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論じるときの書き方・コツ・語尾と書き出しの方法|レポート

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論じるとはどういうことか?

まず、「論じる」の意味を見ていきましょう。「論じる」とは「ある物事や自身の感情など、自分の伝えたいことなどを論理だてて説明し、与えられたテーマなどに対する自分の主張をすること」を言います。今回は「書く」という行為を対象としますが、他の意味合いとして「議論する」、「論争する」という「話す」行為としても使われます。

論じるときの書き出し方は?

では、「論じる」ときの書き出し方について見ていきましょう。結論から言うと、「論じる」ときの書き出しは2つのパターンしかありません。具体的にお示ししましょう。

テーマが明確な場合!

一つ目は出されたテーマが明確な場合です。<例題>ビートルズはなぜ世代を超えて人気があるのか。あなたの考えを自由に述べなさい。

テーマがはっきりとしています。そこで、この場合は「結論から書き出す」ようにします。回答例をお示ししましょう。

1.私はビートルズが世代を超えて人気があるのは、メロディーラインやリズムが、いつの時代の人にも心地よい感覚を与えるからだと考える。

2.ビートルズが世代を超えて人気があるのは、メロディーラインやリズムが、いつの時代の人にも心地よい感覚を与えるからだと考える。

ここでのポイントは、結論から論じるスタイルは同じですが、文頭に使う言葉として、「私は」または問題の中の言葉(例題の場合はビートルズ)を持ってくるということです。

テーマが漠然としている場合!

二つ目は、テーマが漠然としている場合です。<例題>ビートルズについて、あなたの考えを自由に論じなさい。

テーマが漠然としています。こんな場合の書き出しは「自分が想定した問題提起」です。回答例をお示ししましょう。

1.なぜビートルズは、世代を超えて人気があるのだろうか。

2.なぜビートルズの曲のメロディーやリズムは、現在も色あせることがないのであろうか。

このように、ビートルズに関して、自分自身が持つ問題意識や疑問を冒頭に持ってきます。よく、「私は、ビートルズが世代を超えて人気がある理由をこれから書いてみる」という表現をする人がいます。間違いとは言えませんが、幼稚な印象を与えてしまします。原則的には「~だろうか」、「であろうか」と表現します。

論じるときの語尾は?

次に「論じる」時の語尾の注意点を見ていきましょう。

調子を合わせる!

「論じる」際によく見られる誤りが、「です・ます調」と「である・だ調」の混在です。どちらかに統一することが原則です。引用する部分がある場合で、元の調子の方がしっくりくるというときは混ぜて使う場合もありますが、原則は統一することと覚えておきましょう。レポートや論文で「論じる」場合には、一般的に「である・だ調」を使います。

あいまい表現はしない!

これも「論じる」場合によくある誤りですが、「~であるようだ」であるとか、「~ということであろうか」というようなあいまいな表現です。これでは回答者の自信のなさが浮き彫りになってしまいます。

この場合は、「~である」、「~ということだ」というように断定的に言い切るようにしましょう。全くの事実誤認の場合はNGですが、思い切って断定しても問題がない場合は自信を持って断定して「論じる」ようにしましょう。

肯定文で書く!

「論じる」場合、基本的には否定文ではなく、肯定文で表現するようにします。例えば「~でない」という表現をした場合、「じゃあ何なの」という疑問を抱かせてしまうことになり、表現として抽象的すぎます。また、「~と言えなくもない」という表現などは、回答者がどちらの立場で「論じる」気持ちなのかさえ分からくなってしまいます。

肯定文=断定的ですから、情報量としても多く論旨も明確になります。もちろん、否定的な言い回しをしなければならない場合もありますが、「原則は肯定」と覚えておきましょう。

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能動態で!

