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「よろしいでしょうか」という言葉がもつ意味とは
「よろしい」とは、「よい(いい)」のていねいな言い方です。「でしょうか」は「だろうか」のていねいな表現で、不確かなことを相手に問いかけるときに使います。つまり「よろしいでしょうか」は「よいだろうか」という意味の敬語です。相手に対して、ていねいに許可を求めたり、確認したりするときに使用します。
「よろしいでしょうか」を使った例文
確認したとき
例文
・ご訪問の日にちは11月20日でよろしいでしょうか。
・2泊3日のプランでよろしいでしょうか。
質問したいとき
「質問」という言葉の頭に「ご」をつけたくなりますが、「ご」は「連絡」や「協力」など、相手のためにもなることに対してつけるため、「質問」の頭につけるのは適切ではありません。また、「質問させていただいてもよろしいでしょうか」という表現では、「させていただいても」と「よろしいでしょうか」で許可を求める語が2回入っているうえ、長たらしくなってしまうので使用しないようにしましょう。
許可を求めるとき
例文
・お手洗いをお借りしてもよろしいでしょうか。
・改めてお電話を差し上げてもよろしいでしょうか。
返答・回答が欲しいとき
例文
・お電話番号を伺ってもよろしいでしょうか。
・ご訪問の日時はいつがよろしいでしょうか。
接客をしているとき
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「よろしいでしょうか」を過去形にした「よろしかったでしょうか」という言葉をよく耳にしますが、現在おこなっていることに対して過去形の質問をするのはまちがった表現であるため、「よろしいでしょうか」を使用するようにしましょう。
例文
・ご注文は以上でよろしいでしょうか。
・空いたお皿をおさげしてもよろしいでしょうか。
「よろしいでしょうか」の使い方や注意点
メール
・打ち合わせの日時は〇月〇日の〇時からでよろしいでしょうか。
・社員総会で使用する資料は、以下の内容でよろしいでしょうか。
などのように、相手に確認を取りたい具体的な内容とあわせて使いましょう。ただし、初めて提案することに対して「よろしいでしょうか」と尋ねと、相手の都合を無視する意味合いになってしまうため、注意が必要です。「よろしいでしょうか」という言葉は、お互いがある程度納得している内容に対して確認するときに使用しましょう。
また、メール本文に「よろしいでしょうか」と書くだけでは、確認内容を見落とされてしまったり、返答を忘れられてしまったりする可能性があります。それらを防ぐためにも、件名の頭に「要返信」や「ご回答願います」などの文言を入れるなどの対策を取るようにしましょう。
電話
問い合わせの電話を受け、すぐに回答することができない場合は、「折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか」と相手に許可を求めます。ただし、折り返される理由が分からないと、相手は不安に感じてしまいます。そのため、「担当者に確認いたしますので、折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか」など、理由を簡潔に述べると良いでしょう。
手紙
あまり親密ではない相手に手紙を出すとき、返答をもらえる可能性を上げるために「ご迷惑とは存じますが、またお手紙を差し上げてもよろしいでしょうか」のように記入することもありますが、相手の性格や考え方によっては良い捉え方はしてもらえません。手紙で「よろしいでしょうか」を使用するのは避けた方が無難です。
二重敬語
「よろしいでしょうか」は、「よい」のていねい語である「よろしい」と、「だろうか」のていねい語である「でしょうか」のふたつの言葉が合わさってできているため、「よろしいでしょうか」という言葉自体は二重敬語にはあたりません。
これと同じ理由で、「頂いてもよろしいでしょうか」「伺ってもよろしいでしょうか」といった言葉も、敬語はそれぞれ別の単語にかかっているため、二重敬語ではありません。不安に感じたときは、一度すべての言葉をばらばらにして、敬語がひとつのことばにひとつ以下かどうか確認しましょう。
クレーム対応
たとえば、注文していた商品が相手の手違いで届かずクレームを入れたときに、「納品は2日後になりますが、よろしいでしょうか」と言われたらモヤッとしませんか。それは、こちらの都合を押し付けたうえで、相手にそれを許可させようとしているように聞こえるからです。
「よろしいでしょうか」はていねいな言葉ですが、場面によっては相手に不快感を与えてしまいます。言われた相手がどんな気持ちになるのかを、しっかり考えながら使用しましょう。
「よろしいでしょうか」との使い方の違い
よろしいですか
しかし、「いいだろうか」と許可を求める言葉にしては、「よろしいですか」という表現は断定的なため、聞かれる側としてはあまり気持ちの良いものではありません。「よろしいですか」を使いたい場面では、よりていねいでやわらかい表現である「よろしいでしょうか」を使用するのが無難です。
よろしかったでしょうか
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しかし、このように「よろしいでしょうか」を過去形にするのはまちがいです。「この商品でいいか」や「注文は以上でいいか」という現在進行形の内容に対して、質問を過去形にするのは不自然です。
「よろしかったでしょうか」を使いたい場面では、「こちらの商品でよろしいでしょうか」「ご注文は以上でよろしいでしょうか」のように、現在進行形の質問である「よろしいでしょうか」を使用するようにしましょう。
いかがでしょうか
「いかがでしょうか」とは、「どう」の改まった表現である「いかが」に、「だろうか」のていねいな表現である「でしょうか」をつけた言葉です。「どう?」つまり「いかが」には、相手の気分や意見などをたずねる意味があります。「〇月〇日を予定しておりますが××様のご都合はいかがでしょうか」のように、相手から意見や都合の返答をもらいたいときに使用しましょう。
「よろしいでしょうか」に対する正しい返し方
OKのとき
「よろしいでしょうか」に対する返し方として、もっとも自然で正しいのは「はい、構いません」と「はい、結構です」という返答です。特にビジネスシーンにおいては、目上の人にも使える表現なので覚えておくといいでしょう。
ただし、「結構」という言葉は肯定とも否定ともとれる言葉のため、文脈によっては誤解を与えてしまうおそれがあります。そのため、「結構です」のあとに「それでお願いします」など、はっきり意思がわかる言葉を付けくわえるとなお良いでしょう。
返答する相手が先輩や同僚であれば、「はい、大丈夫です」などの少し砕けた敬語表現でも問題ありません。