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「敬愛」はどのように使う?意味や類義語についても説明【例文あり】

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「敬愛の念を抱くってどういう気持ち?」
「敬愛って尊敬とは違うの?」
「敬愛なる○○さんへという手紙の書き出しは違和感があるけど、正しいの?」
このように「敬愛」という言葉は、見たことはあっても実際には使ったことがないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では「敬愛」の意味や使い方を多くの例文や同義語・対義語と共にご紹介します。また「敬愛なる」の言い回しの注意点や英語表現についてもチェックしています。

本記事を読んで「敬愛」の意味はもちろん、「敬愛なる」という表現が正しいかどうかや同義語との使い分けを覚え、自信を持って使えるようになりましょう。

「敬愛」の使い方に自信がない方や、今まで何の疑問もなく「敬愛なる」を使っていた方はぜひチェックしてみてください。

敬愛の意味と読み方

敬愛は「けいあい」と読み、相手に対して「うやまい、親しみの心を持つこと」という意味の言葉です。

敬愛の「敬」には「身心を引き締めて丁寧にする」「かしこまってうやうやしくする」から派生し、「うやまう・尊敬する」の意味があります。

そして敬愛の「愛」には、「愛する・恋い慕う」のほかにも、「いつくしむ・親しみの心を持つ」という意味を持っています。

「敬愛」は、この2つの漢字が合わさって、「敬い、親しみの心を持つ」という意味を表すようになりました。

敬愛の使い方・例文

敬愛の意味を正しく理解したところで、具体的にはどのように使うのか例文を通して見ていきましょう。

敬愛する

ひとつめの表現として「敬愛する」の例文をご紹介します。

・敬愛する私の恩師から先日手紙が来た。
・彼女は学生時代いつも笑顔で、敬愛する友人だった。
・温かく広い心をもつ当時の社長は敬愛される人物だった。

理由は後述しますが、「敬愛なる友人」「敬愛なる人物」ではなく、「敬愛する友人」「敬愛される人物」が正しい使い方ですので覚えておきましょう。

敬愛の念を抱く

敬愛のふたつめの使い方は「敬愛の念を抱く」です。この「念」は、思いや想いのことであり、「抱く」は「考えとして持つ」ことを意味します。そのため「敬愛の念を抱く」という表現は、敬愛する心を持つ、という意味で以下の様に用いられます。

・彼女の素晴らしい行動力に、敬愛の念を抱いた。
・彼は研究室の教授に敬愛の念を抱き続けた。
・日本人はあの歌手に敬愛の念を抱いている。

敬愛してやまない

次にご紹介する「敬愛」の使い方は「敬愛してやまない」という表現です。

この「~してやまない」は、ずっとその気持ちが続いているという意味になります。尊敬してやまない、など様々な言葉と組み合わせてよく使用しますので覚えておきましょう。

「敬愛してやまない」という使い方は、うやまい、親しみの心をずっと持ち続けていることを表します。具体的には以下の例文の様に使用します。

・彼は、私が学生の頃から敬愛してやまないサッカー選手です。
・敬愛してやまない作家が今月新作を発表した。

敬愛の意を込めて

最後にご紹介するのは「敬愛の意を込めて」という表現の例です。「意」は「心。心の動き。考え。気持ち」、「込める」は「つめる、含ませる」の意ですので、全体として「敬愛する気持ちを含ませて」という意味になります。

・大好きな友人に敬愛の意を込めて手紙を書く。
・結婚式での彼の挨拶は両親に対する敬愛の意が込められ感動の涙を誘った。
・転勤する先輩に敬愛の意を込めチームメンバーの寄せ書きを贈った。

といった例文で使用することが可能です。

「敬愛なる○○」ではなく「親愛なる○○」

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ここまで敬愛の具体的な使い方を、例文を挙げて見てきました。いろいろなシーンで使えそうな表現がたくさんあったのではないでしょうか。

それでは、ここで「敬愛」の使用上の注意点についてみていきましょう。

よく混同されるのが、敬愛なると親愛なるの使い方です。敬愛なるとは果たして正しい使い方なのでしょうか。

手紙の冒頭でも使用される「敬愛なる○○さんへ」は、実は誤った使い方です。「敬愛なる○○」とする使用例を紹介しているサイトも多いのですが、「敬愛なる」という言い方は誤用です。

「敬愛なる」がなぜ誤用なのか、その理由を探るためには品詞をチェックする必要があります。

「敬愛」は「うやまい親しみの心をもつこと」の意の名詞です。「敬愛なり」という形容動詞ではなく、名詞であるために活用はしません。わかりやすく他の名詞を当てはめて「学校なる」とは言わないのと同様、「敬愛なる」とは言わないのです。

一方の「親愛」は「人に親しみや愛情などをもっていること。また、そのさま」との意の名詞および形容動詞です。よく見かける「親愛なる」は形容動詞「親愛なり」の連体形となり、正しい使い方と言えます。

「親愛なる」と「敬愛なる」は似ている言葉ですが、品詞の違いを考慮して正しく使いましょう。

敬愛の類義語

ここまで「敬愛」の使い方を例文と共にご紹介してきました。またよく目にする「敬愛なる」が間違った言い方であることもチェックしました。「敬愛なる」は誤用であるとぜひ覚えておきましょう。

