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2018年02月07日

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

映画「オデッセイア」の元のタイトルをご存知でしょうか。「TheMARTIAN」です。なぜ「火星人」という意味のタイトルが邦題で「オデッセイア」になったのか。オデッセイアと言う言葉の由来と、映画のタイトルにこの言葉が選ばれた理由について考察します。

映画「オデッセイ」の原題

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

「70億人が彼の帰りを待っている」がキャッチコピーの2015年放映の映画「オデッセイ」。この映画の原題は「THE MARTIAN」です。原作の小説は「火星の人」というタイトルでした。なぜ「オデッセイ」という邦題にになったのか。「オデッセイ」とはどういう意味なのかについて考察いたします。

「オデッセイ」は英語の「Odyssey」という意味だと考えられます。「Odyssey」は「未知への探求」という意味、または「長い旅」という意味、あるいは「行って帰ってくる旅」という意味を持つ言葉です。これらの意味の由来はギリシアの抒情詩の「オデッセイア」です。

映画「オデッセイ」のタイトルの意味

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

「オデッセイ」は元のタイトルとは全く別のもののタイトルになっています。この映画の原題は「THE MARTIAN」です。「火星人」という意味です。2014年に早川書房からこの映画の原作が発売されたときには「火星の人」というタイトルでした。

火星

原題は「火星人」という意味である「THE MARTIAN」ですが、「オデッセイ」には「火星」という意味はありません。「オデッセイ」は「長い旅」という意味、あるいは「行って帰ってくる旅」という意味、または、「未知への長い旅」という意味です。

「オデッセイ」は火星に行った主人公が、そこで助けを待ってサバイバルするというストーリーです。火星は英語で「Mars」、原題の「THE MARTIAN」は直訳すると「火星人」になります。「オデッセイ」はタイトルやキャッチコピーから受けるイメージよりもコメディーチックな描写も多い映画ですので、コメディーの雰囲気を持ったタイトルが付けられているのだろうと考えられます。

宇宙

「オデッセイ」という言葉が「火星」や「宇宙」という意味を持っているからこのタイトルが付けられているのか。というと、そうではありません。

「オデッセイ」は「未知への探求」という意味、または「行って帰ってくる旅」という意味、あるいは「漂流」という意味を持った言葉です。この言葉に「宇宙」という意味やニュアンスはありません。イーリアスというギリシアの叙事詩に出てくるオデッセウスという英雄が冒険する「オデッセイア」という名前の物語があります。「オデッセイ」の原義はこの物語です。「オデッセイア」でオデッセウスが冒険をするのは宇宙ではなく地中海の島々です。

映画「オデッセイ」の内容・意味

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

「オデッセイ」、未知への探求という意味のタイトルでキャッチコピーが「70億人が彼の帰りを待っている」であることから、シリアスな内容のハードなサバイバル映画をイメージしがちですが、「オデッセイ」はコメディー色の強い映画です。

あらすじ

火星への有人飛行任務に付いた主人公が、ミッション中に嵐に巻き込まれ、他のチームメンバーに死亡したと思われて火星に置き去りにされます。ひとりで火星に取り残されたことを知り、なんとか救出されるまで生き延びようと試みる、という物語です。

サバイバル

主人公のマークは植物学者です。映画では、救助に時間が掛かることを知ったマークが火星でジャガイモを栽培しようとするシーンがあります。その他、燃料を使って水を作ろうともします。

救助には時間が掛かる見込みとされており、状況は非常に悪いのですが、悲嘆にくれているような描写は少ないです。主人公は終始冗談を言ったり、ふざけたりします。明るい音楽が流れる場面も多いです。

ヘルメス号

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

主人公を火星に置き去りにした船の名前は「ヘルメス号」です。この「ヘルメス」はギリシアの神の名前です。ヘルメスは、他の多くのギリシアの神々と共に邦題「オデッセイ」の元ネタである「オデッセイア」に登場します。

ヘルメスはヘルメースと記載されることもあります。オリュンポス12神の一人、最高神ゼウスの息子です。旅人を守る守護神とされています。足が速く、神の伝令を皆に伝える役目を持つ神ともされています。主人公を置いて行った船の名前は、この旅人を守る神の名前からとられたのだろうと考えられます。

映画「The Martian」の邦画タイトルが「オデッセイ」になった理由

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

「オデッセイ」は「未知への探求」「未知への長い旅」という意味を持っています。また、「オデッセイ」の原義である「オデッセイア」は英雄オデッセウスが遭難して地中海の島々を生き延びるために漂流する物語です。

映画「オデッセイ」は、火星に置き去りにされた主人公が、火星という未知の場所で生き延びようと努力する話しですので、オデッセイという言葉と意味が合致します。相応しいタイトルであると言えます。しかし、意味が合う、というだけで原題が「THE MARTIAN」である映画の邦題が「オデッセイ」になった訳ではありません。「オデッセイ」という邦題になった理由と考えられるものは他にもあります。

「プロメテウス」

「オデッセイ」を作ったのはリドリー・スコット監督です。リドリー・スコット監督の作品で有名なのは「エイリアン」です。「エイリアン」の前日譚として「プロメテウス」という作品も作られています。

「プロメテウス」は宇宙探査船プロメテウス号に乗り込んで未知の惑星を探索し、そこで「エイリアン」に出逢う、という映画です。「オデッセイ」の宣伝に使われた動画はこの「プロメテウス」の宣伝用動画と雰囲気が似ています。