「論じる場合」はできるだけ能動態主体の文章を書くようにしましょう。例えば、「BはAによって○○される」(受動態)よりも、「AはBを○○する」の方が自然ですし、読みやすくなります。哲学的・文学的な文章の中では、AとBの立場の違いを明確にする技術として受動態の表現が多用されています。

しかし、「論じる」相手はレポートや課題などであり、「採点」の対象になる文章です。より自然で読みやすい能動態表現で論じるようにしましょう。

「論じる」ときの語尾以外の注意点は?

では次に、「論じる」場合の語尾以外の注意点について見ていきましょう。

読みやすさ!

言うまでもなく、課題やレポートなどで「論じる」場合、個人的な日記や回想文を書くのではないということです。私的な文章であれば、自分だけが理解できればそれでいいのですが、課題やレポートなどで「論じる」場合の主役は読み手(採点者)です。

そのためには、常に相手の立場にたって、どのような表現をすれば誤解されずに真意が伝わるのか、どのような言い回しが相手にとって読みやすいのかなど、常に相手目線で文章を書くことが基本です。

文は簡潔に!

これも「論じる」場合にありがちですが、思い入れが強すぎて、ついつい1つのセンテンスが長くなります。論旨が明確な場合はまだ許せるとして、考えがまとまっていない長い文章は論外です。

1つのセンテンスは、長くても2行程度としましょう。長くなりそうであれば、一旦区切って、複数のセンテンスになるようにしましょう。

修飾語の使い方!

「論じる」場合に見とされがちなのが「修飾語の位置」についてです。例えば次のような文章を見てみましょう。

「星のようにきらめく夜景を見ている君を見た」。この文では、「星のようにきらめく夜景」を見ている「君」を見たという解釈(星のようにきらめくのは夜景)と、「星のようにきらめく「夜景を見ている君」を見た」(星のようにきらめくのは「夜景を見ている君」)という二つの解釈ができてしまいます。

どうでしょうか。ここまで気配りをして修飾語を使っているでしょうか。例えば、前者の意味で使いたい場合は、「星のようにきらめく夜景を、見ている君を見た」となります。また、後者ならば、「星のようにきらめく、夜景を見ている君を見た」というように、表現になります。句読点を効果的に使うと意味が明確になります。

誤字・脱字・読みづらい字はNG!

「論じる」際の基本です。辞書の使用が許されている場合は、少しでも自信がないときは必ず辞書を引くようにしましょう。また、「論じる」内容がいかに優れていても、小さすぎる文字や殴り書きに近い文字などは、第一印象が非常に悪くなってしまい評価が下がります。字に自信がない場合でも、丁寧に書くことを心がけましょう。

また、理解の範囲を超えているであろう横文字を、しかも複数使用するのもNGです。読み手も理解できない場合がありますし、内容よりも言葉でごまかそうとしているのでは、との疑念を抱かせてしまう恐れもあります。

論じるときの考えの書き方は?

それでは、「論じる」時の考え方の書き方について見ていきましょう。

疑問の連鎖で考えを深掘りする!

問題に対して考えたときに、最初に頭に思い浮かんだものは、一般的に主観的で表層的なものです。例えば、「ばれなければどんな嘘でもついても良い」という考えに賛成か反対かを問う問題が出されたとしましょう。自分は「反対」だという立場を取るとした場合、次のような思考で疑問を深めていきます。

・自分がそのような考え方をしたのはどういう時か。
・日常生活の中で、自分が嘘をついて公開するのはどんなケースか。
・周りに問題のような人はいるだろうか。
・その人たちはなぜそのように考え、行動するのだろうか。

というように具体的な疑問を想定し、Q&A方式でメモを取ります。

ポイントは、疑問→答え→それに対する疑問→答えというように、「なぜの連鎖」をしてどんどん深掘りしていくことです。深掘りすればするほど、より客観的な事実(真実)に近づきます。

6つの視点を持つ!