それでは次に敬愛の類義語について見ていきましょう。敬愛と似た意味を持つ多くの言葉との使い分けのポイントはどのようなものなのか、詳しく説明します。

尊敬

敬愛の類語として、はじめに思い浮かぶのは尊敬という言葉ではないでしょうか。

尊敬(そんけい)とは「他人の人格・行為などを尊び敬うこと」です。「尊」は「うやまって大切に扱う」こと、「敬」は「相手を尊んで礼をつくす」ことです。

・尊敬する人物は、徳川家康です。
・大経営者である先代社長に対して尊敬の念を抱く。

といった例文で使用できます。「尊敬」には敬愛とは違い、「親しみの心」といった意味が含まれていません。

畏敬

畏敬(いけい)とは「(崇高・偉大なものを)かしこまり敬うこと」です。「畏」は「心のすくむようなさま。こわいさま。転じて、尊敬すべき」の意味があり、自分よりはるかに力があるものを尊ぶ場合に使用されます。

・歴史を学びご先祖様に対する畏敬の念を抱いた。
・この現代日本の礎を築いた人物に畏敬の念を込め、深々と頭を下げた。

「畏敬」は「親しみの心」はニュアンスとして含まれず、「尊敬」を強調した意味となります。

敬意

敬意(けいい)とは「尊敬する気持ち」のことです。尊敬と同じく、「親しみの心」の意味は含まれない点が「敬愛」との違いです。

・観客に敬意を表し、チームは深々とお辞儀をした。
・年上の上司に対し、敬意を払う。

親愛

親愛(しんあい)は「人に好意や親しみの感情をいだいている」ことです。親愛には「敬う、尊敬する」というニュアンスが含まれていないのが「敬愛」との違いです。

・(手紙の冒頭部分で)親愛なる○○さんへ
・親愛なる友人を失い、悲しみにくれる。

親愛なると敬愛なるの違いも先述しましたので、再度チェックしておきましょう。

敬慕

敬慕(けいぼ)とは「心から尊敬し、慕うこと」です。慕う(したう)は「理想的な状態・人物などに対してそのようになりたいと願い望む」という意味があり、今回ご紹介している類義語の中では「敬愛」に近いですが、敬愛の持つ「親しみの心」のニュアンスとは少し異なります。

・敬慕する師へ贈り物を選んだ。
・彼の恩師への敬慕の情は想像以上であった。

崇拝

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崇拝(すうはい)は「あがめうやまうこと。信仰すること」です。「崇」は「とうとぶ、あがめ敬う」、「拝」は「おがむこと」という意味を持っています。

・熱狂的なファンは彼を崇拝していた。
・信心深い彼らは神を崇拝する。

「あがめる」というニュアンスが入ることが「敬愛」との違いになります。

仰ぐ

仰ぐ(あおぐ)は「尊敬する。うやまう」の他、「教えや命令・援助などを請う」「上を向く」の意味があります。敬愛の「親しみの心」のニュアンスは含んでいません。

・彼を師と仰ぐ。

慕う

敬愛の類語の最後に紹介するのは慕うです。

慕う(したう)は敬慕の説明にもあったように「理想的な状態・人物などに対してそのようになりたいと願い望む」意味のほか、「恋しく思うこと」「心が惹かれ、懐かしいさま」の意味もあります。

「慕う」は恋心を含む場合がありますが、そのようになりたいという憧れの気持ちだけでも使うことがあります。

・師の学風を慕う。

敬愛の対義語

敬愛の多くの類義語とのニュアンスの違いはおわかりいただけたことでしょう。使い分けのポイントを理解し、自信を持って使用してみてください。

次に敬愛の対義語を見ていきます。同義語と合わせてチェックすることで語彙が広がり、様々なシーンで役に立つことでしょう。

憎嫉

憎嫉(ぞうしつ)とは「憎み(にくみ)嫉む(ねたむ)こと」「相手をうらやみ、敵意を抱くこと」です。

あまり耳にしませんが、敬愛の正反対の意味の言葉となります。

疎遠

疎遠(そえん)とは「交際がうとく遠いこと。音信・訪問が絶えて久しいこと」です。

相手と会わなくなったり連絡が途絶えたりした場合に「疎遠になる」と言います。

・平素の疎遠を詫びる。
・彼とはこの10年間で疎遠な間柄となってしまった。

唾棄

唾棄は「だき」と読みます。「つばを吐き棄てるように、捨てて顧みないこと。忌み嫌い軽蔑すること」との意味です。

・私は彼の唾棄すべき行為を許さなかった。
・彼は唾棄すべき男だ。

敬愛の英語表現

敬愛の対義語はいかがでしたでしょうか。普段あまり耳にしない難しい表現だと感じた方もいるかもしれません。

それではここで敬愛の英語表現にも触れておきましょう。

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respect

respectは日本語の会話にもよく登場する言葉です。「尊敬、敬意」を意味する名詞でもあり、「〜を尊敬する、敬う、尊ぶ、重んじる」を意味する動詞としても使われます。

「敬愛」は英語でrespect and affection やlove and respectと表現します。affectionは「愛情,恋愛感情」という意味です。

・He had a lot of respect and affection for his father.(彼は父親を大変敬愛していた。)

reverence

reverenceは「尊敬、敬意、思案、崇拝、崇敬」「尊敬する、敬愛する、敬う、尊ぶ、崇拝する」の意味です。

He lacked reverence for any of team memmber.(彼はチームメンバーへの敬愛の念が足りない。)

敬愛の意味を理解して正しく使おう

これまで敬愛の意味や使い方、多くの類義語との違いを例文や英語表現と共にご紹介してきました。敬愛とは「うやまい、親しみの心を持つこと」であり、親しみの心というニュアンスがあることが、尊敬や畏敬、敬意との違いでした。

また、敬愛なるとは誤用であることも説明しました。親愛なるは正しいけれど、敬愛なるは間違いであることはぜひ覚えておきましょう。

敬愛には多くの類義語がありますが、ひとつひとつを正しく理解して区別して使えるようにしましょう。

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