「プロメテウス」はギリシアの神の名前です。ヘリオスと並んで力を持つ神であり、人間に炎を与えた神だとされています。

「オデッセイ」は宣伝用の動画が「プロメテウス」をイメージさせるところがあった、また、両方とも船の名前がギリシアの神の名から取られている、ということから邦題にギリシア神話をイメージさせるものを持って来ても不自然ではなかったのだと考えられます。

「2001年宇宙の旅」

SF映画で有名なスタンリー・キューブリック監督の作品である「2001年宇宙の旅」の原題は「2001, A Space Odyssey」です。

「オデッセイ」という映画のタイトルは、「オデッセイ」という言葉の原義である「オデッセイア」からではなく、「2001, A Space Odyssey」から取られた可能性もあります。

叙事詩「オデッセイア」

ホメロスという詩人が書いたとされる世界有数の叙事詩のひとつです。「イーリアス」の続編だとされています。「イーリアス」の主人公はアキレスですが、イーリアスにもオデッセウスは登場します。オデッセイアの主人公オデュッセウスは「トロイの木馬」という計画を考案した人物です。

「オデッセイア」とは?

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

映画のタイトルである「オデッセイ」は「オデッセイア」という叙事詩からできた言葉です。「未知への探求」、または「漂流」を意味しています。

「オデッセイ」という言葉の意味とニュアンスをつかむためには、もととなっているギリシア文学、「イーリアス」「オデッセイア」の内容を大まかにつかんでおく必要があります。

「イーリアス」はアキレス、パトロクロスなどの英雄がトロイヤという港に攻め込み、オデュッセウスが考案したトロイの木馬の作戦によって勝利を収める、という内容の物語です。正確には「イーリアス」にトロイの木馬は登場しません。物語はその直前で終わっています。

「オデッセイア」は、トロイヤを攻め落とした帰り道にオデッセウスの乗る船が嵐に遭い、遭難してしまう話です。オデッセウスが知略を尽くして故郷に帰ろうとする物語です。

「オデッセイア」は漂流した英雄が故郷に帰ろうとする物語

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

「オデッセイ」という映画のタイトルの元となっている「オデッセイア」は、「漂流した英雄が故郷に帰ろうとする物語」です。オデッセイは「行って帰ってくる」という意味を持つ言葉です。

映画「オデッセイ」では主人公は火星で4年間ひとりで生き延びなくてはならないという状況に置かれますが、オデッセイアでは英雄オデッセウスは10年間漂流します。また、映画「オデッセイ」で最終的に主人公を助けてくれる船の名前は「ヘルメス」ですが、オデッセウスを助ける神は知恵の女神アテネです。

「オデッセイア」にはナウシカが登場する

オデッセイアで、英雄オデッセウスは地中海の島々を漂流します。漂流する過程でスケリア島と言う場所に行きます。そこの王女の名前は「ナウシカ」です。風の谷のナウシカの「ナウシカ」はここから取られています。

「オデッセイ」作中に使われている挿入歌の意味

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

主人公が乗っている宇宙船の名前が「ヘルメス」であり、ギリシア神話をイメージさせることから同じ神話のイメージを持つ「オデッセイ」というタイトルは自然だった。という考え方の他に、もうひとつ由来が考えられます。

「オデッセイ」にはデビット・ボウイのスターマンという曲がなんども挿入歌として使われています。デビット・ボウイは「2001年宇宙の旅」をイメージして作ったアルバムで有名になったアーティストです。

デビット・ボウイ「スペイス・オディティ」

映画「オデッセイ」では作中に何度もデヴィッド・ボウイの音楽が使われます。デヴィット・ボウイは1969年、アポロ11号の月面着陸に合わせて宇宙をイメージさせる「スぺイス・オディティ」というアルバムをリリースし、このアルバムで人気ミュージシャンとなりました。デビット・ボウイというとこのアルバムをイメージする人が多いです。

そして、「スペイス・オディティ」は1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅」をモチーフにしたアルバムです。

「2001年宇宙の旅」の原題は「2001, A Space Odyssey」です。作中で繰り返し使われる挿入歌が「2001, A Space Odyssey」をイメージさせるものであることから、「オデッセイ」というタイトルを付けた可能性もあります。

「火星の人」という邦題も人気

映画「THE MARTIAN」には同じタイトルの小説の原作が存在します。原作にも人気がある作品です。原作「THE MARTIAN」が日本語訳され早川書房から販売された時には「火星の人」というタイトルでした。

映画「THE MARTIAN」が「オデッセイ」というタイトルになったのには十分な理由があります。しかし、原作の小説からこの作品に入った人の中には、「THE MARTIAN」の映画タイトルは、一見原作のタイトルと全く関連のない「オデッセイ」ではなく、原作和訳版の「火星の人」で良かったのではないか、と考える人もいるのではないかと考えられます。

「オデッセイ」というタイトルになった意味を知ろう!

映画「オデッセイ」のタイトル・内容の意味と解説|邦画タイトル

映画「オデッセイ」の原題は「THE MARTIAN」です。映画から入った人は原題と関係のない邦題になっていることに驚いたのではないでしょうか。原作から入った人は「火星の人」で良かったのに、と考えた可能性もあります。

「オデッセイ」は「オデッセイア」という叙事詩からできた言葉で、「行って帰ってくる物語」「未知への長い旅」という意味を持っています。この言葉の意味は映画の内容に合っています。「オデッセイア」というタイトルはSF映画の金字塔である「2001年宇宙の旅」の原題をイメージさせます。ひったりなタイトルだと言えます。

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