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イニシャルが日常的に使われるようになった一方で、例えば、ピリオドを打つのか、打たないのか、署名とどう違うのかなど、欧米と日本で書き方は異なるのかなど、イニシャルに関する知っているようで知らない疑問を持つ方が多いようです。
ここでは、イニシャルの書き方について様々な側面から簡単に説明します。事例も多いので、興味を持っていただけると幸いです。
イニシャルとは?
よって、英語の名詞である「Initial」は、「最初の文字」を意味しています。このイニシャルは、氏名の表記に使用される場合が多く、フルネームに代わる短縮された署名として使用されています。
余談ですが、氏名に使われるイニシャルと同様、頭文字という意味で、略して温度を示す場合に、C (摂氏を示すCelsiusの頭文字)、F(華氏を示すFahrenheitの頭文字) が使用されます。
署名とイニシャルの違い
フルネームの署名が本式、イニシャルは短縮形という意味ですね。
日本でのイニシャルの書き方
例)本田一郎の場合のイニシャルの書き方は
名前(ファーストネーム):ICHIROから頭文字をとってI
苗字(ファミリーネーム):HONDAから頭文字をとってH
イニシャルは、IHあるいはI.H.となります。
イニシャルにはピリオドは必要?
名ー姓以外のイニシャルの書き方
例)本田一郎の場合、名前だけを短縮した書き方は、
名前(ファーストネーム):ICHIROから頭文字をとってI
苗字(ファミリーネーム):HONDAはそのまま残して
この場合のイニシャルの書き方は、I.HONDAとなります。
苗字だけを短縮した書き方は、
名前(ファーストネーム):ICHIROはそのまま残して
苗字(ファミリーネーム):HONDAから頭文字をとってH
この場合のイニシャルの書き方は、ICHIRO.Hとなります。
使い分けの方法は、例えば、ファーストネームで呼んで欲しい時などには、ファーストネームのみ全て書くイニシャルの書き方。逆に苗字を強調したい場合には、ファーストネームは短縮、ファミリーネームのみ全て記載するイニシャルの書き方が良いでしょう。
姓名の表記順序が変わる例外的なイニシャルの書き方
書き方としては、苗字であるファミリーネームを最初に全て記載、その後「カンマ/,」を打ち、ファーストネームである名前のみ頭文字を取り略します。名前の後には、イニシャルであることを示すために「ピリオド/.」を打ちます。
例えば、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した日本人生物学者の大隅 良典(おおすみ よしのり)博士の場合を例にとると、公式の英語学術論文の最後に記される参考文献では、「Oosumi, Y.」 と表記されることがあります。
欧米人の例では、同じくノーベル化学賞と物理賞をそれぞれ受賞した有名なキュリー夫人。フランス名は、Marie Curieなので、参考文献などには簡略化されたイニシャルである、「Curie, M.」が使用されます。
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ピリオドをイニシャルに使うのは日本だけ?
このように、ピリオドに関して疑問を持つ方が非常に多いようです。
確かに欧米ではほとんどの場合、イニシャルにピリオドは使わない書き方が多いです。ピリオドを使ったイニシャルの書き方が欧米では間違いという訳ではありませんので、後述する様々な事例を元に、イニシャルを使用する時と場合を理解し、相手によって書き方を使い分けることも可能です。
外国人の署名にみられる三文字のイニシャル
これは、外国人の正式名には、名前(ファーストネーム)と苗字(ファミリーネーム)の間に、ミドルネームが含まれる為です。
余談ですが、ミドルネームの由来
例えば、有名なジュリアス・シーザーの正式な名前は、Gaius Julius Caesar。現代では、略して彼のミドルネームとファミリーネームのみ使用しているという訳です。
ミドルネームが誕生した当時は、ミドルネームの使用は一般的ではなかったのです。
ミドルネームの歴史
その後、誰もが一般的にミドルネームを使用するようになったのは中世ヨーロッパと言われています。
欧米における多様なミドルネームの由来
ミドルネームの例
聖人に由来するミドルネーム:David(デビット)、Matthew(マシュー)、 Michael(マイケル)、 Simon(サイモン)、 Stephen(ステファン)など数多く、第二の名前(ファーストネーム)として使用されています。
母方の苗字に由来するミドルネーム:後述する女優のリース・ウィザースプーンの場合は、彼女の正式名はローラ・ジャンヌ・リース・ウィザースプーンで、母方の苗字リースをミドルネームに使っています。
他にも、祖父母の名前をミドルネームに使用するなど、様々なミドルネームが存在し、複数のミドルネームを持つ人も見受けられます。
ミドルネームを含むイニシャルの書き方
例えば、「キューティ・ブロンド」で有名な米国人の女優さん、リース・ウィザースプーンは通常、Reese Witherspoonと表記されますが、彼女の正式な名前は、ローラ・ジャンヌ・リース・ウィザースプーン(Laura Jeanne Reese Witherspoon)。
よって、正式な名前の記載に沿ったイニシャルの書き方は、
名前(ファーストネーム):Lauraから頭文字をとってL
ミドルネーム:JeanneとReeseからそれぞれ頭文字をとってJR
苗字(ファミリーネーム):Witherspoonから頭文字をとってW
彼女のイニシャルの書き方は、LJRWとなります。
クレジットカードに見受けられる、名前の真ん中のイニシャルは何?
この真ん中の一文字はミドルネームの短縮形であり、前述したようにミドルネームを持つことが一般的な欧米人が多く、銀行口座やクレジットカードの名前の表記に、ミドルネームのみ、頭文字をイニシャルで使用しています。
目的としては、銀行口座など金銭に絡む重要な対象である為、間違えや盗難、なりすましなどを防ぐセキュリティ対策です。日常生活ではミドルネームをほぼ使わないことが多く、また複数のミドルネームを持つ人も多いわけですから、親しい友人の間でも相手のミドルネームを全て知らない場合もあり、セキュリティ対策には有効なイニシャルの使い方です。
有名人ならではのイニシャルの書き方
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映画「アイアンマン」で有名な米国の俳優、ロバート・ダウニー・ジュニア(Robert Downey Jr.)をご存知の方も多いと思います。彼は署名で、フルネームの最初の一文字をそれぞれとって、『RDJ』を使用することが多いようです。
名前(ファーストネーム):Robertから頭文字をとってR
ミドルネーム:Downeyから頭文字をとってD
苗字(ファミリーネーム):Jr.から頭文字をとってJ
よって、彼のイニシャルはRDJ。
本来、彼の名前の最後に使用されている「ジュニア」は接尾語ですが、名前の一部としてイニシャルに使用している訳ですね。これは有名な俳優であるロバートが、自分のイニシャルをトレードマーク的に使用している例です。
どちらの書き方でもOK
どちらの書き方が間違いということはありませんので、自信を持ってイニシャルを使用して下さい。