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この記事では、シャチの狩りにおいて高い知能が発揮される場面や、それを構成している要素は何か、シャチの生態とはどういったものかなどについて紹介します。
記事を読むことで、今まで知っていたようで知らなかったシャチの狩りや生態などについての詳細がわかり、そのたくみで堂々とした生きざまに感心するでしょう。
シャチが好きな方や、海で暮らす生物について興味があるという方は、ぜひ読んでみてください。
シャチとはどんな生物?
知能や社会性が高く、「ポッド」とよばれる群れを作り、強い結束力を発揮して狩りをしますが、群れのリーダーはほとんどがメスです。
ちなみにシャチは生態の異なる複数の種類が存在することがわかっており、すべてをひとくくりにはできません。
シャチに関する基本情報
世界中の海に広く分布し、日本国内では、北海道や和歌山県などの近海で生息が確認されています。
シャチの背びれのつけ根あたりにある灰色の模様は「サドルパッチ」とよばれ、それぞれの個体で形や大きさが違うのが特徴です。サドルパッチの形は変化しないため、背びれの形状などとあわせて個体を識別するのに役立ちます。
シャチの名前の由来について
また、虎のような頭と魚の体を持つ想像上の生物「シャチホコ」が由来になっているという説もあります。
シャチの獲物について
研究が進んでいる海域では、同じシャチでも「おもに魚類を食べる種類」「おもにイルカなどの海生哺乳類を食べる種類」「おもにサメを食べる種類」などに分類できることがわかっています。
シャチ同士の会話について
「ホイッスル」は近くにいる仲間とかわす、口笛のような音です。
「コール」は比較的遠い所にいる仲間とのやりとりをするのに役立つ音で、群れによって方言のように違う型が存在し、狩りを行う際の重要な要素となっています。
シャチの狩りについて知能が高いとされる理由
仲間同士で密接にコミュニケーションをとりあい、人間顔負けの工夫をこらして、いかに効率的に獲物を手に入れるかを常に考えているのです。
狩りにおける知能の高さは、シャチが海の王者として君臨している大きな理由の1つでもあります。
獲物で戦術を使い分けている
例えばニシンの大群を狙う場合、大群をコントロールしやすい規模に分断させるため、海面近くまで追い上げて威嚇しながら周囲を回り、群れを小さくして球状にまとめる方法などです。
世界中にはさまざまな生態を持つシャチが生息しており、それぞれが獲物にあわせた狩りの仕方を工夫しています。
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狩りをする時は隊列を組んでいる
先頭の集団と後方の集団が入れ替わりながら進むことで、全体の疲労を抑え持久力を保っているのです。
「ポッド」とよばれるシャチの群れは、どんな生物を獲物にしているかによって、さまざまな規模のものが存在します。
音波を使って位置情報を把握している
物にあたって跳ね返ってきた音波によって、その形や大きさなどを知ることができるのです。
この仕組みは暗闇の中で行動するコウモリなども活用しているもので、エコーロケーション(反響定位)といいます。効率的な狩りをするシャチにとって欠かせない能力の1つです。
カモメをおびき寄せる戦術を使う
口から魚を吐き出して待ち構え、カモメが寄ってきたところを一撃で捕らえるのです。
カモメが本来の魚の群れを見つけ、魚を捕えるために海に飛び込む一瞬を見極めて狙うよりも、効率のいい狩りの方法であることをシャチは知っているのでしょう。
クジラは溺死させて狩る
群れで連携してクジラをとり囲み、上方をふさいだり、挟みこんだりして、徹底的に海面への浮上を阻止するのです。
結束力の高いシャチの群れの、優れたチームワークによってなせるわざの1つといえるでしょう。
子どものシャチは群れでガードする
シャチの群れであるポッドは、祖母にあたるメスを中心とした血縁関係のある個体で形成されることが多く、その中で子どもは大切に守られながら育つのです。
母親が狩りのため子どもから離れるときは、他のメスが面倒を見てあげるなど体制は万全で、外敵はなかなかシャチの子どもを狙えません。
シャチの生態とは
仲間を大事にしながら、高い知能や身体能力などを存分に活かした狩りをして生きるシャチは、まさに無敵の海の王者といえるでしょう。
シャチについてはまだわかっていないことも多いものの、その生態は少しずつ明らかになってきています。
高い知能を持っている
また野性のシャチは、仲間が襲われた際の報復行為や、仲間が死んだときの悲しみの表現、弱った仲間や別のグループからはぐれた個体をお世話するなどの行動が確認されています。
狩りでのコミュニケーションやテクニックの他にも、その知能の高さをうかがわせる要素はたくさんあるのです。
大きくて動きが速い
イルカにも勝るこのスピード感は、当然狩りにも活きてくるわけです。
また、海面から高くジャンプすることも得意で、シャチの身体能力の高さがうかがえます。
サメも食べてしまう
2017年に南アフリカの海岸に打ち上げられた3体のホホジロザメの死体は、臓器が食い尽くされた状態で発見され、これはシャチの狩りによる結果であると推測されています。
シャチは、サメが仰向けになると一時的に擬死状態になり動かなくなることを知っていて、その特性を利用して狩りを行っているのでしょう。
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天敵はほとんど存在しない
生命力が落ちてしまった個体や小さい子どもなどは、まれに他のシャチやサメなどに狙われることもありますが、めったにないことだといえるでしょう。
またシャチの肉は固くて食用にむかないため、人間の漁の対象にもならないのです。
人間との関係について
ただ、飼育員にけがをさせてしまったり、死亡させてしまった事例があるのも事実です。人工の環境下では、どうしても大きなストレスがかかってしまうため、シャチを水族館で飼育することへの反対意見は徐々に高まりつつあります。
シャチの狩りや生態について知ろう!
社会性が強く、仲間同士でしっかりとコミュニケーションをとりながら、その知能を活かしたさまざまな工夫をこらして、それぞれの獲物にあった狩りを行います。
広範囲を移動しているシャチの群れは観察が難しく、まだ解明されていないなぞも多いので、今後さらに調査が進むことを期待して、楽しみに待ちましょう。