてしまいます。その後は本格的に作曲を始め、文学者、音楽評論家としても活躍の場を広げていきました。

婚約者との出会い

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婚約者であるクララは、シューマンが弟子入りしたピアノ講師であるフリードリヒ・ヴィークの娘でした。2人は恋に落ち、交際を続け婚約に至りますが、厳格なヴィークはこれに猛反対します。

結婚するまでにヴィークから様々な妨害を受けた2人ですが、作曲や演奏を通じて愛を深めていきました。そして、最終的には裁判を起こして結婚を認めさせています。

家族と晩年

シューマンはクララとの間に8人の子供を授かり幸せな時期もありましたが、青年期に罹患した病気と内向的な性格から、徐々に精神を蝕まれていきます。

療養先だったドレスデンでは合唱曲やオルガン作品など多数を手掛けていましたが、デュッセルドルフ歌劇場の監督に就任後、精神状態はさらに悪化し、世間から距離を置くようになりました。

命を絶とうとライン川に身を投げたシューマンは精神病院に収監され、そのまま46歳でこの世を去っています。

「トロイメライ」と題された楽曲

トロイメライという言葉をタイトルに使っている作品は多数ありますが、どのような意味が込められ、この言葉が使われているのでしょうか。

ここからは、実際にトロイメライという言葉が使われた楽曲のメロディや歌詞を読み取り、その意味を解明していきます。

パスピエの「トロイメライ」

心地よいシンセサイザーの音と女性ボーカルの軽やかな高音の歌声で、少女時代の終わりを歌い上げているのがパスピエの「トロイメライ」です。

子供と違って頭で考える大人への変化と戸惑いや、子供の頃の自分への問いかけが歌詞に表れています。実際には時間を戻すことはできなくても、子供だった自分と夢の中で会えるような展開のメロディや歌詞が、トロイメライというタイトルの意味とマッチした楽曲です。

アニメ「さよなら絶望先生」で使用された「トロイメライ」

ヒロインが作中でクラシックのトロイメライに意味不明な歌詞を付けて歌い、話題になったのがアニメの「さよなら絶望先生」です。

さよなら絶望先生は時事ネタや自虐的なパロディを多く盛り込んだブラックコメディですが、本作品のトロイメライも、不安になるような意味のない歌詞と少女の歌声が耳に残ります。原作最終回では、トロイメライにヒロインの行く末を意味した歌詞が付けられていて印象的です。

YUKIの「トロイメライ」

映画「コーヒーが冷めないうちに」の主題歌として書き下ろされたのが、YUKIの「トロイメライ」です。

映画のストーリーは望んだ過去に戻れる喫茶店が舞台のファンタジーですが、現実をやり直すことはできません。過去に戻れない切なさと、過去の間違いを認めながら未来へ進む強さを、YUKIの優しい歌声でしっとりと歌い上げている楽曲です。

「トロイメライ」の意味を知って曲を聞いてみよう

トロイメライは夢や夢想といった意味を持ち、シューマンが愛した女性との手紙のやり取りからインスピレーションを受け、作曲した曲のひとつです。

なんとなく耳にしたことがある言葉やメロディにも、作り手の人生の一部や強い想いが込められています。作曲された背景や意味を知ることで、より深く音楽の世界に没頭できるでしょう。

トロイメライを耳にした際には、ぜひ言葉の意味や作曲された経緯を思い出してみてください。

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