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「論じる」課題やレポートの評価者を満足させるようにするためには、作り手の視野の広さを感じてもらうように「論じる」ことが必要です。視野を広げるための視点は次の6つです。

1.事実を知る:その問題・テーマをめぐる事実を把握する。
2.背景から考える:その問題はどんな背景から生まれたのか、時間をさかのぼってリサーチする。
3.別の立場で考える:賛成・反対など立場の違う人の多様な意見を聞く。

4.規模を広げて考える:日本に関する問題の場合は世界との、地方に関する問題の場合は全国との比較をするというように、規模を広げて考える。
5.プロの見方を参照する:専門家の視点を借りて、本質や外せないポイントを押さえる。
6.常識を疑う:思い込みを覆して新しい発想を生み出すようにする。

これら6つの視点から疑問を持つことで、客観的な事実を把握することができ、より説得力のある文章を書くことができるようになります。

論じるときのコツは?

それでは、論じるときのコツについて見ていきましょう。

PREP法の活用を!

PREP法とは、(P)OINT=結論(R)EASON=理由(E)XAMPLE具体例(P)OINT結論の頭文字を取ったもので、文章構成方法の一つです。

(1)結論をまず述べる:一般的に、人は一番最初の文章の読み始めや、話し出しの30秒程度が特に集中力が高いと言われています。「論じる」場合は結論を最初に述べましょう。

(2)相手の疑問を先回りする:結論から先に述べられると、「なぜ」と突っ込むのが人間の心理です。そこで、結論の次にその理由を持ってきます。その際に重要なのは、できるだけ具体的かつ客観的な根拠を持って説明するということです。根拠のない理由では説得力はありません。

(3)抽象と具体の往来:PREP法では、抽象的な結論から始まって具体的な理由を述べ、最後に抽象的な結論に返ってくることで、文章に安定感を持たせ、読み手にも安心感を与えます。

PREP法を活用して「論じる」コツを習得しましょう。

テストの事例!

では、小論文のテストのポイントをお示ししましょう。イエス・ノーを明確にするのが小論文です。そこで必要とされるのは問題提起です。問題提起するためには3つの秘訣があります。

1.賛否両論ある:一般的に見解が大きく偏る問題提起は避けるべきです。普通の見方と異なる見解が出しづらく、当たり前の意見となって評価が得にくいからです。

2.身の丈に合っている:時間内に「論じる」必要があるので、調べないと分からないことは書かないのが鉄則です。

3.社会にとって大事なこと:個人的な趣向ではなく、社会全体にとってプラスかマイナスかという視点で問題提起するようにしましょう。

論じるときの書き方の例は?

それでは、論じるときの書き方の事例を見ていきましょう。

レポートの書き方は?

大きな構成は「序論・本論・結論」となります。PREP法で見たように、序論のところには、まず結論・見解を述べます。

次に本論ではその理由を述べます。説得力を持たせるために資料や文献を引用します。根拠を述べた後は必ず自分の見解を書きます。その際に異なる意見に対する自分の見解を、論理的かつ合理的に述べるようにしましょう。

最後に結論です。最初の繰り返しになりますが、レポートを通して自分が伝えたいことや今後の展望と課題、レポート作成を通じて感じたことなどを書けば文章が引き締まります。

課題の書き方は?

まず、課題についておさらいしておきましょう。「問題」:現状と目標とのギャップ、「課題」:問題を解決するための達成目標、「対策」:課題を克服するための具体的な行動内容、です。

この関係を押さえておかないと筋の通らない文章になります。ポイントは、・そもそも何が問題なのか、・その問題を解決するためには何を目標にすべきなのか、・課題を解決するために、いつまでにどのようなことをしなければならないのかという点を明確にしましょう。

正しく「論じる」習慣を!

「論じる」をテーマに、「論じる」コツやテクニックなどを見てきました。書くことや話すことは人と人とのコミュニケーションの大切な手段です。自分の思いを正確に、かつ心に届くように伝えるためにも、正しく「論じる」習慣を身に付けましょう。
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